愛車ブチギレ警報発令中!! 「なんとなくやってる」が超アブナイ5つのNG操作
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ベストカーWeb より

普段、何気なくやっている行為のなかには、愛車のご機嫌を損ねてしまう案外アブナイものも少なくない。日常的にやり続けてしまうとクルマの故障や大きなトラブルにもつながりかねない、5つのNG行為とは?
文/井澤利昭、写真/写真AC
NG操作1 中途半端なサイドブレーキで車両が燃える!?
AT車、MT車に限らず、駐車場などにクルマを止める際に絶対に忘れてはいけないのがパーキングブレーキだ。
その役割は後輪に常時ブレーキをかけることでクルマの静止状態を保つもので、仮に傾斜がついている駐車場所であってもクルマが勝手に動き出すのを防いでくれる。
とはいえこのパーキングブレーキ、きちんとかかっていないというケースが多い。
特に昔からあるレバー式や、一時期AT車で多く採用されていた足踏み式のパーキングブレーキの場合、ドライバー自身はきちんとかけたつもりでもレバーの引き上げやペダルの踏み込み甘く、中途半端な状態になっていることがある。
ここ最近増えてきている電動式パーキングブレーキでも、ボタンを連打したことでブレーキがかかっていなかったり、操作を間違えるケースがあるため油断は禁物だ。
パーキングブレーキのかけ忘れは駐車中のクルマが意図せず動き出し、大きな事故につながるためとても危険。
レバー式や足踏み式であれば少し力を入れて確実に操作する、電動式ではオン・オフのボタン操作を丁寧に行い、メーター内のブレーキの警告灯が点灯していることも必ず確認しておきたい。
また、レバー式や足踏み式の場合は解除がきちんとできておらず、パーキングブレーキが少しかかったまま走行してしまうケースも。
その状態で長時間走り続けてしまうとブレーキやタイヤなどに大きな負担がかかって故障の原因となるだけでなく、ブレーキの焼きつきにより最悪の場合車両火災につながることもありうる。
パーキングブレーキはかける際も解除する際も、きちんと操作ができているかをしっかり確認するようにしたい。
NG操作2 ドアへの八つ当たりのしっぺ返しは大きい
急いでいる時や少々機嫌が悪い時の八つ当たりととして、クルマのドアを「バンッ!」と大きな音がするほど、思いっきり閉めてしまったことは、誰もが一度は経験があるはず。
そこまでいかないまでも、勢いをつけないとドアがきちんと閉まらないのではないか……という不安から、全開の状態から強い力でドアを閉めるという人はけっこう多い。
とはいえこれを日常的に繰り返してしまうと、ドアの故障やトラブルの原因となりうるので気をつけたい。
クルマのドアは鉄板でできているうえ、ガラスやゴム、内装の樹脂、ドアロックアクチュエーターやパワーウィンドウレギュレータなどなど、さまざまなパーツが組み込まれており、かなりの重量がある。
この重いドアを全開の状態から力いっぱい閉めてしまうと、ドアキャッチやウェザーストリップなどを傷めることになり、車内の密封性の低下や、走行時の異音の原因につながることも。
また、こうした使い方を長年続けてしまうと、ドアのヒンジ部分やドアチェッカーなどに大きな負担がかかり、ドアが閉まりにくくなったり、最悪の場合は破損してしまうことも考えられる。
これはドアを開ける時も同様で、勢いに任せてドアを思い切り全開にすることは、クルマに負担がかかるのはもちろん、開いたドアが後方から来るクルマや自転車と接触する危険もあるため絶対にやめるようにしたい。
ドアの開閉は優しくゆっくりやるのが基本。ドアを閉める時にもさほど力は必要なく、20~30cmほどのところまでドアをゆっくり閉めてから、少し力を入れるだけでキチンと閉まるはずだ。
NG操作3 旧車じゃなくてもご用心! 始動直後の高回転
従来のキャブレターに代わり、ほとんどのクルマでインジェクターが採用されているのに加え、エンジン自体の精度が上がっている現代のクルマでは、ほとんど必要がないとされている暖機運転。
とはいえ始動直後にいきなり全開走行をするなど、エンジンがまだ温まっていない状態での高回転は、クルマのことを考えれば避けたほうがいいだろう。
これは、たとえ現代のクルマといえどもエンジンの内部にオイルが行き渡っていない状態では大きな負荷となり、激しい金属摩耗を引き起こす可能性があるからだ。
特に長い期間放置していたクルマでは、エンジンオイルが重力によってオイルパンに落ちた状態になっており、一時的に潤滑のためのオイルが不足する「ドライスタート」を起こす可能性がある。
そんな状態のエンジンを高回転で回せば、エンジンの内部が傷ついてしまうことは誰にでも容易に想像ができるはずだ。
そこでお薦めなのが、エンジン始動直後のクルマの準備運動ともいえる「暖機走行」。
エンジンやオイルが適切な温度になるまでの間、負荷をかけずゆっくり優しく走ることで、エンジンだけでなくミッションといった駆動系の保護することができ、愛車を労わることができる。
また、しばらく運転していなかったクルマであれば、エンジン始動後1~2分程度の短い時間でいいので暖機運転を行い、エンジン内部にオイルを行き渡らせることでドライスタートを防ぐようにしたい。
なお、エンジンが十分に温まった後は、ある程度高い回転数をキープした運転で、クルマのご機嫌をとるようにすることも大事だ。
NG操作4 汚れたガラスをワイパーでゴリゴリ
フロントやリアのガラスが砂やホコリで汚れている時についついやってしまいがちなのが、ワイパーを使ってのクリーニング。これもまた、クルマのご機嫌を損ねてしまう行為といっていいだろう。
そもそもワイパーは、雨の日に水滴を払うのための装備。
乾燥した状態で動かしてしまうと、ガラスの間に入ったホコリなどがヤスリのような役割を果たしてしまい、ガラスを傷つけてしまう可能性がある。
また、ワイパーゴムの破損や劣化にもつながるため、肝心の雨水を除去する機能が大きく低下してしまうこともありうる。
それだけにワイパーは、ガラスがある程度濡れている状態でのみ動かすようにするのが肝心。
晴れた日のお出かけ前にガラスの汚れが気になるようなら、ワイパーは使用せず、ペットボトルなどに入れた水で砂やホコリを十分に流してからきれいなウエスやガラス専用のクリーナーで拭き取るのがベストだ。
また、あまり時間がない時や出先で汚れが気になった場合は、ウィンドウウォッシャーの使用がお薦め。
その場合も葉っぱなどの大きめなゴミや、ワイパーゴムに溜まったホコリなどを前もって拭き取っておくと完璧だ。
フロントガラスの傷は、乱反射により夜間や雨の日の視界を遮ることもあり非常に危険。 ワイパーのゴムも劣化が見られるようなら、早めに交換をしておきたい。
NG操作5 ボディブローのように足回りを傷めつける! 停車中の“据え切り”
「据え切り」とは、クルマが停車した状態でハンドルを左右に切ることで、駐車時、特に縦列駐車などを行う際には必要となることも多い操作だ。
昔からクルマを傷める操作のひとつといわれている据え切りではあるが、部品精度や強度が向上した現代のクルマであれば、さほど大きな問題はないとされている。
とはいえ、停車中のステアリング操作はタイヤやステアリング系の部品にある程度大きな負荷が加わることは間違いない。
数回程度であれば問題はないが、1日に何度も据え切りを繰り返すような運転を日常的に続けていると、偏摩耗によりタイヤの寿命が極端に短くなることが考えられる。
また、ステアリングギアやパワステといった操舵系や、サスペンションなどにも悪影響を与え、故障やトラブルにつながることもありうる。
ハンドル操作はできるだけ優しく、ゆっくりやることを心がけ、可能な限り据え切りを使わないことを意識することが、愛車の機嫌を損ねない運転といえるだろう。