クルマの「任意保険」なぜ3年連続で値上げされる? 事故を防ぐ「安全装備の装着義務化」が保険料アップの原因に!? 意外な事情とは
口コミを書く
口コミを見る
くるまのニュース より

任意保険が3年間連続して値上げされる裏事情
クルマの「任意保険料」は、2025年1月に3.5~5%値上げされました。
今の任意保険は自由化され、保険商品や保険料は各損害保険会社が自由に設定できますが、保険料の目安として、損害保険料率算出機構が参考純率を定めています。
各損害保険会社は、参考純率も参考にしながら、保険料を設定しています。そのために任意保険が自由化された今でも、保険料は足並みをそろえて改訂されることが多いです。
今回、任意保険料が値上げされた背景には、複数の理由があります。まずはコロナ禍が終息に向かった結果、外出の機会が増えて、交通事故件数も増加傾向にあると指摘されています。
ただし別の報道では「安全装備の充実により、車両に大きな損害を与える追突事故が減少傾向にある」という話も聞かれます。
安全装備の充実によって交通事故の発生が抑えられれば、保険金の支出も減って保険料は安くなるはずです。
この点を損害保険代理店の営業担当者に尋ねると、以下のように返答されました。
「今はLEDヘッドランプを装着する車種が増えたこともあり、安全装備で事故を回避できず、ぶつけてしまうと修理費用が高くなります。
ライトを自動的に点灯させるオートライトの装着義務化やボディ同色バンパーの増加、ボディカラーの多様化なども、修理費用が上がる原因になります」
それなら衝突被害軽減ブレーキを始めとする安全装備の充実には、事故を減らしたり保険金の支出を抑える効果はないのでしょうか。
「もちろん事故を減らしたり、保険金支出を抑える効果はありますが、安全装備によってすべての事故を防げるわけではありません。
安全装備が装着され、事故の被害を軽減できても、ぶつかってしまうことがあります。
その場合、安全装備の(ミリ波レーダーや赤外線レーザーなどの)センサーは、ボディの先端に装着されているので事故によるダメージも大きく、修理費用も高くなるのです」(損害保険代理店の営業担当者)
安全装備のために修理費用が高まるのは皮肉な結果です。
さらに「最近は、修理に使う補修部品や塗料などの価格、輸送費なども高まっています。修理を担当するメカニックについても人件費が上昇しています」といいます。
今は食料品などさまざまな商品が値上がりしており、同様のことが車両の修理費用にも当てはまるのです。
そのほか保険料を高める要素はあるのでしょうか。
「最近は大雪や河川の氾濫などの自然災害が増えています。これも車両の修理件数を増やすので、保険金支出の増加に繋がります」(損害保険代理店の営業担当者)
地震/津波/噴火については、車両保険の支払い対象外ですが、台風/洪水/高波などは対象に含まれます。昨今のように悪天候が増えることも、任意保険料を高める原因になり得ます。
2025年には軽自動車の型式別料率クラスも変更されました。
自動車保険では、車種に割り振られた型式を基準に、車両のリスク(事故を発生させる可能性)を設定して保険料を算定しており、自家用小型/普通自家用乗用車は、以前から型式別料率クラスを17段階に分けていました。
自家用軽乗用車は、以前は3段階と少なかったのですが、2025年1月以降は7段階に細分化。この変更により、自家用軽乗用車の型式によっては、以前に比べて任意保険料が1.2倍になっています。
任意保険料の推移を振り返ると、多くの損害保険会社が、細分化以前である2024年1月にも値上げしていました。つまり「2年連続の値上げ」という状況です。
そしてさらに、値上げは2026年1月にも予定され「3年連続」となる可能性が高いでしょう。というのは、冒頭で触れた損害保険料率算出機構の「参考純率」が、2024年6月に見直されたばかりだからです。このとき参考純率は平均5.7%もの引き上げ幅になっています。
※ ※ ※
クルマ関連の出費は高まるばかりで、ガソリン価格も高騰しています。
所得は上昇する兆しを見せながらも伸び悩んでいますから、任意保険料の高騰も加わるとクルマの維持が困難になります。
しかも今後は、クルマのユーザーが高齢化して、事故のリスクは一層高まるでしょう。
任意保険料の高騰を理由に加入しないユーザーが増えると、交通事故の被害者の不利益に結び付きます。
修理費用を引き下げる工夫など、自動車業界全体で任意保険料の高騰を抑える対策を立てる必要がありそうです。