給油口の方向を全メーカー統一したほうが便利じゃない? メーカーや車種でバラバラな理由は法規とマフラー位置によるもの!!
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WEB CARTOP より

給油口の左右が統一されない理由とは
普段乗らないクルマに乗っていて、給油しようといつものようにガソリンスタンドに入るも、「あれれ、給油口どっちだ!?」と焦った経験をしたことがあるという人は少なくないのではないでしょうか。
そんなときにこう思ったことがあるでしょう、「なぜ左右どちらかに統一されていないのか!」と。右側通行の欧州などでも販売する車種ならまだわかりますが、左側通行が前提の国内専売モデルだけ見ても、左右がバラバラというのが現状。これはいったいなぜでしょう?
給油口の配置に関する一般的な見解
この件について基本となるのは、道路運送車両法の保安基準にある「燃料タンクの注入口及びガス抜口は、排気管の開口方向になく、かつ、排気管の開口部から300mm以上離れていること」という項目です。
万が一引火すると大事故に繋がってしまうガソリンタンクの開口部は、引火の原因となり得るマフラー(開口部)からなるべく遠くに配置しましょう、という「お触れ」が通達されているというわけです。
車両の設計において300mmという制約はけっして小さいものではないため、ある程度の必然として、マフラーの開口部とは反対の側面に給油口が位置することになります。
また、ザックリとした傾向ですが、マフラーの配置はできるだけ歩行者から離したいという意図から、日本では右側に、右側通行の諸外国では左にマフラーが配置されるという傾向もあるようです。ただ、左右どちらかにしなければならないという決まりはないので、結果的に統一はされていないようです。
統一されない理由をメーカーに直撃
給油口問題をトヨタに聞いてみた
トヨタの見解は、「給油口の配置に関しては、現状、左側に統一しています。ただ、車体設計上の理由というわけではなく、特定の理由というものはありません」というものでした。少なくとも、シャシーやエンジンの構造にかかわらず、給油口を左側に統一する方針ということは判明しました。今後は「トヨタ車は左」と覚えておきましょう。ちなみに世界戦略ブランドのレクサスでも、基本的には左になるようです。
スバルの場合はどうだろう?
給油口の配置で筆者が気になったのはスバルです。スバル車といえば、ボクサーエンジンを中心とした左右対称性が特色です。そのため、構造上の理由でマフラーの位置がどちらかに偏る必然性は、ほかのメーカーに比べて少ないように思えます。
ところが「スバル」にそのことを訊ねてみると、右側に統一されているとのことでした。
その理由は、「排気管は後輪車軸の中心にあるディファレンシャルギヤのケースを左右どちらかに避ける必要があるため、昔から左に統一してきた」というもの。ボクサーエンジンの排気レイアウトは、一度エンジンの前側で集合されたあとで右側にまわり、タービンを経由したあとに中央をとおり、そこからデフの前で左に迂回して、シングルマフラーならそのまま左側で排気、ツインマフラーなら左右に分岐して排気となっています。そのため、給油口の配置は右側となっているようです。
また生産の面でも、給油口の位置は統一した方が効率がいいということで、バラバラにはしていないとのこと。
現状で給油口の配置はまだまだ統一される見込みはありませんが、降りて確認しなくても運転席から左右どちらかを確認する方法があります。燃料メーターには給油装置のマークが添えられていますが、よく見るとそこに三角のマークがあり、その頂点が指し示す方向に給油口があるというわけです(一部車種を除く)。
それを知る前までは、給油口開閉レバーを引いてサイドミラーでどちらに開いたかを確認していましたが、レバーを探すのに手間取ってクラクションを鳴らされたこともありましたね。