「ディーゼル車」と「ガソリン車」どっちがいい? 燃料費はディーゼルの方が安い! 車両価格や維持費はどう違う?
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くるまのニュース より
「ディーゼル車」vs「ガソリン車」どっちがお得?
「ガソリン車」の燃料としてレギュラーガソリンやハイオクガソリンが使用されますが、「ディーゼル車」は軽油を燃料として使います。
そして軽油はガソリンよりの燃料価格が安いため、維持費もディーゼル車のほうが安いように思われる傾向があるようです。
しかし、クルマを購入する際には本体車両のほか、自動車税、メンテナンス費用、車検費用、駐車場料金、高速道路料金、任意保険など、燃料以外にかかる費用もあり、一概には判断できません。
ガソリン車とディーゼル車がどちらが良いかは、普段のクルマの使い方によって変わってくるといえるでしょう。
まず、燃料価格が異なる理由は、それぞれにかかる税金の違いです。ガソリンは揮発油税と地方揮発油税として1リットルあたり53.8円、軽油は軽油引取税として1リットルあたり32.1円かかります。
また、燃費で比較した場合、マツダ「CX-3」の2WDにおけるカタログスペックは、ガソリン車が17.0km/L、ディーゼル車が20.0km/Lです。
年間の走行距離を1万kmと仮定した場合に必要な燃料は、ガソリン車が約588リットル、ディーゼル車が約500リットルになります。
2024年5月22日時点の燃料価格は、レギュラーガソリンが162.3円、軽油が137.8円です。燃料代を単純計算すると、年間でガソリン車が約9万5000円、ディーゼル車が約7万円かかります。
燃費と燃料価格の違いから、燃費性能ではディーゼル車のほうがお得に見えます。
では、メンテナンス費用や車両価格も含めるとどうなのでしょうか。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いをみると、基本構造は概ね同じですが、機構が大きく異なります。
ガソリンは発火しやすい性質がありますが、ガソリンを着火させるライターのような役目になる点火系機構(点火プラグ)が必要です。一方で、ディーゼルエンジンは軽油の圧縮熱により発火しやすい性質に合わせ、高温にして自然発火しやすいよう圧縮比が高い構造です。
圧縮比が高いディーゼルエンジンの内部は、燃料の燃えかすが多い環境です。燃料に含まれる硫黄成分の影響でエンジンが汚れやすいため、ガソリン車より頻繁にオイル交換しなければなりません。
交換の目安は、ガソリン車が1万5000kmまたは1年、ディーゼル車が1万kmまたは1年です。
また、ガソリン車とディーゼル車では、車両本体価格も異なります。
マツダのCX-3では、ガソリン車が227万9200円からなのに対し、ディーゼル車は279万6200円からと、50万円もの差があり、ディーゼル車のほうが価格が高く設定されるのが一般的です。
ディーゼル車が適した人とは?
ガソリン車かディーゼル車どちらが良いかは、燃費性能や維持費、車両本体価格を加味した判断が必要です。
ディーゼル車は以前、排気ガスの環境に対する影響が問題視されていましたが、現在では排ガス処理技術の進歩により排気ガスがクリーン化されています。
税制面では、燃費性能の良さも相まって当初クリーンディーゼルとして減税対象でしたが、国が環境に優しいハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車の普及させるためにそちらを優遇していることから、現在、ディーゼル車はほかのガソリン車と同じエコカー減税の対象となっています。
維持費で考えると走行距離が長い人はディーゼル車、近所への買い物など短距離の使用のみの人はガソリン車のほうがお得に乗れるといえます。
燃費性能が良く、価格が安い軽油を使用するディーゼル車は、燃料代を抑えることが可能ですが、エンジン部分にこまめなメンテナンスが必要です。
さらには、車両価格がガソリン車より高い、クリーンディーゼル車への減税が2023年末で終了していることなどから、必ずしもお得なクルマとは判断することはできせん。
ガソリン車とディーゼル車、結局どちらを選べば良いかは、クルマを使用するときに重視するポイントで異なります。
走行性能を重視するのであれば、大きなトルクを発揮しやすいディーゼル車がおすすめです。
トルクとは、自転車でたとえるとペダルを踏む力のこと。トルクは値が大きいほど走り出しの加速性能が高く坂道でスムーズに走れるなどのメリットがあります。
その点ディーゼル車は発進時などのスムーズさがガソリン車と比べ優れているといえます。
ただし、ディーゼル車はエンジン音が大きい特徴もあるため、静粛性さを求めるのであればガソリン車を選ぶのも良いでしょう。
※ ※ ※
ガソリン車とディーゼル車の維持費を比較した場合、燃料価格や燃費性能ではディーゼル車のほうがお得です。しかし、メンテナンス費用や車両価格も含めると、ガソリン車のほうが良い場合もあります。
税制面での差も現在ではそれほどないため、どちらを選ぶかは走行距離などクルマの使い方によって判断しましょう。