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カタログだけじゃわからない! 間違って買うとずっと後悔する「クルマの荷室」の選び方
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WEB CARTOP より

ラゲッジスペースで重要なのは積載容量だけではない


 クルマを選ぶ際、普段から大きな荷物をいっぱい積む、アウトドアなどにグッズを満載して出かける、ベビーカーやペットカートを積む機会が多い……というような人は、クルマのデザイン、性能、乗降性、居住性、快適性、シートアレンジ性はもちろん、とくにラゲッジルームの使い勝手にこだわるはずだ。



 ここでは荷物を積むうえで、使いやすいラゲッジムールとはどういうものかを紐解きたい。ポイントは、VDA方式などで示される容量だけにとらわれないことだ。

 まず、スーツケース、アウトドアグッズや一体式のベビーカー、ペットカートなど、重い荷物の積載容易性として挙げられるのが、ラゲッジルームの開口部の高さだ。ステーションワゴンだと約620mm、SUVであれば約730mmが平均値。SUVよりワゴンのほうが低く、重い荷物の出し入れは圧倒的にラクになる。



 しかし、ラゲッジルーム開口部の低さだけに注目すれば、ミニバンが優位になる。たとえばMクラスボックス型ミニバンの例を挙げれば、ステップワゴン530mm、ノア&ヴォクシー500mm、セレナ520mmと、SUV、ステーションワゴンと比較すれば圧倒的に低い。Sクラスのミニバンになればさらに低くなり、フリード460mm(クロスターの2列シートは320mm!)、シエンタ505mm(2列シートは565mm)だ。



 そして、ラゲッジルームの開口部の低さとともに重要なのが、開口部に大きな段差がないこと。セダンのトランクだと開口部からフロアまでの段差(深さ)が大きく、重い荷物を出し入れする際、荷物を引っ張り上げる、引っ張り出す作業が大変になる。



 スーツケースのような重い荷物も、開口部に段差がなければサッと積み込めて、スルスルと引っ張り出すことができるからラクラクだ。

開口部に段差がないと荷物の出し入れがしやすい


 ラゲッジルームの積載力については、まずはフロア奥行きがモノをいう。先に触れたフリード、シエンタの3列目席使用時の奥行きはそれぞれ240mm、310mm。Lクラスボックス型ミニバンのデリカD:5にしてもキャビン優先パッケージで160mmでしかない。とはいえミニバンの場合は、3列目席を格納することでそれぞれ990mm、860mm、1200mmまで拡大するから、1/2列目席のみの使用であれば、高さを含め、一気にラゲッジルーム容量が拡大することになる。



 つぎに、ラゲッジルームのフロア幅だ。一体式のベビーカーやペットカートの積載を例に挙げると、幅は1000mm以上が必要になる。というのは、ベビーカーやペットカートはまっすぐ横に積む必要があるからだ。もし、斜めにしか積めないようなラゲッジルームだと、荷物の積載性は著しく悪化するのだ。しかも、ペットカートなどはその上に重い荷物を積むことはできない。フレームなどを損傷してしまうからだ。

 ただし、デリカミニの例を挙げれば、ラゲッジルームのフロア奥行き290~675mm、フロア幅885mmという広さで、我が家の折り畳み全長1000mmのペットカートを真横に積むことはできなさそうだったのだが、後席を前出ししてフロア奥行きを拡大したときに、フロア前端がリヤドア部分となり、そのぶん、幅方向に余裕が出て、折り畳み全長1000mmのペットカートを真横に無理なく(というかピッタリして動かないので好都合)積み込むことができた例がある。



 一方、高さ方向は、普段から観葉植物などを積み込むお花屋さんなどの用途でなければ、あまり気にしなくていい。そもそもラゲッジルームの天井ギリギリまで荷物を積み込むことなど、引っ越しなどを除いてまずないはずで、もし積んだとしたら、走行中の後方視界に影響し、危険だからである。

 ラゲッジルームにあると便利なものとしては、床下収納がある。普段はあまり使わないものだがいざというときに必要なもの(三角表示板、バッテリーケーブルなど)をスマートに収納するのに役立つ。ラゲッジフロア左右にポケットがあるのも使いやすく便利だ。



 そして、一部のクルマに限られるが、フリードクロスターの2列シートのように、ラゲッジルームを上下2段で仕切れるようなアレンジ性をもつクルマも使いやすいはずである。



 また、ラゲッジルームにアクセサリーソケット、電動車のAC100V/1500Wコンセントがあれば、アウトドアや災害時に大活躍してくれること必至だろう。



 ところで、うっかり見落としがちな、ラゲッジルームの使い勝手が、ボックス型ミニバンなどにある大きなバックドアの開閉性だ。Mクラスボックス型ミニバンのバックドアは、車体後方に約1mのスペースがないと全開できない。クルマをバックで壁などにピタリと寄せて止めてしまうと、バックドアを開けることができず、ラゲッジルームから荷物を取り出せずにクルマを前に出し直してバックドアを開け、またバックして駐車を完了する……という面倒、悲劇に見舞われる。



 が、大きく開くボックス型ミニバンでも、たとえばノア&ヴォクシーはパワーバックドアでなくても”カラクリ”で、バックドアを途中で止められるし、パワーバックドアの開閉スイッチをバックドア側ではなく、ボディリヤサイドに移して、これまでにない開けやすさ、閉めやすさを可能にしている。



 また、パワーバックドア装着車の一部は、リモコン操作などで任意の位置までバックドアを開くことができるから便利。車体後部にスペースのない場所でも、少しだけ開けたバックドアに横からラゲッジルームにアクセスすることができるようになる。ボックス型ミニバンのそうした不便を最初に解決してくれたのは、先代ステップワゴンのわくわくゲートのサブドアだったのだが、左右非対称になるバックドアデザインが不評で現行モデルでは不採用になったのが惜しまれる。



 セレナの場合はデュアルバックドアという、バックドアのガラス部分だけを開けられる裏技を備えているし、カングーのような観音開きのバッグドアを備えているクルマもある。自宅駐車場やいつも止める駐車場に車体後部のスペースがない……というなら、そうした技ありバックドアをもつクルマを選ぶといいだろう。



 ちなみに、コンパクトカーなのにラゲッジルームが使いやすく、びっくりするほどの積載力をもつ1台として、スズキのソリオが挙げられる。なんと後席使用時でも定員分、つまり5個の機内もち込みサイズのキャリーケースが積み込め、さらに床下にもうひとつキャリーケースが入ってしまうのだ。



 最後にひとつ触れさせてもらえば、クロスオーバーモデルの一部に、ラゲッジフロアがタフなワイパブル、つまり樹脂製になっているクルマがあるが、これには一長一短がある。



 タフな見た目を演出できる一方で、カーペット敷きとは違って荷物が滑りやすく荷物が滑ってラゲッジの壁面などに当たるとカチカチ音がするし、重い荷物を出し入れする際、フロア側にキズがついてしまうこともあるから要検討である。


引用元:https://www.webcartop.jp/2025/11/1755998/


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