カメラなくしていまのクルマは成り立たない! クルコンも自動ブレーキにも使われるカメラ技術とは
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WEB CARTOP より
ADASはいまでは当たり前の装備だ
電子デバイス、それらの制御システムの進歩により、かつては考えられなかったクルマの装備、機能がある。その代表格が、ADAS(アドバンスト・ドライバー・アシスタンス・システム)、つまり運転支援システムだ。本来は、ドライバーが走行情報を認知・判断し、状況に応じて適宜行わなければならない運転操作を、クルマ側が検知・判断し、必要な操作を自動的に行ってくれるこのシステム。
これの行き着く先のスタイルは、自動運転システムということになるのだが、運転支援システムは、自動運転の手前。運転の基本操作はドライバーが担当し、その補助を車両メカニズムが行ってくれるもの、と理解してよいだろう。

さて、この運転支援システムにはいくつかあり、クルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキ(前方障害物衝突防止支援システム)、車線逸脱防止支援システム(レーンキープアシスト)、駐車支援システム(パーキングアシスト)、居眠り運転検知システム、道路標識認識システムなどが、多くの人が知るところだろう。GPSやVICSを使ってルート案内を行うナビゲーションシステムも、よく知られた運転支援システムのひとつである。

さて、こうしたシステムを成立させる上で、必要不可欠な要素はなんだろうか? もちろんいくつかあるのだが、情報の検知、認知という意味では、車両の周辺状況を確認するメカニズムとなる。たとえば、走行する自車の前方の道路(道路の状態と道路上を走行する先行車)がどういう状況にあるかを機械的に判断するには、道路上の状況がどうなっているかを知り、判断しなけれぱならない。

この道路状況を知るために必要なメカニズムが、カメラによる画像情報だ。車両の前部にカメラを装着。そのカメラによって得られる画像情報を元に先行車との車間を測ったり、車線内での自車位置(車線ラインの画像情報)を判断したりする。
カメラによる違いはどこにある?
この画像情報を得るカメラだが、シンプル(低コスト)な単眼レンズとマルチカメラ(ステレオカメラ=単眼レンズより高コスト)による情報収集の2タイプが主に存在する。当然ながら、距離測定の精度でいえば、ステレオタイプのほうが優れている。人間の眼を思い浮かべてもらえばわかりやすいが、同じ目標物を位置が異なるふたつの眼で見るため、視差による距離の測定(基本的には三角測量)が正確に行える。しかし、片側の眼だけによる目標物の認識は、目標物の確認はできるものの距離の測定は不確実なものになってしまう。

もちろん、単眼レンズでもその後の情報処理プログラムによって距離の算出は可能だが、マルチカメラ(ステレオカメラ)による距離算出は、基本的に瞬時に高精度で行うことができる特徴がある。ただし、得られた多くの情報をリアルタイムで処理する必要があるため、高性能なCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット=中央演算処理装置)やGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット=画像処理用演算装置)が必要となり、単眼レンズ方式より高価なシステムとなってしまう。

もっとも、単眼レンズを使用する例では、単眼レンズにレーダーを組み合わせて使うシステムもあり、基本的に道路上および周辺の状況確認は単眼レンズで行い、距離測定はレーダーによって行うという、それぞれの長所を組み合わせた使い方の例がある。
カメラによって走行車両の位置確認、前車との距離測定、標識情報などを検知し、ほかの走行デバイスと連動させることで(ブレーキ、アクセル、ステアリング)ドライバーの運転操作を補助(アシスト、支援)する運転支援システムは、ドライバーに運転する楽しさを残しながら、運転疲労の軽減、安全性の引き上げを可能にするシステムとして使い勝手がよく、利便性に富んだものと評価してよいだろう。



































