「まえぇぇ!」まさに「高速道路ミサイル」!? 工事帯に突っ込む“衝撃映像”が話題に? “費用請求”するも「当て逃げ」のケースも… 無惨すぎる「実情」とは
口コミを書く
口コミを見る
くるまのニュース より
まさにミサイル!? クルマが工事箇所に突っ込む事故多発
クルマで高速道路を走行していると、一部道路で工事を行っており車線が規制されている場合があります。
この工事規制箇所の場所で、クルマやトラックの衝突事故が多発しているといいます。今回は、NEXCO中日本東京支社の担当者に話を聞きました。
2023年6月、同支社の公式SNS(@c_nexco_tokyo)で、以下コメントとともに30秒ほどの動画が投稿されました。
「高速道路上の工事規制箇所へ衝突する事故が多発しています!
運転支援機能を過信し、前方を見ていないと思われる事故や、スマートフォンを見ながらの『ながら運転』による事故の多発と考えられます。走行中は前を見て運転してください」
投稿された動画では、高速道路の片側や路肩が工事規制箇所となっていて、規制予告をする矢印の看板の設置や、走行する車線が誘導されている様子が映し出されています。
映像には、工事規制箇所を無視するように、動画に映るクルマやトラックが矢印の看板に衝突したり跳ね除けたりするほか、作業車に突っ込んで衝突する様子が見られるなど、衝撃的な事故の様子がうかがえます。
上記の投稿から約1年が経過した現状について、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
「以前動画を掲載した際は、多くのお客さまに動画をご覧いただき、事故に対する注意喚起・啓発の機会となりました。
とはいえ事故件数については微増(ほぼ変わらず)の状態であり、受損事故件数は多いです」
実際に同支社が把握している進入事故(規制材の受損事故)の事例には、「車線規制開始地点でドライバーが規制に気付くのが遅れ矢印板・ラバーコーンなどをはねる事故」「標識車に衝突する事故」「車線規制区間内でドライバーがハンドル操作を誤りラバーコーンをはねる事故」などが多く発生している事故として挙げられるといいます。
進入事故によって資材などに損傷が発生した場合の同支社の対応について、前出の担当者は以下のように話します。
「事故箇所は速やかに予備の規制材を再設置するとともに、通常の事故と同様、事故の原因者となるお客さまへ費用を請求します」
事故を起こしたドライバーへの費用の請求を求める対応をしているとのことですが、走行中の事故ということもあり、必ずしも請求を求めるのは難しいかもしれません。
実情について担当者も、「規制材受損事故を起こしたお客さまがそのまま走り去り、申し出がない当て逃げのケースも発生しています」と話していました。
ACC機能を過信した「ながら運転」に注意!
改めて進入事故防止について、担当者は以下のように注意を呼びかけます。
「高速道路上の工事規制箇所へ衝突する事故が多発しています。
ACCなどの運転支援機能を過信し前方を見ていないと思われる事故や、スマートフォンなどをみながらの『ながら運転』による事故の多発と考えられます。
ACCなどの運転支援機能(自動運転レベル2)は、工事規制材箇所の矢印板には反応しませんので、運転の補助機能として活用し、走行中は前を見て運転してください。
また、スマートフォンを少し見ただけでも、高速道路では1秒間に約30mもの距離を進みます(時速100km/h換算)。
ながら運転は『しない・させない・許さない』ようお願いいたします」
ちなみに、仮にドライバーが進入事故を起こした場合はどのように対応をすれば良いのでしょうか。対応について担当者は以下のように教えてくれました。
「慌てずに、自走可能であれば路肩などの安全な場所へ移動してください。その後、速やかに警察(110番)へ通報してください」
※ ※ ※
前述にもあるアダプティブクルーズコントロールは、車両前方に備え付けられたカメラやレーダーなどによって前方車両を認識し、ドライバーがアクセルペダルを操作しなくても、一定の車間距離を保ちながら追従することが可能な運転支援機能です。
ドライバーにとっては便利な機能といえますが、あくまでこうした支援機能は“支援”であり、運転の主体はドライバー(人間)です。
各自動車メーカーの安全支援機能の注意点には、システムを過信せず常に自らの責任で周囲の状況を把握し、自身の操作で安全を確保することと必ず記載があります。
また安全支援機能は、今回のような工事規制箇所の規制看板などに反応しないケースがあり、例えばトヨタ安全機能「Toyota Safety Sense」では、「車線と誤って認識するような路側構造物(ガードレール・縁石・反射ポールなど)があるときにはハンドル操作サポートが正常に作動しない場合がある」と説明しています。
ドライバーはこうした高速道路での思わぬ事故を起こさないよう、引き続き気を引き締めて安全運転を心がけましょう。