ハイブリッドやEVの「回生」はムダに捨ててたエネルギーを拾う行為! 燃費や電費が伸びる仕組みを改めて解説する
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WEB CARTOP より
電気自動車だけでなく電車も使ってる「回生」
回生(かいせい)とは、エネルギー回収の意味があり、英語ではregeneration(リジェネレイション)という。ジェネレイションと聞くと、「世代」との意味を思い浮かべるかもしれないが、発電の意味がある。リジェネレイションというと、再発電の意味になる。それを回生と呼ぶ。
回生は、電気自動車(EV)に限らず、電車も使っている。そして電車では、走行することを力行(りきこう)と呼んでいる。
発電は、磁力を持つ回転軸と、それを囲む磁力を持った筒状の容器で成り立つ発電機によって行われる。回転軸も容器も磁石で構成され、互いの磁力の効果で電気が生まれる。
モーターも、磁石でできた回転軸と、磁石で構成される容器という構造だ。つまり、モーターと発電機は同じ構造なのだ。
その装置に、電気を流せばモーターとして回転力を生み、外からの力で回転させれば発電機として電気を生む。たとえば、水力発電所は、ダムから落下する水の力を利用して発電機をまわす。火力発電は、燃料を燃やして高温の蒸気を発生させ、その蒸気で羽根をまわして発電機に回転力を与え、電気を生み出す。
前置きが長くなったが……、EVなどのモーター駆動のクルマは、バッテリーからの電気をモーターへ流すことで発進し、加速する。逆に、アクセルペダルを戻したり、ブレーキペダルを踏んで減速したりすると、速度という力でモーターがまわされ、機能が発電機へ切り替わり電気を生む。そして、バッテリーに充電することができる。
回生では、磁力という抵抗が働くので、エンジンブレーキのような減速度を生じる。ここだけを話せば、回生ブレーキといういい方になる。
回生の使い方次第で燃費性能が大幅に変わる
EVは、走るために使った電気の一部を、減速する際に回収し、回生によってバッテリーに充電できる。エンジン車ではできなかったエネルギー収支だ。また、磁力による減速度を活用し、速度調節ができる。それが、ワンペダル操作だ。
EVの一充電走行距離は、回生を多用した運転をすることで、カタログ値以上に距離を延ばすことも不可能ではない。
山道を登る際の電気の消費は多くなるが、逆に坂を下れば、速度だけでなくマイナスのエネルギーも加わって、回生による充電量を増やすことができ、走行距離を延ばすことにつなげられる。
EVでのエコ運転は、単にアクセルペダルの操作をおだやかにするだけでなく、速度調整する際にブレーキではなくアクセルペダルの戻したことによる回生の利きを利用することで、省電力あるいは走行距離の延長につながる。
ちなみに、3世代目のプリウスに私が乗っていたとき、DではなくBレンジにシフトして市街地を運転することで燃費が伸びた。
EVほどの回生効果はなくても、モーターを併用するハイブリッド車でも、回生を積極活用するとガソリン消費を抑えられる車種があるかもしれない。ちなみに、現行プリウスではBレンジの燃費効果をあまり感じられなかった。