ネットで自動車保険を契約して後悔!? 保険代理店が“今も必要”な納得の理由
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ベストカーWeb より

価格面や手軽さにおいてネット保険はとても優れているが、保険代理店がまったく不要というわけではない。今も多くの人が代理店経由で自動車保険を契約している背景には、保険代理店の大きな存在意義があったのだ!!
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=fizkes@Adobestock)
万能ではないが助け舟となる存在
保険代理店は、正直なところ「ただの営業」にしか見えないというのが、多くの人の本音ではないでしょうか。契約時には丁寧に説明してくれるけれど、その後は特に関わりもなく更新の連絡がやってくるだけ。
これでは、「自動車保険を売るためにいる人」と捉えられても仕方がない面があります。しかし、それは代理店の役割の一部しか表に出ていない状態とも言えるのです。
保険代理店の価値は、事故やトラブルが起きたときに初めて明らかになります。トラブルが起きたときに「担当者」がいる安心感は非常に大きいものです。
筆者は、ネット保険加入者から「事故後の経過を聞きたいけど、電話が繋がらない、どうすればいい?」「書類が送られてきたけど書き方がわからない」など、事故発生後の対応について相談されることが多くあります。ネット保険では少ない「担当者」という安心感が、保険代理店の真骨頂なのです。
こういった面から保険代理店は、まだまだ消えることのない必要なサービスになっているのです。
自動車保険に大切なのは「自分に合った選択」
自動車保険におけるユーザーの最も大きな問題は、「自分は代理店を必要とするタイプなのか」それとも「ネット契約で十分なのか」をきちんと理解しないまま、自動車保険を選んでしまっている人が多いことです。
特に、事故歴がなく安全運転を続けている人にとって、自動車保険はコスト重視で自己管理型になる傾向にあります。ただ、ひとたび事故が発生すると、「予想以上に大変だった」「何をすればいいか分からずパニックになった」と言う声が多く聞かれ、ネットでの契約を後悔する人も多くいるのです。
事故後の対応は冷静に行えるのか、その時間はあるのかなど、万が一の自動車事故発生時に、自分がどういう状況に置かれるのかを想像してみましょう。そして、その対応に苦慮したり、対応する時間が無かったりと悩む場合には、人が介在する代理店型保険を選択する方が得策と言えるはずです。
保険代理店も生まれ変わる時期が来ている
ここまで保険代理店の存在価値をお伝えしてきましたが、こうした価値を多くのユーザーに感じてもらえていない、今の保険代理店の在り方は大きな問題です。
保険代理店業界は大きな転換点にあります。高齢化や後継者不足に悩み、デジタル化の波に乗れない保険代理店は淘汰される存在です。全体数は今後減っていく一方となるでしょう。
しかし、これは代理店が不要になるという意味ではなく、むしろ本当に必要とされる代理店だけが残る時代になるということに他なりません。
契約者のライフステージに応じたリスク提案や総合保険設計、事故発生時の対応、精神的サポートにくわえて、契約者の「わからない」を一緒に整理してくれる力をもった代理店のみが、今後は生き残っていきます。
その上で「人+デジタル」のバランスを構築し、ネット専業にはできないサービス領域を確保しなければなりません。
保険代理店の存在意義は、ユーザーから「そばに居てくれて良かった」と思ってもらったときに生まれます。その瞬間を作れるかどうかが、ネット保険との差別化の本質と言えるのです。自動車保険を価格だけでなく「安心のかたち」として、この機会に再確認してみましょう。