残価設定ローンとか色々あるけど……結局ローンのお得な組み方って?
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ベストカーWeb より

物価高に金利変動と、私たちを取り巻く金融情勢は日々変化している。特に最近の日本は金利の上昇局面になっており、ローンを組みにくくなってきた。こうした状況で自動車ローンを組む場合はどうしたらいいのか。ディーラークレジットを使うのか、それとも銀行のマイカーローンがお得なのか、自動車ローンの効果的な組み方の最新情報をお伝えしていく。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=KATSU@Adobestock)
金利で選ぶならやっぱり銀行ローン
コロナ禍以前は、自動車ディーラー提供のローン(クレジット)と銀行ローンの金利差はほとんどなかった。残価設定ローンなどの使いやすいローン形態があったディーラークレジットには利点が多くあり、あえて手間のかかる銀行ローンを選ぶ必要もなかったのだが、これは過去のお話。
2024年3月、日本銀行の金融政策決定会合でゼロ金利政策が解除され、以降日本の金利は上昇局面に入っている。これに伴い、ディーラークレジットの適用金利も大幅に上昇して、現在では4%台から6%程度を提示するディーラーが少なくない。
対して銀行が取り扱うマイカーローン金利は、一時期よりも上昇はしたものの、まだまだ最優遇金利で1%台を出しているところが多い。年利3%~5%ほどディーラークレジットよりも低いから、選択する意味は大いにあるのだ。
例えば300万円を借り入れて新車を購入した場合、金利差が3%あれば、300万円×3%で年間約9万円の支払利息の差が生まれてくる(元利均等返済の利息計算方法ではないので実際の利息差はもう少し小さい)。出来るだけ金利負担が少なく、支払いが楽になるローンを組もうと思ったら、金利の低い銀行ローンがおススメだ。
金利差分をディーラーの支援策で取り返せるかも
ただ金利の高いディーラーローンが全部NGというわけではない。ディーラーによっては、残価設定ローンを組んだら下取り車の査定額にプラス15万円~20万円などという支援策(実質的な値引き策)を行っているところも多い。
例えば、300万円借り入れて、銀行ローンとディーラークレジットの金利差が3%ある場合でも、残価設定ローンの支援策が下取り車に対して査定15万円アップであれば、1年分の金利差以上の埋め合わせが出来ている。
ディーラークレジットの場合、利用者へのポイントバックや契約時のポイントプレゼントなどを実施していることもあるから、こうした支援やプレゼントが自分にとって効果的に使えるのならば、金利差以上のオトクが得られることもあるだろう。
最強の組み合わせは支援+低金利ローン
では、2025年のローン事情を踏まえた、最強の自動車ローンの組み方を考えていく。新車購入で5年間のローン利用をするイメージで、話を進めていきたい。
まず使うべきはディーラークレジット。新車購入+残価設定ローンで、もらえるだけのポイントと支援は、すべて受け取ってしまった方が良いだろう。まずはディーラークレジットを使って、オトクをゲットすべし。
この時、残価設定ローンを選択する方が支援策は大きいので、おすすめは残価設定の3年モノ。まずは3年間、残価設定ローンを契約して返済を行って欲しい。
ここで注意するのは、通常の払い切りローンや銀行ローンよりも返済額は小さくなるので、その差分は3年間貯蓄に回しておくこと。この貯蓄を今回は仮にA資金と呼ぶ。
3年後に残価設定ローンが満期を迎えるタイミングで、銀行のマイカーローンへ借り換えを行う。この時、貯めていたA資金を借り換えの自己資金として投入し、借入金額を減らしてしまおう。銀行での借入期間を2年にすれば、新車購入から5年間で、クルマのローンは返済できるという流れだ。
ディーラー支援策の内容にもよるが、3年設定の残価設定ローンを、1年間支払った後に、金利の低い銀行ローンへ借り換えするという方法もある。
ただ、あまりに残価設定ローンの利用期間が短いと、ディーラーの支援策が使えない(もしくは違約金の請求)ということにもなりかねないので、このあたりは契約の内容を十分に確認してほしいところだ。
金利が上がった今のタイミングだからこそ、ディーラーのサービスや支援策も数多く出ている。ローンの組み方は時代によって変わるもの。今しかできないやり方が、参考になれば幸いだ。