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いまのクルマはみんな付いてる! でも意外と知らない「サスペンション」の話
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WEB CARTOP より

馬車の時代からサスペンションは存在していた



 荒れた路面を走っても、路面の凹凸を吸収して車両の姿勢を安定させ、乗員に不快感を与えないようにした車両のメカニズムがサスペンションだ。人を乗せて運ぶ乗り物にとって、とくに乗り心地は重要な要素であり、馬車の時代から考慮されてきた。車輪を支える車軸と人を乗せる車体をつなぐ位置に板バネを配し、路面からの入力を吸収することで乗り心地の改善を図るために考え出された装置で、これがサスペンションだ。

 このサスペンションの考え方は、自動車が考え出されてからより重要視されるようになった。承知のように、初期の自動車は走行速度も低く、サスペンションに対する要求性能のレベルはそれほど高いものではなかったが、20世紀初頭に勃発した第一次世界大戦(1914〜1918年)が自動車のメカニズムを急速に進化させ、それに伴う高速走行化がサスペンションの役割をより大きなものとしていた。



 車両の走行速度が高速化すると、当然ながらサスペンションにかかる負担も大きくなった。旋回Gや路面の凹凸に合わせて上下動する車輪の動きは高速化するが、バネには固有の振動が一定時間続くという特性があった。当時はリーフスプリング(板バネ)が主流だったが、現在一般的となっているコイルスプリングの動きを思い浮かべればわかりやすいと思う。力が加わり縮んだ(圧縮された)バネは、縮みきったところで今度は反対方向に伸びようとする動きをする。

 クルマにとっては、路面からの衝撃(入力)を受け、縮むことでその衝撃(力)を吸収するバネの働きは狙ったとおりのものだが、その力が解放される逆方向(伸び)の動きは安定した車両挙動にとってはありがたくない動きである。



 受けた路面入力を吸収するためバネが縮む。これは、サスペンションにスプリングを使う本来の狙いだ。しかし、縮んだスプリングが伸びようとする力は放っておけない。どうするか? このスプリングの伸び縮みに関わる動きを抑制しようとするため考えられた装置がショックアブソーバー、あるいはダンパーだ。

 余談だが、どちらも同じもので呼び名の違いだけと考えてよいが、ショックアブソーバー(衝撃吸収、減衰)という名称は、その働きからはスプリングを指すもので、ダンパー(振動減衰器)という名称のほうが、より正確な名称ではないか、という見方がある。

レーシングカーの技術を市販車に転用というお馴染みの流れ



 歴史を辿ると、最初期のダンパーは巻き取りリボン式の方式だったがその効果は定かでなく、次に登場した摩擦式のダンパーが、本来狙ったダンパー機能をもっていた。実際に使われたのはプジョーのGPマシンで、第一次世界大戦前に登場している。摩擦力の設定(いわゆる減衰力)にもよるが、大きな入力に対応しようとすると摩擦力も大きく設定しなくてはならず、この設定だと小入力時にスプリングの動きを妨げてしまい、必ずしもダンパーとして望ましい性能を発揮したわけではなかった。



 この摩擦式の短所に対応するため考え出された方式が、現在も使われるオイル封入式のダンパーである。ダンパー筒内に封入されたオイルがオリフィス(小さな穴)を通過する際の抵抗力を利用した方式で、オリフィス径次第で縮み側/伸び側の減衰力を設定できる特徴をもつダンパーだ。

 このオイル式ダンパーも、摩擦式ダンパーと同じくレーシングカーで初めて採用された方式で、第二次世界大戦直前のメルセデス・ベンツのGPマシン、W125ですでに装着されていた。

[caption id="attachment_33200" align="alignnone" width="1500"] Silberpfeil auf Goldkurs: Der Mercedes-Benz W 125 für die 750-Kilogramm-Formel 1937.
Silver Arrow on course for gold: the Mercedes-Benz W 125 built for the 750 kilogram weight limit in 1937.[/caption]

 さらにいうならば、この筒式(テレスコピック式)のダンパー構造は、先に航空機の引き込み式脚で採用されたもので、メカニズムの発祥、進化は航空機、レーシングカーが先鞭をつける歴史的な例に倣ったものだった。

 このオイル封入式ダンパーの性能を高めたものが、ガス封入式のダンパーである。ド・カルボン社が開発したことでド・カルボン式ともいわれ、オイル式ダンパーのオイル面を抑えるかたちで高圧の窒素ガスを封入。速い速度で連続する大きな入力に対して往復運動を繰り返すダンパー内で発生する気泡(キャビテーション)の発生を抑え、安定したダンパー性能の維持を図った方式だ。



 クルマのサスペンション機構は、タイヤが受ける路面入力の吸収を目的としたスプリングと、そのスプリングの動きを理想的に保とうとするダンパーのふたつによって構成される、こう考えておいてよいだろう。


引用元:https://www.webcartop.jp/2025/10/1733372/


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