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AT車で事足りる現代だけど……MT車はこれからどうなっちゃうの
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ベストカーWeb より


 日進月歩のクルマ界にあって、MTは「クラッチ踏んでカコッ、クラッチ踏んでカコッ」と、MT派の目から見ても進化しているようには見えない。もう進化の余地がないのだろうか? それとも目立たない進化を続けているのだろうか?

※本稿は2025年5月のものです
文:鈴木直也/写真:マツダ、日産、トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年6月26日号

MTを進化させるメリットは?



 電動化シフトが進む現在、内燃機関用のMTが進化しているかと問われるとキビシイ。一般的には「需要が少ない分野には開発のお金が回らない」と言わざるを得ないからだ。

 ただし、残り物には福がある、という見方もある。日本車のMT比率は2%以下だが、ここまで減ると「好きだからMTを選んでる」人がほとんどだということ。

 つまり「質が高くファンなMTドライビングを提供してくれれば、多少高価でも買いまっせ」という上客が付いている状況で、これならメーカー側にもMTを進化させるインセンティブが生じるわけだ。

 ぼくの見るところ、このチャンスをもっとも生かしているのはマツダだと思う。

 その白眉はいうまでもなくロードスターだ。まず2015年デビューのND用6速MTは、軽量コンパクトを重視したロードスター専用設計。こんな贅沢はかなり珍しい。しかも、マツダはMTドライビングの楽しさを表現するワザを熟知している。

 MT単体で見れば、シフトフィールとかシンクロの強力さが注目されるが、最も重要なのはパワートレーン全体が心地よいハーモニーを奏でてくれること。

 そのためには、エンジンのブリップレスポンスやクラッチのミートフィールなど、ドライバーとクルマのインターフェイスを丁寧に造り込む開発システムが不可欠なのだが、残念ながらそこまでこだわるメーカーは今やマツダくらい。

 そういう意味でNDロードスターのMTドライビングは、日本一どころか世界一洗練されていると言っていい。

 これに対し、フェアレディZの愛知機械製6MTや、GR86/BRZのアイシン製6MTなどは、原設計が20世紀まで遡るのがちと苦しい。もちろん、改良を重ねてはいるのだが、相方のエンジン出力が向上しているため、格別MTのフィールがいいとまで言えないのが残念。

 個人的には、トルク51.0kgm(500Hm)クラスになると、MTは機械的に限界という気がしないでもない。

 ほかには、電子装備でMTの取っ付きにくさをカバーする取り組みもあって、坂道発進を補助してくれるヒルホールドや、シフトダウン時にエンジン回転を自動調整してくれる日産の“シンクロレブコントロール”など、MTドライビングを進化させる取り組みも注目でしょうか。

回転合わせが自動に!? 画期的なMT



 シンクロレブコントロールはZ34で世界初採用された、シフトダウン時に回転を煽って同期させる機能。シビックタイプRのレブマッチシステムも同様の効果を狙ったもの。

 iMTはカローラスポーツのエンストしにくいMTだ。そのほかMT車のブレーキホールドの登場によって、坂道発進時の不安は大きく解消された。

BEV+MTに感じた大きな可能性



 トヨタの開発部門がAE86をBEVにコンバートしたクルマは、BEVなのに6MTを組み合わせた。

 動力源はモーターなのでミッションは不要だが、「クラッチを踏んで、シフト操作して走らせるのも面白いですよ!」がこのクルマの提案。そのために、モーターの制御系はかなり内燃機関MTっぽい挙動を表現するように造り込まれている。

 で、これが笑っちゃうほどMTソックリのフィールで面白い。アクセルを煽ればエンジン音がレスポンスし、クラッチミートをしくじるとエンストする「ふり」をする。

 こういう「お楽しみオンリー」だけでも、MTの存在意義はあるかも? と可能性を感じた一台でした。



引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/1248477


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