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イライラは百害あって一利なし! 感情を処理できないならハンドルは握るべきじゃない!? プロドライバーが理性的に感情を処理する方法!
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ベストカーWeb より


 近年はドライバーによる無線もモータースポーツの醍醐味であるが、ときには感情的に発した言葉が話題になることも。だが、言ってしまえば運転のプロだと思われるレーシングドライバーは感情的でよいのだろうか? 公道を走る際は、安全にかつイライラせずにといったことは教習所でも習うが……。その実、レーシングドライバーは一見感情的に見えても、頭は冷静かつ理性的に対処していたのだ!

文:中谷明彦/画像:富士スピードウェイ、ベストカーWeb編集部

レーシングドライバーってイライラしないの?



 理性を失わないことがドライビングの基本であることは言うまでも無い。車は「走る凶器」とも言われてしまうのだから、ドライバーは常に安全に配慮したドライビングを心がけるべきだ。

 自動車の運転には、常に人間の感情が関与する。とりわけ「怒り」や「イラ立ち」といった感情は、判断を鈍らせ、操作の精度を低下させる最大の要因にもなる。レースシーンにおけるプロフェッショナルドライバーでさえ、その感情の制御は難しい課題の一つであり、一般道を走る上ではなおさら注意を要する。

 ここでは、レーシングドライバーが「興奮」や「イラ立ち」にどのように対処しているのか、そして一般ドライバーが公道で心掛けるべき感情コントロールについて考察する。

 F1などの国際レース中継を見ていると、ドライバーが無線越しにFワードを連発する場面が映し出されることがある。緊迫した状況下での発言として話題となることが多いが、実際の現場ではそれほど頻繁に発せられているわけではない。

 多くのレーシングドライバーは、極限状態においても冷静さを失わない訓練と精神管理を徹底している。なぜなら、感情に任せた操作は即座にミスを誘発し、結果的にリタイアや重大なクラッシュに直結するからである。

感情的に見えるけど頭はかなり冷静



 例えば、接近戦で相手に進路を妨害された際や、ストレートで蛇行を受けた場合など、理不尽な状況は少なくない。しかし、その瞬間に怒りを爆発させるようでは、プロフェッショナルとして競技を成立させることはできないだろう。

 F1マシンではレース中の操作は常に多忙を極める。ステアリング、ペダル操作、シフトアップ、ブレーキバランス、マッピング切り替え、DRSの開閉、燃料マネジメントなど、瞬時の判断と操作が連続する環境において、感情を発散させる余裕はほとんど存在しない。

 したがって、中継でFワードが目立つのは、むしろ放送側の編集意図による側面が大きいと感じている。実際のドライバーは、口を開いて怒鳴るような余裕すらないほど緊張した状態でレースに臨んでいる。

 「沈着冷静こそが速さを支える技術」の根幹と言えるのである。

翻って一般道でのドライバーはどうか?



 一般道を走る際にも、苛立ちを感じる状況は多々あるだろう。煽り運転、信号無視、急な割り込み、車間を詰めてくる車両など。こうした行為に遭遇すると、瞬間的に怒りの感情が湧き上がることは自然な反応と言える。

 しかし、その感情に運転操作が支配されれば、判断力が失われ、結果的に自身や他者を危険に晒すことになる。

 プロドライバーは、速度が持つ危険性を熟知している。速度が上がれば上がるほど、視野は狭まり、判断に使える時間が短縮する。したがって、公道では「急いでいる時ほど、ゆっくり走る」という逆説的な原則が成り立つ。

  一般道はサーキットとは異なり、予測不可能な要素に満ちている。歩行者、自転車、対向車、交通ルールさらには周辺状況の変化。どれもが潜在的な危険因子であり、感情に支配された操作は即座にリスクを高める。

 運転中にイラ立ちを覚えた際には、アクセルを緩め、深呼吸を一度入れることが有効だ。呼吸を整えることで自律神経が安定し、理性が感情を上回る状態に戻る。怒りはおよそ30秒程度で鎮静化するといわれている。

 したがって、その間に不要な操作を避け、余裕を持って流れに従うことが、最も現実的かつ安全な対処法となるのである。

不自由を常と思えば不足なし



 運転していれば、理不尽な出来事は避けられない。信号をきちんと守っているのに、次々と赤信号に引っかかることが多い。行政は車を止める事が安全性を高めると昔から考え信号を制御している。

 正直者がバカを見るような策だ。高速道路の合流地点で譲ってもらえないこともあれば、こちらが譲っても相手が過剰に幅寄せいしてくることもある。

 こうした場面にいちいち反応していては、運転のたびにストレスを蓄積することになる。運転自体が苦痛となってしまうだろう。重要なのは、「理不尽を前提に置く」という心構えである。交通社会とは、さまざまな考え方と行動パターンを持つ人間の集合体であり、全員が同じ判断基準で動いているわけではない。

いかりこそ敵と思え



 したがって、他者の行為を完全に制御することは不可能。制御できないものに感情を浪費しても意味はない。むしろ、常に譲る側に回ることで、状況を支配することができる。相手の行為に反応するのではなく、自分が先に冷静な選択を行う。それこそが、安全運転における精神的な主導権を握る方法と言える。

 怒りは伝播する。煽られたからといってやり返せば、双方の感情が増幅し、エスカレーションが始まる。この負の連鎖を断ち切るには、どちらかが「反応しない」という選択を取らねばならない。冷静なドライバーは、相手の挑発に反応せず、速度を落として距離を取る。挑発を受け流す行為は「負け」ではない。

 むしろ、物理的・心理的距離の確保こそが安全を守る賢い防衛技術なのだ。さらに、イライラした状態でハンドルを握り続けること自体が危険だ。人間は怒りを感じると心拍数が上昇し、手足の動きが粗くなる。ブレーキペダルの踏力も一定にならず、車体の挙動を乱す。

そもそもイライラした状態での運転はすべきでない



 もし強い怒りを覚えたら、一度安全な場所に停車し、窓を開けて外気を吸う。生理的なリセットを行うことで冷静さを取り戻すことができるだろう。レーシングドライバーの世界でも、ピットイン中に深呼吸し、心拍を整える時間を取ることがある。

 感情をリセットすることは、速さだけでなく、安全にも直結する。

 人によっては、もともと感情の起伏が大きく、些細なことにイラ立ちやすい性格もある。その場合、無理に自制しようとするよりも、「運転を控える」という選択を取ることも賢明だ。心理的に不安定な状態や、日常でストレスを抱えている時は、車の運転を避ける。短時間でも休息を取ることで、心のバランスは回復する。

 運転は、心身が健全な状態でなければ行うべきではない行為である。また、「ドライブで気分転換をしたい」と考えて出かけることもあるが、強い感情を抱えたままハンドルを握ると、逆に危険を誘発する。感情の高ぶりはアクセル操作に反映されやすく、必要以上に速度を上げてしまうことに繋がる。

 走りでストレスを解消しようとする発想そのものが、危険の入口であると心得るべきだ。

感情のコントロールもドライビングテクニック



 怒りやイラ立ちを完全に消すことは不可能である。しかし、感情の発生を客観視し、その「ピーク」をやり過ごす術は習得できる。心理学的には、怒りは外的要因によってではなく、「自分の期待が裏切られた時」に生じると言われている。

 すなわち、他者への期待値を低く設定すれば、怒りの発生頻度は減少する。ドライバー同士の関係も同様で、「相手は自分と同じ判断をしない」と前提づけておけば、行動の違いに過剰反応することがなくなる。

 ドライバーにとって判断とは、ハンドル操作やブレーキ入力に直結する要素であり、つまりは走りそのものを左右する。冷静さを維持することは、技術の一部であるといっても過言ではない。感情を制御することが、安全の根幹となる。

 このように、「イラッとした時の対処法」とは、単なる気分転換の話ではない。それは、運転という行為の根幹に関わる人間の制御技術の問題であり、どれほど高性能な車でも、感情に支配された操作を続ければ安全性は損なわれる。

 逆に、どんなに交通環境が悪くても、冷静に判断し、他者を尊重できるドライバーは、常に一定の安全マージンを確保できている。怒りは瞬間的で、理性は持続的である。瞬間の感情に支配されれば、残りの人生を左右するほどの事故を招く可能性すらある。

 ゆえに、理性を保ち、譲る余裕を持つことこそが、ドライバーとしての成熟の証となるのだ。イラッとした瞬間こそ、自身の成熟度が試されている。冷静であること。それが、あらゆる場面において最も速く、最も安全な走り方となることを心得ておいてほしい。



引用元:https://bestcarweb.jp/news/1378965


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