ショッピングモールの「入口・出口規制」従わないと“違反”になる?「法的な見解」は? なぜ「独自ルール」が必要なのか聞いてみた!
口コミを書く
口コミを見る
くるまのニュース
お店が「独自に」規制しているルールも存在
クルマを運転していると、大型スーパーの駐車場出口に「右折禁止」の案内板があったり、駐車場を出てから大きな道に出るまでの「順路」が指定されている場面に遭遇することがあります。
なぜこのように「出入口の規制」を行っているのでしょうか。また、従わなければ交通違反になってしまうのでしょうか。
筆者(大西トタン)の自宅近くには、駐車場の出口が片側1車線の道路に面しているショッピングセンターがあります。
ここでは駐車場を出る際は「右折禁止」となっており、必ず左折して道路を左方向に進むよう、出口に案内が掲げられています。
また、立体駐車場の出口が側道に面している別のスーパーでは、「側道から本線には合流せず、そのまま側道を進んでください」との案内が出ています。
こうした店舗での規制には2つのパターンが存在し、ひとつは、駐車場を出た先の道路が一方通行、あるいは店前の交差点が転回禁止など、実際に交通規制されているパターン。これは当然のように、従わないと交通違反に該当します。
もうひとつは、店舗が独自にルールを指定し規制しているパターンで、こちらは仮に従わなかったとしても交通違反にはなりません。
“側道から本線への合流を禁止”しているスーパーと店舗前の道路状況について、地域を管轄する警察署に確認したところ、その側道から本線への合流地点には「右折禁止」や「合流禁止」などの交通標識は無いため、合流しても交通違反には該当しないとのことでした。
では、なぜ店舗は独自に駐車場出口のルート規制を行っているのでしょうか。
店舗が「独自のルート規制」をする理由とは
先述の道路規制を行っているスーパーに問い合わせたところ、「事故の防止とともに渋滞の発生を避けるため、駐車場を出てすぐの場所で本線に合流しないようお願いしています」との回答がありました。
また、別の家電量販店では、車道から「右折して駐車場に入る」のを禁止していますが、これについても「事故や渋滞が生じるのを避けるため」とのこと。
対向車線を横切っての右折は、不用意に行えば対向車やバイク、自転車にぶつかったり、右折待ちによる渋滞を引き起こしたりする可能性があります。
そのため、このような場所ではあらかじめ“右折入庫を禁止”することで、トラブルを避けることができる――ということです。
※ ※ ※
このように、店舗が独自に駐車場の出口を規制している場合であっても、交通標識に合致した動きである限りは、たとえ案内に従わなくても交通違反にはなりません。
しかし、これらのルールは周辺の道路状況を熟知している店舗が、安全のためを考えて設けているルールです。
そのため、やはり案内に従って指定ルートのとおりにクルマを進めることが推奨されます。