やるやらないで査定額も変わる!? まだ間に合う! 酷暑から愛車を守る5つの習慣
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バストカーWeb より

8月5日、群馬県伊勢崎市で41.8℃という国内観測史上最高気温を記録しました。ここまで暑くなるとクルマも悲鳴を上げています。その暑さが、クルマを痛めつける原因となり、しいてはクルマの寿命を短くするだけではく、査定額にも直結してきます。そこで、酷暑から愛車を守るための方法を紹介していきましょう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(miya227@Adobe Stock)
真夏の日差しからボディを守るには?
まさか35℃以上の炎天下で洗車する人はいないはず。もしどうしても洗車をしたいなら気温が高くない早朝や、気温が低くなった夕方以降、さらには直射日光の日差しのない曇りの日がベスト。
洗車の際は、中性洗剤の泡がクッションとなり、花粉や黄砂、砂利、鉄粉などの汚れが塗装面に再付着しづらくなるため、シャンプー洗車をおススメします。研磨剤が入っていない水垢クリーナーやスプレータイプのクリーナーを使用するといいでしょう。
「洗ったばかりなのに炎天下に停めていたらシミが…」という経験はありませんか? それが、ウオータースポットやイオンデポジットと呼ばれる白いシミで、水滴がある状態でボディを直射日光にさらすとできやすくなります。これらを放置すると、塗装面が浸食され、最悪の場合、塗装が陥没することもあります。
特に屋根なし駐車場に停めているボディカバーなしのクルマは要注意。太陽の直射日光にさらされ、車内の温度は70度以上になり、ボディの塗装面も痛めつけられていきます。
また勘違いしている人が多いのは、プロの業者に施工してもらったコーティング剤を過信していることです。「1年前に業者にボディコーティングをしたから大丈夫」と思っている方も多いかもしれませんが、それは大間違いなのです。
コーティング後1カ月は洗車をしなくてもいいが、それ以降は最低でも1カ月に1回は洗車が必要です。特に濃色車の場合は週1回、淡色車なら月2回程度が理想とされています(商品、施工形態によって異なります)。
水をよく弾く撥水タイプのボディコーティング剤はこのイオンデポジットができやすく、1カ月も洗車をしないと見るも無残な状態ということにもなりかねません。
イオンデポジットが比較的にできにくいのが、親水タイプのボディコーティング剤です。撥水タイプに比べて水玉ができませんが、水がまとまって流れるため、イオンデポジットができにくいのです。
まずは日陰駐車やボディカバーで直射日光を避けるのが基本。さらに、なかなかこの暑さで厳しいとは思いますが、暑さのやわらぐ夜に2週間に1回の洗車+撥水コーティングを習慣にしてはいかがでしょうか。
サンシェードはあまり効果なし!? 全窓にシェードを装着すると内装の劣化防止に効果あり
過去のJAFの実験結果によると、サンシェードが車内温度の上昇を抑制する効果は限定的です。同じ白色の車両を炎天下で駐車した場合、サンシェードの有無で車内最高温度と車内平均温度は2℃ずつしか変わりませんでした。
ただし、ダッシュボードの温度上昇を抑制する効果は高いです。ダッシュボード表面温度は4時間直射日光をまともに受けるとサンシェードなしでは74℃、サンシェードなしでは52℃と22度も抑えることができました。ナビのディスプレイやドラレコを守るためには有効です。
さらにすべての窓に装着する全窓タイプのサンシェードですが、車内気温を下げるまではいかないものの、UV(紫外線)を90%以上防ぐことができますし、なにより強烈な直射日光が入らない。ダッシュボードだけではなく、シートやサイドパネルは熱を帯びることを防げますので、内装の劣化を防ぐことができます。
全窓タイプのサンシェードは、マグネット式のほか、最近では車種専用設計で見た目もスマートなタイプが多く、装着も簡単。さらにUVカットフィルムを併用すれば、色褪せやひび割れのリスクを大幅軽減できます。
エアコンの多用でバッテリー上がりに要注意
バッテリーの劣化具合はなかなか気づきにくいもので、知らずうちに劣化が進み、ある日突然動かなくなるということも。バッテリー上がりを防ぐには、ライト類の消し忘れなどをしないよう普段から気を付けておくことのほか、バッテリー寿命のサインを見落とさないように注意することが大切です。一般的に、以下のような現象が、「バッテリー寿命」のサインとされています。
・エンジン始動時のセルモーターの回り方が弱くなった、もしくは遅くなった
・ヘッドライトやランプなどがエンジン回転数によって明るさが違ってきた
・パワーウインドウの動きが遅くなった
・アイドリングストップに入りにくくなった
バッテリーが劣化していると、電子機器が正常に働かなくなります。バッテリーの寿命といわれる3年が近づいてきていて、上記のチェック項目にひとつでも当てはまるようであれば、バッテリーの交換を検討したいところですが、もし分からない場合は、プロに相談しましょう。
「まだ動くし大丈夫」と楽観的に考えてバッテリー交換を先延ばしにしていると、夏場の炎天下でJAFなどのロードサービスの到着を長時間待つ、なんてことにもなりかねません。
酷暑と渋滞でエンジンは疲弊している
真夏の炎天下、渋滞でのストップアンドゴーやアイドリング時間が長くなることで、エンジン内部の熱ストレスは想像以上です。
この状態が続くと、エンジンオイルは酸化し粘度が変化、潤滑性能が低下する恐れがあります。結果として、エンジンの金属部品が摩耗したり、異音やオイル漏れの原因になる可能性も。つまり、夏場はエンジンオイルにとって「試練の季節」なのです。
最新車だからエンジンオイルを1年交換しなくてもいい、とタカをくくっていないだろうか。たしかに、エンジンオイル交換時期は、通常の場合、1年または1万5000kmの早いほうと推奨されています。
しかし、30度以上の真夏日、35度以上の酷暑日に走行した場合は、専門用語でシビアコンディションと呼ばれ、いわば想定外に近い状況。クルマだって悲鳴を上げているのです。
もちろん暑さだけでなく、エンジンの負荷の大きい上り坂の走行が多い、雪道での走行が多い、8km以下を基準とした近距離の使用が多い、30km/h以下の低速走行が多い、アイドリングが多い、といった走行状況がシビアコンディションと呼ばれています。
特に酷暑日に渋滞やストップ&ゴーの多い街中での走行の場合、エンジン内部で水蒸気が起き、その水蒸気は油温が上がらないと蒸発せずにエンジン内部に残るため、エンジンオイルの劣化を早めることになります。
こうしたシビアコンディションの場合、エンジンオイルの交換サイクルは、通常が1年または1万kmの場合、半年または5000kmとなります。つまり、通常の半分の期間、走行距離で交換必須となるのです。
新車から2回目の車検を迎えたクルマも、シビアコンディションで走り続けた場合、「まだまだ大丈夫」といえなくなってきています。3000kmごとのエンジンオイル交換とはいいませんが、例えば30km以上の酷暑日の大渋滞や最近、ストップ&ゴーの激しい街中しか走っていないと感じたら、エンジンオイル交換と高速走行のフォローをしたほうがいいでしょう。
オーバーヒートによるエンジントラブル
オーバーヒートは、エンジンから発生する熱量が、冷却性能を上回った場合に起きるエンジントラブルの一種。最近のクルマにはほぼ起きないが、新車から10年以上のクルマは要警戒。冷却水不足やエンジンオイル不足、ウォーターポンプ、冷却用ファン、サーモスタットなどの作動不良などが要因です。
もしメーターパネルの水温の警告灯がついた場合は速やかに救援を呼び、整備工場でオーバーヒートの原因を調べた方がいいでしょう。そのまま走り続けた場合、エンジンが焼き付く可能性があり、非常に危険。状況にもよりますが、まずはヒーターを全開にするなど、水温を下げる措置も有効です。ただし緊急時の対応(応急処置)となります。
オーバーヒートの前兆としては、メーターパネル内に設置されている水温計が「H」付近を示すようになることです。水温計には「C(COOL)」と「H(HOT)」の表記があり、CとHのちょうど真ん中付近に針があれば、冷却水が適正な温度であることを表しています。しかし、オーバーヒートが起こると針が「H」に近付いていきます。
オーバーヒートは原因となる箇所が多いため、トラブル箇所の特定はプロの判断に任せた方が賢明ですが、エアコンに連動する冷却ファンの作動音や、リザーバータンクの冷却水の量は専門知識や工具がなくても確認できるため、日常的に気にかけておきましょう。
冷却水(ロングライフクーラント:LLC)は、エンジン温度を適正に保つための重要な液体です。昔、真夏といえば、ボンネットから「ぷしゅー」と水しぶきを上げているクルマをよくみかけました。
LLCを長らく交換していないと汚れがたまり、またサーモスタット故障により、ファンが回らなくなり、ラジエターに穴が開いたりしてしまうことがありました。
最近の車両は「スーパーロングライフタイプ」で10年無交換も謳われますが、実際には外気温や走行状況、冷却系統の劣化によって性能が低下することもあります。タンクの容量が減っていたり、異臭、LLCが茶色や白濁していたら交換をおススメします。