アウト? セーフ? パーキングメーターが使えない時間に駐車すると違反になるの?
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ベストカーWeb より

パーキングメーターの「使用可能時間外」にクルマを停めたら、違反になるのでしょうか? 意外と知らないそのルール、じつはケースによっては“セーフ”でもあり“アウト”でもあるのです。ここでは、うっかり違反を防ぐために必要な情報詳しく解説します。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、写真AC(トビラ写真)
駐車違反になるかどうかは「標識」がすべて
都心部などに多く設置されている「パーキングメーター付き駐車枠」。1時間ごとの短時間駐車が可能なため、営業車両や買い物目的のドライバーに重宝されています。
しかし、こうしたパーキングメーターには「使用可能時間」が設定されており、たとえば「平日8時〜20時まで」といった表記をよく見かけます。では、20時以降に同じ場所にクルマを停めた場合、それは違法駐車になるのでしょうか?
それは、「標識の内容次第」で違反になるかどうかが決まります。
■パターン1:「使用可能時間外=駐車禁止」になるケース
一部の場所では、パーキングメーターの使用時間外は「駐車禁止」となることが明記されています。たとえば、標識に「パーキングメーター 8-20(左記時間以外は駐車禁止)」といった表記がある場合、20時以降は駐車禁止が適用されます。
仮に20時以降にクルマを停めたままにすると、「放置駐車違反」と見なされ、反則金や点数の加点対象となることがあります。
これは、交通管理者がその場所の交通量や安全性を踏まえ、夜間の駐車を禁じているためで、違反すると取締りの対象になる可能性が高いです。
ちなみに、“駐車違反”には駐停車違反と放置駐車違反の2種類があり、“駐停車違反”にあたるのは「運転者がすぐに運転してクルマを動かすことができる状態」を指し、“放置駐車違反”は「運転者がすぐに運転してクルマを動かせない状態」を指します。
駐車禁止エリアで駐停車違反をすると、普通車で反則金1万円+違反点数1点(駐停車禁止エリアでは普通車で反則金1万2000円+違反点数2点)。
放置駐車違反になると反則金1万5000円+違反点数2点(駐停車禁止エリアでは普通車で反則金1万8000円+違反点数3点)となります。
■パターン2:「使用可能時間外=規制なし」の場合もある
一方で、標識に「8-20」などと使用可能時間だけが書かれており、「それ以外の時間の扱い」が記載されていない場合もあります。この場合は、道路交通法上では「時間外はパーキングメーターが使えない=規制が解除された状態」と解釈されることが多く、時間外にクルマを停めても「違反ではない」可能性が高いとされています。
ただし、ここにも落とし穴が。たとえ規制が解除されていたとしても、以下のような条件では取締りの対象になることも。
・駐車車両が他の交通の妨げになっている
・車道外に著しくはみ出している
・警察の判断で「違法性あり」と見なされた場合
つまり、「標識に違反記載がない=完全にセーフ」ではないということです。
使用時間外の駐車は、取締りリスクがゼロではない
実際に取締りを受けたケースも報告されています。とくに大都市圏では、深夜帯にもかかわらず「駐車禁止」として取り締まられるエリアも存在します。たとえば、東京・大阪・名古屋の繁華街周辺などでは、夜間でも交通量が多く、歩行者や自転車との接触リスクがあることから、厳しい規制が敷かれています。
また、運転者がクルマから離れて戻らない、いわゆる「放置状態」と判断されると、時間帯に関係なく「放置違反金制度」の対象となります。こうした事例を踏まえると、「パーキングメーターが使えない時間に停めても大丈夫」とは言い切れないのが現実です。
■避けたい! よくある勘違い3選
・「使えない時間は自由に停めていい」は誤解
繰り返しになりますが、「時間外=規制なし」とは限りません。標識の確認は必須です。
・「夜は取締りされない」は危険な思い込み
警察の巡回は深夜帯でも行われており、取締りが少ないとはいえゼロではありません。
・「短時間なら見逃してくれる」は期待NG
たとえ5分でも、違反と判断されれば即ステッカーを貼られる可能性があります。例えば都内数カ所のパーキングメーター設置区画の標識表示には以下のような違いがありました。
■例1:「パーキングメーター 8-20(左記時間以外は駐車禁止)」
→20時以降の駐車は違反
■例2:「8-20」だけの表示(その他表記なし)
→20時以降は規制が解除されている可能性あり(要注意)
このように、同じ「パーキングメーター」でも、場所ごとにルールが異なるため、利用者が確認を怠ると違反になるリスクが高いのです。
編集部まとめ:時間外に駐車するなら「標識」と「状況判断」が命
パーキングメーターが使えない時間に駐車しても、違反になるかどうかは「その場所の標識」と「周囲の状況」によって変わります。「標識に従えばOK」と覚えておくのが最も安全なルールです。
また、時間外は安全面の配慮や緊急車両の通行を妨げないようにすることも大切。交通マナーの基本を守り、安心・安全なカーライフを心がけましょう。