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EVの車載バッテリーはどれほどもつのか? 効率の良い充電のしかたとは

Response より


電気自動車(EV)の普及を間近に控え、多くの消費者が迷うのは、「車載バッテリーがどれほどもつか」であるかもしれない。

一例として、日産は初代『リーフ』後期の30hWh仕様のリチウムイオンバッテリーに8年16万kmの保証を与えている。
当初の24kWh仕様では、5年10万kmだったので、飛躍的な耐久性の向上だ。
目安とは別に、実用では、充電の仕方によって劣化の度合いが変わってくる。

リチウムイオンと鉛酸やニッケル水素との充放電の違い

リチウムイオンバッテリーは、これまでの鉛酸やニッケル水素と充放電の仕方が異なる。
これまでのバッテリーはいずれも、電極の金属が電解質によって化学反応を起こし、それによって酸化する際に電子を放出することで電気を流してきた。
つまり、電極の金属が、別の金属に化学変化するのである。充電すれば、今度は還元されて元の金属に戻る。
電極の金属が充放電のたびに変化するので、劣化も早かった。

一方、リチウムイオンバッテリーは、電極に含まれるリチウムイオンを正極(+)と負極(-)で行き来させるだけで電気が流れるので、電極の材質は変化しない。
いずれは劣化するが、ほかのバッテリーに比べ長持ちするのである。

このことを理解したうえで、充電についても鉛酸やニッケル水素と違うやり方が、より劣化を抑える使い方になる。

リチウムイオンバッテリーの効率良い充電


ハイブリッド車(HV)で普及したニッケル水素は、それ以前のニッケル・カドミウム(通称ニッカド)と同じ特性であるため、溜められた電力を使い切らないうちに充電すると、メモリー効果と呼ばれ、本来の容量に達する満充電にならなくなってしまう特性がある。
このため、できるだけ電気を使い切ってから充電することが薦められている。
充電器によっては、電力がまだ残っている際にはまず放電を行い、その後に充電を開始する制御が組み込まれている場合がある。

鉛酸バッテリーは、満充電であることによって安定した性能を出せるので、常に満充電を保つ使い方が推奨される。
したがって長い期間クルマを利用しない場合は、電極の配線を外しておくとよいといわれる
。電気を使い切った状態で放置すると、劣化が進むのだ。

それらに対し、リチウムイオンバッテリーは、電力を使い切らなくても充電して差し支えない。
また100%充電ではなく、80%前後までの充電にとどめておくと、長持ちする特性だ。
これはEVに限らず、スマートフォンやラップトップコンピュータなどでも同じである。

EVは、自宅での普通充電が基本となる。
出先においても、比較的長時間滞在する仕事先や、ショッピングモール、あるいはレストランでの食事など、数時間滞在する折に、低電流で少しずつ充電し、満充電にならなくても、次の経由地でまた普通充電でつぎ足す使い方が最善となる。
急速充電器の設置ばかりを優先し、電気を使い切ってから満充電を目指すやりかたは適切ではない。
ただし、急速充電でも80%ほどまでしか充電できないので、この点は適している。

「EV後」のバッテリーにも二次利用の価値がある


次に、EVバッテリーは、寿命を終えてもなお60~70%の容量を残している。
他の電気製品と異なり、クルマは加減速が頻繁で、電流の上下幅が大きいため、30%前後消耗したバッテリーは、加速などで十分な性能を発揮できなくなるからだ。

一方、スマートフォンなど含め一般の電気製品は、定格電力といってある一定の消費電流で使われることが多く、瞬発的な電流は求めない。
そこで、EVで寿命を終えたバッテリーでもなお数年使い続けることができる。
たとえば再生可能エネルギーによる発電の不安定電力を補う支援バッテリーとして利用の道が拓ける。
EV後のバッテリーに価値が残るのだ。
EV後のバッテリーの二次利用に価値があることで、将来的にEV用バッテリーの原価をさらに低くすることも可能だろう。

EVバッテリーの積み替えについては、初代『リーフ』のバッテリー交換には70~80万円掛かるとされる。
同時に、二次利用のバッテリーの活用もはじまっている。
これを利用すると、約半額でのバッテリー交換が可能になる。

エンジン車と同じ発想で心配しても意味がない

EV後のバッテリーといっても劣化は一律ではなく、バッテリーとは劣化の激しいセルに合わせた性能しか出せなくなる習性がある。
したがってEV後のバッテリーも、セル単位に分解すれば、EVとして利用可能な容量を残すセルも存在するのである。
それを集めて組み立てれば、まだまだEVを走らせることができるというわけだ。
この事業を、日産はすでに始めている。ほかにもホンダをはじめ、EVを販売するメーカー各社はリサイクル事業の展開を進めている。

ようやくEVが普及しだす段階で、エンジン車と同じ発想で心配しても意味がない。
EVにはEVなりの利用方法や延命のさせ方がある。
そして8年後には、国内の発電も60%が脱二酸化炭素となっていく。
いよいよ、EV時代が幕を開けるのである。

《御堀直嗣》

引用元:https://response.jp/article/2022/03/05/354875.html