最もお得なのはやっぱり「安全運転」!? 無事故であればあるほど高くなる「等級」と安くなる「保険」を語ろう!
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ベストカーWeb より

自動車保険の契約書や説明書でよく目にする「等級」。等級は、無事故で運転を続けるほど上がっていき、保険料が割引される制度です。自動車保険の等級を知ることは、保険を賢く活用する重要なカギとなります。
文:佐々木亘/画像:Adobe Stock(トビラ=@Adobe Stock)
経済的にも精神的にもメリットが大きい20等級
自動車保険における最高等級は20等級です。新規加入の場合6等級からスタートし、無事故で運転を続けると14年後には最高等級へ到達します。
20等級になると保険料の割引率は最大で約63%にもなるため、同じ補償内容でも大きく保険料を抑えることが可能です。
損害保険料率算出機構の統計によると、ノンフリート契約者(個人の自動車保険契約者)全体のうち、約半数以上となる51.6%が20等級に到達しています。意外と多い数字に思えるかもしれません。
誰でも気を付けていれば、到達できる等級とも言えるのではないでしょうか。20等級は、決して高嶺の花ではありません。
17等級になればまずは御の字?
自動車保険における高等級の目安は、一般的に17等級以上とされています。その理由は、17等級以上になれば事故無で55%、事故有係数がついても44%と保険料の割引率が40%以上と大きくなり、安心感が増すからです。
最高等級の20等級に達していても、事故を起こして保険を使えば一気に17等級まで下がります。ただ、17等級の割引率は4割以上高く、この水準を維持できれば安定圏といえるでしょう。
つまり、17等級は自動車保険の等級制度における一つのボーダーラインとも言えるのです。
高い等級を無駄にしない方法と低い等級への対策
メリットの多い高等級ですが、基本的に契約者が亡くなったり免許を返納したりした場合、その等級を活かすことはできません。もう運転しなくなったからと、せっかく育てた等級を捨てるのは非常にもったいないので、必ず「中断証明書」を発行してください。
これを取得すれば最大10年間、現在の等級を維持することができます。また、中断証明書を発行していれば、同居の親族へ等級を譲渡できるため有利です。これを使うことで、保険料の高くなる若い世代が新たに自動車保険へ加入する際でも、最初から高い等級でスタートできます。
A社で解約して中断証明書を取得し、B社で再加入する場合でも保持されるので、中断証明書を使って自分の好きな保険会社を選ぶことも可能です。
保険に入りなおしても……?
一方で、事故を起こし保険を使うと等級は下がり、保険料は高くなります。さらに、等級が6等級以下になると保険料は割増扱いです。低等級では保険料の負担が大きくなるため、その取り扱いには注意しなければなりません。
この低等級を引き継ぐのが嫌だからと、一旦解約して新たに保険へ入り直しても、即座にこれが消えることはありません。例外として、解約後13か月以上経過すれば新規契約として扱われるため、等級はリセットされて「6等級(新規)」からのスタートになります。
最終的にはやっぱり丁寧な運転が肝要!
ただこの間、任意保険の契約はできないため、実質的にマイカーを運転しないということになりますが、低等級に悩まされているという人は、解約後の空白期間を置いて、新規契約をするというワザを使ってみるのもいいかもしれません。
自動車保険の等級を守るのは、丁寧な運転と知識です。例えば、一部の車両保険や人身傷害保険だけを使った事故は、通常の3等級ダウンを適用しない場合があります。こうした制度を理解して活用すれば、無事故で積み上げた等級を守りつつ補償を受けることも可能です。
等級制度を賢く管理し、自動車保険の保険料を抑えながら最大限に活用していきましょう。