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ヤバいほどややこしい!! 「私道と公道」じゃ大違いな事故対応!!! 
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ベストカーWeb より


 公道か私道かなどを考えて走っている人はごくわずか。しかし、いったん私道で事故が発生するとややこしい事態になりそう……。ということで、今回は私道と公道の違い、よくわからない場所で事故った時の注意点などを紹介。

文/山口卓也、写真/写真AC

■公道と私道の違いとは?

 公道と私道の違いの前に、まずは「道路」とは? を説明する。

 「道路」:道路交通法第2条では、「道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第2条第1項に規定する道路、道路運送法第2条第8項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう」と定められている。

 道路法に定められた道路とは「高速自動車国道・一般国道(政令による指定)、都道府県道(都道府県知事の認定)、市町村道(市町村長の認定)」。

 道路運送法に定められた自動車道には、一般自動車道(専用自動車道以外の自動車道)と専用自動車道(自動車運送事業者が専らその事業用自動車の交通の用に供することを目的として設けた道)があり、さらに一般交通の用に供するその他の場所も含む。

 おおまかにいうと、国や都道府県、市区町村が管理する道路を「公道」といい、誰でも通行可能な道路を指す。また、農道や林道も公道である。

 対して、個人や法人が所有する私有地の一部に設けられた道路状の土地のことを「私道」というが、教習所の練習コースや工場の構内道路などもそれにあたる。

 ただし、ショッピングセンター内の駐車場や、事実上は道路として使用されている私有地などは、「一般交通の用に供するその他の場所(不特定多数の者が自由に通行もしくは利用できる状態の場所)」ともいえ、「公道」に含まれる可能性大なので要注意! 

■公道では道路交通法が適用されるが、私道では?



 公道には前述のように多くの種類の道路があるが、すべての公道では道路交通法が適用される。逆に、「私道」と呼ばれる場所は私有地の扱いになるため、基本的には道路交通法が適用されることはない。

 そんなわけで、「すべての私道では道路交通法が適用されないから、運転免許は不要」とか思っている人もいるかもしれないが、実は私道であっても道路交通法が適用される場所は存在する。

■「みなし公道」って何?


 私有地内の道路であっても道路交通法が適用される場所、それが「みなし公道」とも呼ばれる私道だ。

 有名なところでは通称、箱根ターンパイク(アネスト岩田 ターンパイク箱根)と呼ばれる神奈川県にある有料道路。

 箱根ターンパイクは、自動車やオートバイ媒体のロケ地、試乗会やイベント会場としても知られ、持ち主はNEXCO中日本グループの箱根ターンパイク株式会社。つまり私道だが、当然のように速度取り締まりなどが行われている。

 これは、箱根ターンパイクが不特定の人やクルマが自由に通行することを許可している、前述の「一般交通の用に供するその他の場所(不特定多数の者が自由に通行もしくは利用できる状態の場所)」とみなされているから。

 このような有料道路はほかにもあり、大阪府と奈良県にある信貴生駒スカイラインや滋賀県にある比叡山ドライブウェイなどがある。

 ちなみに自動車学校やサーキット、企業が所有する工場内での資材運搬などに使われる専用道路など、不特定多数の者が自由に通行もしくは利用できない私道、完全にクローズドとされた場所で許可車両しか走れない場所などでは道路交通法の適用はない。

■みなし公道ではない完全な私道なら、事故を起こしても平気!?



「道路交通法が適用されないなら、事故を起こしても何の責任も義務もないよね?」と思うかもしれない。

 しかし公道・私道にかかわらず、道路外であってもクルマを運行することによって人身事故などを起こした場合は、自動車損害賠償保障法第3条の運行供用者責任を負うこととなり、クルマの運転上のミスによって物損事故を起こした場合も民法第709条の不法行為責任を負うことになる。

 つまり、他人に損害を与えた場合は損害を賠償する責任があり、人を傷つけた場合は業務上過失傷害の刑事責任を負うことになるのだ。

 また、交通事故を起こした運転者は「1.ただちに停車し、2.負傷者の救護を行い、3.道路の危険を防止する措置をとり、4.警察に事故を報告すること」が道路交通法第72条で義務づけられている。

■事故報告義務と負傷者の救護措置義務は絶対!

  “事故が道路上で起こったかどうか、公道か私道かにかかわらず”交通事故を起こした場合は警察への事故報告義務と負傷者の救護措置義務が発生するが、この義務を怠ると罰則がある。

■事故報告義務違反
 3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金

■救護措置義務・危険防止義務違反
 人身事故の場合は、事故車両の運転者に対し5年以下の懲役または50万円以下の罰金。加害車両の運転者に対し10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。物損事故の場合は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金

 この救護措置義務は、交通事故発生が自分に責任があるかどうかは関係なく、事故の当事者となった車両の運転者等すべてに課される。人にぶつかる寸前で回避したが、相手が驚いて転倒し受傷しても責任は発生する。

■公道以外、道路外で事故に……

 自動車保険については、公道以外の事故も保険事故となって補償の対象にはなっているが、警察への事故報告を怠ると“交通事故証明書”の交付を受けられない。当然、保険金の請求ができなくなってしまうこともあり、警察への事故報告はお忘れなきよう。

 だが、道路外で事故が発生した場合、その事故は交通事故として扱われないので交通事故証明書は発行されない。この場合は“人身事故証明書入手不能理由書”を作成して、任意保険会社に提出すれば保険対応が可能になる。

 道路外で事故を起こして他人を傷つけた場合は、違反点数制度の適用がないので違反点数をつけられての運転免許停止や免許取消になることは基本的にはない。

 ただ、道路外での事故だからといって、刑事責任まで問われないわけではないのでここは知っておきたい。

 今回は私道での事故について説明したが、事故が起こったら「公道か私道か? 道路か道路外か? 道路交通法が関係ないなら……」などの前に、自身の果たすべきことだけはすぐに行いたいもの。


引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/788243


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