ゲリラ豪雨時代のタイヤ選び ウェットグリップ性能を見逃すな!
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ベストカーWeb より

線状降水帯が発生し、ゲリラ豪雨が日常茶飯事になっている日本。そんな時はクルマの運転にも十分注意が必要だが、実は自動車のタイヤには「ウェットグリップ性能」という、雨の日の制動力を示す等級があるのをご存じだろうか? 燃費性能とあわせて、この数値にも注目したい理由を紹介する。
文:ベストカーWeb編集部/写真:(社) 日本自動車タイヤ協会、Adobestock(トビラ写真=PACHARA@Adobestock)
低燃費タイヤとラベル表示の意味
2010年から始まったJATMA(日本自動車タイヤ協会)のラベリング制度では、タイヤの「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」を等級分けしてラベルで表示している。
転がり抵抗性能はAAA・AA・A・B・Cの5段階、ウェットグリップ性能はa・b・c・dの4段階で評価され、AAA〜Aかつd以上の組み合わせが「低燃費タイヤ」として統一マーク付きで販売される。これらはタイヤメーカーの製品サイトや、新品タイヤに貼られたラベルに記載されている。
一般的に、転がり抵抗が小さいほど少ない燃料で長く走れるが、そのぶん濡れた路面での制動距離は長くなりがち。そこで安全性確保のため、転がり抵抗と併せて、濡れた路面でのブレーキ性能を示すウェットグリップ性能が評価基準に加えられたワケ。中でもウェットグリップ「a」グレードは制動距離が短く、安全性が高いとされている。
近年はタイヤの進化が著しく、転がり抵抗が小さく、かつウェットグリップ性能にも優れるというタイヤを各社がリリースするようになった点もうれしいニュースだ。
数字が教えてくれる選び方のコツ
転がり抵抗は、一般市街地走行で7〜10%程度燃費に影響するという。寄与率を10%とした場合、転がり抵抗を20%減らせば燃費は約2%アップすることになる。
いっぽう転がり抵抗の等級が1つ良くなると、燃費は約1%改善するという試算もある。「たかが1%か」と思わないでほしい。ガソリン1Lを165円とし月間1000km走るとすると、年間にして約2000円、ガソリン代に差が付くのだ。
次にウェットグリップ性能だが、冒頭でも触れた通り等級はa、b、c、dという4つに分かれる。雨の日の安心感を優先するなら、迷わず「a」を選びたい。大雨の中、クルマ1台分手前で止まれるという性能差は、事故を防ぐ大きなカギになるからだ。
併せて知っておきたいことだが、そんなタイヤの性能は、空気圧や摩耗によっても大きく変化する。クルマを運転するときは、常にタイヤに気を配り、タイヤが理想的な性能を発揮できるよう気を配りたい。