ボディになぞの白いシミ…… 取りにくい石灰汚れはあの調味料で落とせ!
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ベストカーWeb より

クルマの汚れは多岐にわたる。水垢や花粉に油膜、ピッチ・タールに鉄粉、樹液や融雪剤に火山灰なども、クルマにはついてほしくない汚れだ。様々な汚れの中でも、意外と付けらたり、付いてしまったりする汚れが「石灰」のシミである。ガラスのうろこ汚れの原因の一つにもなっている石灰汚れを、簡単にとる方法を教えます。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=naka)
フロントガラスに白い点々は結構ヤバい汚れだったりする
フロントガラスに白いシミがついていたら要確認だ(ozencdeniz@Adobe Stock)フロントガラスに白いシミがついていたら要確認だ(ozencdeniz@Adobe Stock)
クルマに乗り込んで、フロントガラスに点状の白い汚れがついていたら、「アレ?」と思った方が良い。 雨染みや花粉汚れとは違う白いシミで、洗車をしても落ちないものだったら、炭酸カルシウム(石灰石)系の汚れが付いたと疑いたい。
「石灰汚れなんてどこで付くんだ」と思う人が多いと思うが、結構身近なところに石灰汚れの原因があるのを知っているだろうか。
例えば、工事現場がその最たる例。マンションなどの新築工事をしているときに使うセメントが、石灰汚れの原因になる。
家の近くに製鉄所やセメント工場がある場合も要注意。工場から飛散した石灰石の粉末がクルマに降りかかり、水と反応して石灰シミを作ってしまうからだ。
この石灰シミは結構厄介で、シャンプー洗車などではビクともしない。研磨作業でも落ちないケースもあるほど、石灰汚れは頑固なのだ。
工場や建築現場が近くに無くても、石灰成分は意外なモノにも入っている。
例えば、殺虫剤。業者が行う殺虫作業で使われる殺虫剤の中には、石灰硫黄合材(強アルカリ性)のものがあり、殺虫剤の飛沫がクルマに飛んでくるというケースも考えられる。
石灰汚れの強アルカリ成分は、強固に付着するのはもちろん、ボディなどの鉄を腐食させることもあり、早めに除去することが好ましい。
石灰シミは家にある調味料で落ちるんです
強力な水垢落としなどでも落ちない石灰汚れや石灰シミ。前述の通りこれらの汚れはアルカリ性なので、酸性のもので中和させるのが汚れ落としの基本であり、最も効果の期待できる除去方法だ。
そこで使うのが、どこの家庭にもあるであろう「酢」である。石灰汚れに調理用のお酢をかけて軽く擦るだけで、石灰汚れはみるみる落ちていくのだ。水洗いやシャンプー洗車、研磨剤を使った磨きでも落ちなかった石灰シミは、中和で落とすことができる。
ちなみに、フロントガラスやドアガラスに残る白っぽいシミ汚れも、石灰成分が悪さしていることがあるのだ。
俗にいうウロコ汚れというやつ。ガラスの下地処理でも油膜取りでも落とせないウロコ汚れは、専用クリーナーで落とすのが通例となっているが、これも石灰成分が強いウロコ汚れなら、食用の酢で落ちる可能性がある。
効果のある酢は、とにかく酸性の強いモノ。お酢の中には糖や食塩、ダシ類など様々なモノが入り、酸性度が下がってしまっている(中性に近づいている)製品も多い。
原材料名に醸造酢だけでなく、かんきつ果汁やクエン酸などが入っている酢の方が効果は高いので、スーパーの調味料売り場で酢を見比べてほしい。
筆者の使用感で最も効果が高いと思ったのは、ミツカンの「やさしいお酢」だった。安いプライベートブランドの酢だと、ウロコ取りの効果はイマイチだったので、迷ったら「やさしいお酢」を使って欲しい。
なお、お酢は酸性のためボディに長時間付着するのは好ましくない。ボディの石灰シミを取る時は、お酢で軽く擦ったら十分に水洗いするのが鉄則。
ガラスのウロコ取りの時には、ボディに酢が付着しないように、キッチンペーパーなどを酢に浸してガラス面をパックしてあげると良いだろう。いずれの場合でも、流水でしっかり洗い流すことを忘れないでほしい。
意外と身近な石灰汚れ。お酢が効くと覚えておけば、頑固な汚れに怯むこともない。