ブレーキの踏み方が燃費とタイヤ寿命を左右する! “ふんわりアクセル”だけじゃ不十分
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ベストカーWeb より

暑い夏がやってきた。エアコンがフル稼働になり、燃費に厳しい季節。なんとかガソリン代を節約したいところだ。燃費に良い運転と言えば、ふんわりアクセルなどが挙げられるが、実はブレーキも大きく燃費に関係しているのを知っているだろうか。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=和久 澤田@Adobestock)
ブレーキは乗り心地にも燃費にも効く
エンジンの動き方を決めるのはアクセルだから、燃費走行にはアクセルワークが重要と思っている人は多いだろう。クルマの燃費計もアクセルペダルの動きに合わせて数値が上下するから、燃費を稼ぐためにアクセルの踏み方を工夫している人は多いはず。
しかし、もうひとつのクルマを動かすペダルには、あまり気が回っていないことが多い。特に燃費効率を考えたときに、ブレーキペダルの踏み方を変えるという人は少ないだろう。
ただ、クルマにかかるお金を節約しようと考えると、ブレーキの使い方は非常に重要だ。
ブレーキの踏み方が雑な人は、消耗品であるブレーキパッドをよく減らすし、ブレーキが減るということは同時にタイヤも減っていることに気付いてほしい。クルマが止まるためには、クルマとブレーキパッドの摩擦、そしてタイヤと地面の摩擦が必要となるからだ。
テキトーなブレーキの踏み方をしていると、乗り心地は良くないし、お財布にも優しくない。クルマにかかるコストを下げるには、ブレーキの踏み方を変えることが一番いいのである。
ブレーキの踏みすぎは高性能タイヤを大きく減らす
毎年のようにタイヤの価格が上昇している。例外なく今年も値上げの予定だ。お財布には、かなり厳しい。そうなると、タイヤ1セットで長く走りたいところ。少しでもいいタイヤを長く使いたいものだ。
ただ、タイヤの性能が上がれば上がるほど、タイヤの実質的な寿命が短くなっているという。特に、静粛性を売りにしたコンフォートタイヤや運動性能を売りにしたスポーツタイヤでは、この傾向が顕著とタイヤ専門店では話題になる。
これは性能の高いタイヤを履いているクルマほど、車速が上がってく傾向にあるためだという。静かで快適かつペダルワークに気持ちよく反応するクルマになればなるほど、人はアクセルを開けがちになるというのだ。
車速が上がると同時に増えるのがブレーキングの回数。制動にかかる力は大きくなり、ブレーキやタイヤを減らすことにもつながってしまう。良いタイヤを履いた時には、アクセルはもちろんブレーキに気を付けることで、タイヤライフは大幅に改善し、節約につながるのだ。
ペダルを踏まない時間を作ることが節約の一歩
タイヤ性能のアップで、日常的に行われている激しい加減速は、タイヤライフを削り、燃費を悪化させる。さらにペダルを絶え間なく踏みかえる運転は、同乗者にも不快な思いをさせるだろう。高性能タイヤに頼って、激しい運転をすることは害しかないのだ。
運転の基本である、流れに乗ってスムーズに走ることは、タイヤにも燃費にも優しい。流れに乗りながら、運転中にアクセルもブレーキも踏まない時間(空走時間)を増やしていくことが、燃費改善に最も効果的であり、消耗部品の減りも大きく防ぐこととなる。
ハイコストな運転の原因は、私たちドライバーの粗目なブレーキ操作にあった。一流のドライバーはブレーキ操作が非常に上手い。乗り心地も良くお金もかからない運転のために、ブレーキ操作を今一度、見つめ直してほしい。