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なぜ冬に「タイヤ脱落事故」が増える? 安全運転していても発生!? 12月が「要注意」な理由とは
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くるまのニュース より

実は作業スタッフも「大丈夫だったかな」と心配になるケースも!?


 1年のなかで、12月はもっとも「タイヤ脱落事故」が増えるといいます。

 多発する要因は何なのでしょうか。また、どのような対策が必要なのでしょうか。

 自動車事故のニュースでは、タイヤが外れたことが原因となる事故が定期的に報道されます。これは特に冬場に発生しやすいようです。

 国土交通省によると、タイヤ外れに起因する事故は1年を通して12月が一番多く、11~3月が平均よりも高い水準だといいます。

 この時期にタイヤが多く外れる要因とは一体どこにあるのでしょうか。

 複数の要因があるなか、とくに冬から春にかけて増加する主な理由は、この時期にタイヤ交換が多いことが挙げられます。

 冬タイヤ交換の際に作業ミスをしていたり、タイヤ交換作業後の整備不足が要因となっています。

 ディーラーでクルマを購入して、定期的なメンテナンスなどもすべてディーラー整備に任せているドライバーにとっては、タイヤが外れること自体が不思議に思えるかもしれません。

 しかし、特に降雪地域で日常的にクルマを使用するユーザーは、複数台ある自家用車を自分でタイヤ交換をすることは良くあること。ただ、不慣れな点でうっかりミスが生じやすいこともあります。

 具体的なタイヤ交換時の作業ミスとしては、ホイールナット(あるいはホイールボルト)の締め忘れや締め付け不足が挙げられます。また、ナットの取り付け方法を間違えるというケースもあります。

 見た目にはホイールナットが締まっていても、実際は既定の締め付けトルクでホイールナットを固定していなければ、次第にホイールナットが緩んでくる可能性があります。

 さらに交換後にも、ホイールナットの増し締めをする整備が必要です。

 冬タイヤ交換後1か月後にタイヤ脱輪事故が多発する傾向があることからも、定期的なホイールナットの増し締めの整備が重要ということが分かります。

 2025年10月29日から11月9日まで開催された「ジャパンモビリティーショー(JMS)2025」で、工具メーカーのKTCブースでは、「安心してお風呂に入れます」という一見不思議なフレーズを掲げ、脱輪ゼロを目指した展示が行われていました。

 説明スタッフに“安心してお風呂に入れます”とはどういうことか質問してみたところ、これは「整備士さんあるある」のエピソードなのだそう。

 整備士さんが作業を終わって、家に帰りお風呂に入った際に、その日に整備した車両のホイールナットが「本締めせずに仮締めだったかも」とふと不安に陥ることを表現しているのだといいます。

 そしてこのような整備の不安に対し、KTCのAIを活用した次世代適正トルク管理システムを使えば解決できる、ということでした。

 このシステムは、クルマのナンバーを読み込むことで車両に適した締め付けトルクを判定し、連携したトルクレンチで締め付けトルクの測定データを記録・データ化する仕組みなのだとか。

 筆者(くるまのニュースライター HAMATARO)が以前カー用品専門店でタイヤ交換を依頼した際、感心したことがありました。

 作業後スタッフにクルマのところまで呼ばれ、各々のタイヤが既定のトルクで締め付けてあるかの確認を目の前で実施してみせたのです。

 基本的にプロに任せている時点で安心を得ていますが、「自分の目」でもしっかりとホイールナットが既定のトルクで締め付けられていることを再度確認することが必要であると、KTCの展示を見てあらためて思った次第です。

 もちろん車両を受け取った後でもホイールナットが緩むことはあるので、走行後の増し締めや確認は走行後に行う必要があります。自分で実施するか、再度プロに依頼するか、いずれにしても確実に行うことが安全につながります。

※ ※ ※

 万が一タイヤが外れることで、自分のクルマが破損してしまうばかりか、他の車両や歩行者への衝突といった重大事故の要因になりかねません。

 たとえ日ごろから慎重な運転を心がけていたとしても、ひとたびタイヤの脱落事故が起きてしまえばとっさの対処は難しいでしょう。

 とても基本的なことですが、日頃からしっかりとメンテナンスを行うことが重要です。

 なお4本のタイヤの中で最も外れやすいのは、助手席側の後輪だといいます。日本は右ハンドル車が主流で、左側通行の日本の道路環境ではこの位置が最も負荷がかかりやすいからです。

 他の3輪の確認ももちろん必要ですが、助手席側の後輪の緩みは特に意識して点検することが望ましいでしょう。




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