「洗車機はキズがつくからな〜」っていつの時代の話? 注意点さえ押さえればイマドキの洗車機は新車に使ってもOKだった
口コミを書く
口コミを見る
WEB CARTOP より

柔らかい布やスポンジ製ブラシを使用する最新の洗車機
今年の夏、海へ、山へ、湖へと走り、大活躍してくれたであろう愛車は、ボディの汚れも蓄積されているはず。そこで、夏の終わりには愛車のケア、つまり洗車は欠かせない。ただし、自宅で手洗いできる人は限られ、多くの人はガソリンスタンドや洗車場の洗車機を利用することになる。そこで気になるのが、「洗車機ってクルマにキズを付けてしまうのでは?」という疑問だ。とくに新車であれば、その心配はさらに強くなる。
が、いまならそれほど心配することはない。かつての旧式洗車機のブラシはナイロンなどを使っていたため、ごく浅い擦りキズが付いたりしたものだ。ところが、最新の洗車機は柔らかい布やスポンジ製のブラシが使われている。洗車機メーカーも、「洗車機で洗ったらボディに擦りキズが付いた」なんていうクレームが起きないような洗車機を開発しているはずだ。
最新の洗車機はクルマのボディ形状、付属品を読み取る高度なセンサーが組み込まれ、自動洗浄機能が付いていたりと、ボディに優しい機能が盛り込まれているのだ。洗車をスタートする画面に、付属品の有無(リヤワイパー、エアロパーツ、キャリアなど)が表示されているのはそのためで、そこをしっかり押さえておけば、それほど心配しなくていい。
ただし、「それほど心配しなくていい」という暖味な表現を使ったのは、クルマを洗うとなれば手洗いだろうと洗車機だろうと、ボディを擦る以上、キズがまったく付かないことはないということ。とくに旧車は、そもそも塗装面が痛んでいて、再塗装車の場合は新車塗装とは異なる塗装のため、いわゆる磨きキズが入りやすくなってしまう。
また、厳密にいえば、クルマを走らせているだけで、高速走行時にクルマに当たる走行風に含まれるホコリ、砂などによって微細なキズは付くものと思っていい(コーティングによってそれが軽減される)。それが目立つか目立たないかということだ。ちなみに磨きキズが目立ちやすいのは、黒、紺などの濃色のボディカラーであることも覚えておきたい。
そして、洗う前のクルマのコンディションも、洗車、洗車機によるキズ付きの原因になる。砂汚れ、黄砂まみれのボディをそのまま洗車する、洗車機に入れる……では、洗車スポンジ、洗車ブラシがいかに柔らかくても、ボディに乗った粒子との摩擦でキズを付けることになる。
ドロドロ、黄砂まみれのクルマを洗った洗車機の直後に洗うと、やはりそうした心配がある。
最新洗車機でもいくつかの使用上の注意事項あり
つまり、クルマの汚れがひどい場合(とくに砂、黄砂、花粉)、予備洗いが鉄則だ。「手軽に短時間でクルマを洗いたいから洗車機を使うのに、その手間はいかがなものか……」と思うかも知れないが、愛車の洗車によるキズを付けたくない(目立たなくしたい)のであれば、予備洗いは不可欠なのである(※予備洗いはバケツの水でもOK。無理ならコイン洗車場の高圧洗車で)。そもそも洗車機を使う際、ホイール、下まわり、細部などはブラシ、スポンジで手洗いしないと洗いきれない。そうした手間は、より愛車をきれいに洗いたいのであれば、避けて通れないのである(ガソリンスタンドの洗車機周辺に洗剤の入ったバケツやホイールブラシ、ボディスポンジンが用意されていることもある)。
また、いかにも花粉、黄砂などで汚れまくっているクルマが先に並んでいたら、そのタイミングでは洗車を諦める決断も必要かもしれない。
もっとも重要なことは、冒頭でも触れた最新の洗車機を選ぶことだ。「近くの洗車機は旧式。ちょっと足を延ばすと最新の洗車機がある……」というケースでは、迷わず足を伸ばしても後者を選びたい。最新鋭の洗車機であれば、下手に素人が雑な手洗いをするよりキズつきにくいともいわれているほどだ。新車を数年で乗り換えるような使い方で、月に一度の洗車機洗いであれば、下取り時の「洗車キズによる査定減点」はほぼないと思える。
その上で注意したいのが、高級車、上級車に採用されているピアノブラック仕上げのボディパーツだ。ここはさすがにキズが入りやすく、目立ちやすいため、コーティング、予備洗いは不可欠。
いや、そこに目立つ磨きキズを付けたくないというなら洗車機は避ける、または最新の洗車機限定(または数は少ないがノンブラシ洗車機)で洗う、を推奨したい(理想はプロの手洗い洗車)。
実際、洗車の専門家でもある筆者は、モータージャーナリストとして多くの新型車に試乗しているが、その試乗車の保守管理者によると、ピアノブラックパーツの洗車キズに泣かされているという(浅いキズなら磨きで落とせるが……)。筆者の愛車も、ピラー部分にピアノブラックの樹脂パネルが使われているため、洗車好きということもあって入念な手洗い洗車に徹している。
話を整理すると、愛車のボディのコンディションに神経質な人は①布、スポンジブラシの最新の洗車機を使う。②汚れがひどい場合は何らかの方法で予備洗いをする。③洗車機の画面にある付属品の選択を怠らない。④直前のクルマの汚れがひどいのであればいったん、洗車機の使用を諦める。⑤濃色のボディカラー、ピアノブラックパーツのあるクルマはとくにコーティングの施工、予備洗いが不可欠。または洗車機を避ける、ということになる。