道路に落ちていたゴミが次に通る時には消えている! 誰がいつどうやって回収しているのか実態を探ってみた
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WEB CARTOP より
朝のゴミが夕方に消えるのはプロの努力の賜物
朝のクルマ通勤時、ふと路肩に目をやると、潰れた段ボールや片方の靴、あるいはペットボトルのかけらなどが転がっているのを見かけたことはないだろうか。「汚いな、危ないな」と思いつつ通り過ぎ、夕方の帰宅時に同じ場所を通ると、あれほど目立っていたゴミが跡形もなく消えている。
これらは一体、誰が、いつの間に回収しているのか。私たちドライバーがなにげなく走行し、当たり前だと思っているきれいな道路は、どうやって維持されているのか。その実情をお伝えしよう。

まず、多くのドライバーが利用する高速道路の話から始めよう。ここで落下物の回収を担っているのは、主にNEXCOなどの高速道路会社が管理する「交通管理隊」である。
彼らは黄色のパトロールカーに乗り込み、24時間365日体制で道路を巡回している。時速100キロで行き交うクルマのすぐ脇で、重いタイヤや飛散した積荷を回収する作業は、極めて危険を伴う。
落下物の数は私たちの想像以上だ。NEXCO東日本のデータによれば、同社管内だけで年間約10万件もの落下物が処理されている。全国では30万件以上となる。これは単純計算でも1日に820件以上、およそ1〜2分に1回のペースでなにかが拾われていることになる。内訳として多いのは、プラスチックや布類、そしてタイヤのバースト片などだが、なかにはトラックから落下したと思われる木片や家具、冷蔵庫など「なぜこれが?」と首を傾げたくなるような大型ゴミも少なくない。
高速道路上のゴミがなくなるのは、彼らが常に目を光らせ、また通報があれば即座に駆けつけて回収しているからにほかならない。彼らは落下物を見つけると、発煙筒を焚いて後続車に警告を発し、ふたり1組の連携プレーで瞬時に回収を行う。その手際のよさは、まさにプロならではの高度な連携だ。

一般道ではユーザーの通報がより重要となる
一方で、一般道の事情は少し複雑だ。それは国道、県道、市道と種類があり、それぞれ管理者が異なるから。国道であれば国土交通省の国道事務所、県道なら県の土木事務所、市町村道なら各自治体が管理を担っている。
一般道の場合、高速道路のように専任の交通管理隊が常時巡回しているわけではない。基本的には、委託を受けた民間業者の道路パトロールカーが巡回したり、路面清掃車が定期的に走ったりしてゴミを回収している。
とくに都市部では、深夜から早朝にかけて大型の清掃車が稼働し、路肩に溜まった粉塵や細かいゴミを吸い取っている光景を見かけることもあるだろう。国土交通省の維持管理基準でも、交通量の多い都市部では頻繁な清掃が求められている。

しかし、突発的な落下物に関しては、やはり巡回だけでは追いつかないのが実情だ。そこで重要になるのが、一般市民からの「通報」である。
道路の緊急ダイヤル「#9910」をご存じだろうか。これは国交省が管理する全国共通の番号で、かけると自動音声で高速道路や国交省管理の国道など道路の種類を選択でき、担当の管理者に直接つながる仕組みになっている。私たちが「危ない」と思って通報したその1本の電話が管理者を動かし、夕方の「きれいな道路」を作っていることも多いのが実情だ。

近年では技術の進化でこれまで人間の目視に頼っていた落下物や路面損傷の発見に、AI(人工知能)が活用されはじめている。しかし、どれだけ技術が進化しても、変わらない大原則がある。それは「落下物は落としたドライバーの責任」ということだ。
道路交通法第71条には、積載物の転落や飛散を防ぐ措置を講じることが運転者の義務として明記されている。高速道路の場合は「道路交通法の第75条の10」に違反する。高速道路で物を落とすことは、単なるマナー違反ではなく、重大事故につながりかねない危険な法律違反だ。
朝、道路にあったゴミが夕方に消えている──。その背景には、危険を顧みず走りまわるパトロール隊員の努力がある。愛車を走らせる私たちにできることは、彼らの手を煩わせないよう、出発前に荷物の固定をしっかり確認すること。ましてやゴミのポイ捨てなどは言語道断だ。そして、もし落下物を見つけたら迷わず「#9910」へ連絡すること。きれいな道路は、魔法ではなく、だれかの仕事でできているのである。


































