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技量不足よりも「焦り」「怒り」こそ重大な交通事故のもと! それぞれドライブ中の有効な対処法を考えてみた
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WEB CARTOP より

事故は必ずしも運転技量が未熟だから起こるわけではない


「運転技量が未熟だから事故を起こす」というのはおそらく真理であるとは思うものの、実際の路上においては運転技量ではなく「焦り」こそが、ドライバーが起こしてしまう交通事故の主たる原因なのではないかとにらんでいる。
いや、学術的に調査研究したわけではないので「にらんでいる」だけなのだが、たぶん大ハズレはしていないのではないかと思う。

 免許を取って1カ月ぐらいのド下手なドライバーであっても、超絶慎重に運転しさえすれば、ドライバーに起因する交通事故というのはそうそう起こるものでもない。
だが、運転時間2万時間を超える「俺は運転が上手い」と思っているベテランドライバーであっても、焦った状態で「先急ぎ運転」をしてしまうと、思いのほか容易に事故を発生させてしまうものだ。
最悪の場合には「人身事故を起こしてしまった……」などという事態になる可能性もゼロではないだろう。いやゼロではないどころか、けっこうな可能性があるかもしれない。



 普段は安全運転に徹している真面目なドライバーでも、仕事などの「超大切な約束の時間」に遅れそうになると、いきなり「先急ぎ運転マン」に変身してしまうことがある。
そうなるとアクセルを踏みすぎ、微妙な黄色信号(ほぼ赤)を突破し、対向車とは微妙な距離なのに、「うぉぉぉぉぉ!」とばかりにやや強引な右折を敢行する。……ヤバい状態である。危険である。



「大丈夫! 俺は上手いから! こんな状態でも、一応全部見えてるから!」と、そのドライバーは言うのかもしれない。

 確かにお上手なのだろう。だが、「うぉぉぉぉぉ!」と強引に右折したその先で、たとえば小学校1年生ぐらいの可愛い双子ちゃんが横断歩道を渡っていないかを、焦りまくっているあなたは「俺が見落とすことは絶対にない」と断言できるのか? 
そして仮に運悪く双子ちゃんが横断歩道を渡っていたとして、あなたは本当にハミルトンかアロンソ並みの反射神経とテクでもって、それを避けることができるのか?



 ……たぶんできないだろう。いや「自称・上手い人」なので98%は避けられるのかもしれない。
だが残る2%の確率がたまたま現れたとき、自称・上手い人の人生は破滅するのだ。いや自称・上手い人の人生など筆者の本音としてはどうでもいいのだが、この場合は双子ちゃんとその親御さんが不憫でならない。
書いていて泣けてくる。

運転手に心の乱れに起因する事故も多い


「焦り」も安全運転の大敵だが、それとおおむね同レベルで大敵なのが「怒り」だ。

 同乗者(主には恋人や配偶者)と、車内で派手な口喧嘩になった。きわめてムカつく。
あるいは、けしからんドライバーから煽り運転に近い行為をされた。ムカつく。
実際にやりはしないが、ぶん殴ってやりたいとは思う。



 ……というような心理状態に陥ったドライバーは、前述の焦りまくっているドライバーと同種のミステイクを重ねる危険性に満ちあふれている。

 むしゃくしゃしたあまり、普段は絶対に行わない珍妙な場所で急激なUターンをカマし、いわゆるU禁で検挙される。
いや、検挙されるだけならまだいいが、急激Uターンの後半セクションにて、前述の「双子ちゃん」を巻き込んでしまう可能性すらあるだろう。カームダウン、とにかくまずは落ち着きたまえ。



 とはいえまだまだそのドライバーはむしゃくしゃし、怒りの感情に覆われているようだ。
……あぁ、言わんこっちゃない。むしゃくしゃ系ドライバーAはイエローラインをカットしたことで白バイに捕まっており、むしゃくしゃ系ドライバーBは怒りのあまり黄色信号(ほぼ赤)を突っ切ろうとしたが、歩道の青信号にしたがって歩行者が横断歩道を渡り始めたため、交差点内で急ブレーキをかけて停止した。とりあえず事故がなくて何よりだったが、一歩寸前であったな。

 ……なんてことを思っていたら、前方を走る背の高いトラックを至近距離から煽りまくっていたセダンのドライバーCは、トラックの陰になっていて見えていなかった赤信号を無視して交差点を突っ切っていってしまった。
そしてその先でいわゆる直ドリ状態に陥り、派手に自爆したようだ……。



 以上のとおり、クルマを運転するにあたって「焦り」「怒り」などの心の乱れは、かなりの大敵である。
ゆえに我々は、その発生を確実に予防しなければならない。

 焦りの予防は比較的カンタンだ。「とにかく早めに出発する」というクセをつけるだけで、物事は9割方解決するだろう。
時間的な余裕がたっぷりあれば、「焦り」など生じようがないからだ。

 ただし、早めに出発したとしても、予期せぬ事故渋滞や突発的な工事渋滞などにより、約束の時間に遅れそうになってしまうこともある。



 そんなときは、とりあえず焦ってぶっ飛ばせば間に合うはずだ……というのは大嘘で、そんなときでも決して焦ってはいけない。
遅刻しても構わないので(安全な場所から「遅れます、申し訳ない」という旨の連絡を入れましょう)、とにかく安全運転に徹することが重要だ。
その約束がどれだけ大事なものであったとしても、「自分が死なず、殺しもしない」ということ以上に重要であることなど絶対にないからだ。

 そして、「怒りの感情」に包まれてしまったときは……なかなか対処が難しいのだが、筆者が取っている方法は「より本質的に怒るべき対象について考えてみる」というものだ。
無礼なドライバーに煽りにも似た行為をされれば、筆者も人間なので腹は立つ。「この野郎、どうしてくれようか?」とも思う。



 だがそんなときでも、自車の前方や後方などにいる無礼なドライバーのことではなく、たとえばいまこの瞬間、世界各地の戦場でどえらい目に遭っている人々のことを思うと……目の前のしょぼい失礼な奴のことなど、ある意味どうでもよくなるのだ。

 怒りの感情を効果的に蒸発させる方法は各自でそれぞれお考えいただきたいが、いずれにせよ、クルマというのはどえらい素晴らしいものであると同時に、どえらい危険なモノでもある。
それゆえ「とにかく運転中は心を乱さず、ご安全に!」というのが、筆者の言いたいことのすべてだ。


引用元:https://www.webcartop.jp/2024/01/1268288/


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