もう替えちゃった? 案外知らない「マイナ免許証」のメリットとデメリット
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ベストカーWeb より

2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証、および運転経歴証明書を一体化した「マイナ免許証」の運用が始まりました。しかしながら、SNS上ではデメリットも指摘されており、マイナ免許証に切り替えるかどうか、様子をうかがっている人も少なくないのではないでしょうか。
マイナ免許証にはどんな利点があり、従来の免許証とどう違うのか。使い方や「2枚持ち」のメリットデメリットまで、情報を整理してみました。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_umaruchan4678/写真:Adobe Stock、写真AC
保有は希望制 マイナ免許証と従来の免許証の「2枚持ち」もOK
マイナンバーカードのICチップに運転免許の情報を記録する「マイナ免許証」。免許証の番号や運転免許取得日の年月日および免許証の有効期間の末日、運転免許の種類(普通、大型、二輪など)、免許の条件に係る事項(AT限定、眼鏡、補聴器など)、顔写真、優良(ゴールド)、新規(若草色)、その他(薄青色)の色区分など、従来の免許証と同等の情報がデジタルで管理されます。
カード表面にこれらの情報は記載されず、専用アプリや「マイナポータル」で確認する仕組みで、マイナンバーカードを基本とする仕組みに移行となった「マイナ保険証」とは違い、保有は希望制。従来の運転免許証を選ぶこともできますし、一体化したうえで、従来の免許証と併用することも可能です。
更新時の講習がオンラインでできるほか、更新料が従来免許証よりも3割ちかく安くなる
マイナ免許証最大のメリットは、免許更新時の講習をオンラインで受けられることでしょう。事前に自宅で講習を済ませられるため、更新時の拘束時間が大幅に短縮されます。対象は「優良運転者(ゴールド)」と「一般運転者(ブルー)」であり、オンライン講習受講後は、警察署や運転免許試験場で視力検査などの適性検査を行い、更新手続きを行う必要がありますが、講習だけでも事前に済ませることができることで、更新時の負担がかなり軽減されますよね。
また、更新手数料が安くなるのもメリット。更新時の手数料は「マイナ免許証のみ」なら2,100円。従来免許証の更新(2,850円)より750円も安くなります。マイナ免許証と従来免許証の両方を持つ場合は2,950円とまた100円ほど割高になります。
また、引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わった場合、市町村での届け出だけで、警察署に行く必要がなくなるのもメリット。マイナ免許証のみを持っている人に限られますが、転居が多い人や、手続きが面倒な人には大きな時短メリットです。
そしてもちろん、身分証が1枚に集約されるのも見逃せないメリット。これまで、健康保険証と運転免許証の2枚を持ち歩いていたという人にとっては、両方がマイナンバーカードに集約されることで、持ち歩くカードの管理がラクになります。
当初は、マイナンバーカードを更新すると、免許証情報が引き継がれず、改めて手続きする必要があるという手間がありましたが、2025年9月1日より、自動的に反映されるシステムへと切り替わりました。
有効期限が券面に表示されないことのほか、レンタカー業者では対応していないケースも
ただ、従来から仕組みが変わることで、不便に感じることもあります。もっとも大きいのは「有効期限がカード表面で確認できない」ことでしょう。さっと取り出して有効期限が確認できないことで、うっかり失効となってしまわないように気を付けなければなりません。
また、レンタカー業者がマイナ免許証に対応していないケースもあります。大手のレンタカー業者では、マイナンバーカードの提示に加えて、スマホアプリの「マイナ免許証読み取りアプリ」で運転免許情報を提示することでクルマを借りることができるようですが、一部のレンタカー業者では対応していない場合があるようです。海外で運転する際も、渡航先の国によっては、従来の運転免許証の提示が求められるケースがあるようです。
また、年齢識別装置を搭載した酒類・たばこの自販機では、運転免許証しか対応していない(マイナンバーカードは対応していない)ケースもあり、マイナ免許証のみを所有している人は購入ができない、ということもあるようです。
「2枚持ち」の〇×は人による
こうしたリスクを考慮して、従来の運転免許証との「2枚持ち」を選択する人も少なくないようです。ただ、前述もしたように、2枚持ちは更新料が2,950円と割高。また、引っ越し等で住所や氏名が変更となった際には、従来の免許証の情報を更新するため、これまでどおりに警察署にも出向かなければなりません。
マイナ免許証のメリットがなくなってしまうようにも感じますが、2枚持ちにしたうえで、普段はマイナンバーカードだけを携帯し、レンタカーを利用する際など必要な時だけ従来の免許証も携帯するというかたちをとれば、マイナ免許証としてのメリットを享受することは可能。2枚持ちであっても「オンライン講習」も可能です。
もちろんレンタカーを利用しないという人や海外でクルマを運転することもないという人は2枚持ちの必要はありませんが、レンタカーをよく利用するという人や海外で運転する機会がある人は、住所氏名が変更となる予定がなく、850円の更新料の差を許容できるのなら、2枚持ちを選択するのもいいかもしれません。
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なお、デジタル庁は、マイナンバーカードの機能をスマートフォンで利用できるサービスを導入していますが、2025年9月初旬現在ではマイナ免許証は対応していないため、「マイナ免許証のみ」を選択した場合も、クルマを運転する際は必ずマイナンバーカードの携帯が必要です。
更新時や住所変更の際の手間が少しラクになり、身分証を1枚にまとめることができる「デジタル時代の免許証」であるマイナ免許証。当初は不便に感じることもあるかもしれませんが、今後のデジタル時代を考えれば、早めに検討してもいいかもしれませんね。