「トイレ行きたい」「仮眠したい」 高速道路の「謎スペース」は停めて良い? 気軽に停めたら「違反」かも… 正しい利用方法とは
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くるまのニュース より
謎のスペースは一体なに?
高速道路の片隅に定期的に現れる謎のスペース。これは一体何のためにあるのでしょうか。
また、そこにクルマを停車させても大丈夫なのでしょうか。
高速道路の本線上には、クルマ数台が停められそうな、少し広めのスペースが設けられています。
このスペースは一体、何のためにあるのでしょうか。
実は、このスペースには正式な名称があります。それが「非常駐車帯」です。
非常駐車帯は、故障車両や緊急車両、道路管理車両などが停車することを目的として、道路の路肩に設置されているものです。
そのため、非常駐車帯は土工部や橋梁部では約500m、トンネル内では約750mと一定間隔でこのスペースが設けられています。
ただし、非常地帯にクルマを停めることができるのは、限られた場合のみ。
高速道路を走行中に、ふと眠くなって仮眠をとりたくなったり、どうしてもトイレに行きたくなった、という経験がある人もいるかもしれません。
しかし、非常駐車帯は緊急時以外の使用が禁止されており、休憩などの目的で停車することは推奨されていません。
非常駐車帯の利用に関して、NEXCO西日本の担当者は次のように話しています。
「高速道路上に設置している『非常駐車帯』は、お客様が走行中に事故や車両の故障など緊急の事態が発生し、やむを得ない事情がある場合にご利用いただくことを想定しております。
なお、休憩などのための停車につきましては、近隣のSAやPAをご利用いただき、非常駐車帯への停車はご遠慮ください」
以上の内容から、トイレなど私的な理由で非常駐車帯に停車することは避けるべきであることがわかります。
むやみに停車すると法律違反となる可能性も。 どんな違反になる?
さらに、むやみに停車すると法律違反となる可能性も。
警視庁交通相談コーナーの担当者は、次のように述べています。
「道路交通法第75条の8において、高速道路を含む自動車専用道路での停車および駐車の禁止について規定されています。非常駐車帯に緊急時以外で停車した場合、これに該当する可能性がります」
道路交通法第75条の8の内容によれば、基本的に自動車道路上での駐車、停車は禁止されています。
高速道路上の非常駐車帯もこの規定に含まれるといえるでしょう。
ただし、この第75条の8では例外的に停車が認められる場合のひとつとして「故障その他やむを得ない理由で、停車や駐車をするために十分な幅員のある路肩や路側帯に停車・駐車するとき」と定められています。
このことからも、ネクスコ西日本の見解と同様に、事故をはじめ、ドライバーの急な体調不良や燃料切れなど、他者を巻き込む事故につながる恐れがある場合のみ、非常駐車帯への駐車が可能であるといえます。
※ ※ ※
高速道路上に現れる謎のスペースの正体は「非常駐車地帯」で、一般車が停車できるのは故障しているときなど緊急時のみに限られています。
それ以外の緊急性のない状況で駐車してしまうと、実際に事故が起きた際に妨げとなる恐れがある上に、違法行為に該当する可能性があるため、利用しないようにしましょう。
トイレに行きたくなったり眠くなった場合は、最寄りのSAやPAを利用する、もしくは一般道に降りて休憩するなど他の対応をとる必要があります。
また、もし万が一事故など緊急の事態に陥ったときは、非常駐車帯や路肩に停め、後続車からの衝突など二次災害を防ぐためにもなるべくクルマから離れ、身の安全を確保するようにしましょう。
そして、緊急ダイヤルなどに速やかに連絡し、被害が拡大しないようにすることが大切です。