油断すると「ツルっと滑る」 黒い悪魔「ブラックアイスバーン」 早朝&夜は特に注意! JAFが語る注意点とは
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くるまのニュース より
黒い悪魔「ブラックアイスバーン」の恐怖とは
寒くなる時期に一見何もないような場所でクルマやバイクがスピンすることや、歩行者が転倒することがあります。
このような場所は「ブラックアイスバーン」と呼ばれる状態になっている可能性があります。
路面上の水分が凍結した状態のことをアイスバーンと呼びますが、その中でも「ブラックアイスバーン」は見分けが難しいので注意しなければいけません。
ブラックアイスバーンは、どのようなことに注意して走行すれば良いのでしょうか。
アイスバーンとはいわゆる路面凍結のことであり、雨や雪が降った後に急速に冷え込んで凍結して滑りやすい状態のことをさします。
そんなアイスバーンの中でも、一見すると濡れたアスファルト路面のように黒く見えるもののことをブラックアイスバーンと呼びます。
ブラックアイスバーンとは、道路に積もった雪が一度溶けてから再度凍結し、黒い道路の表面に薄い氷が張っている状態です。そのため、目視での確認が難しくなっています。
単純に濡れているだけだと判断して速度を落とさずに侵入した場合、タイヤが十分なグリップをできずにスリップし、大事故につながる恐れがあります。
加えて、ブラックアイスバーンが発生している状態では制動距離がかなり長くなるため、通常通り運転していても思うように停車できない可能性も高いです。
時速40kmから急ブレーキを踏んだ場合の制動距離は69.5mであり、これよりもスピードが出ている場合は制動距離もさらに伸びます。
また、ブラックアイスバーンの他にも、アイスバーンにはいくつかの種類があります。
積雪している地域で行き交う車によって踏み固められたアイスバーンのことを圧縮アイスバーンと呼びます。こちらは比較的確認がしやすいです。
他にも、アイスバーンが発生している状態で車が表面を削り上げて、鏡のように光が反射しているミラーバーンなどがあります。
各地域の積雪量や気温・交通量によってアイスバーンのできやすさや種類も異なるので、日常的に降雪する地域では特に注意しておきましょう。
それではアイスバーンは、いつ、どのような場所で発生しやすいのでしょうか。
アイスバーンは道路に積もった雪が一度溶けた後に再び凍結することで発生するので、降雪した後、日中の気温が上がった日の夜などに発生しやすいです。
アイスバーンが発生しやすい場所については、JAFの広報担当者が次のように話しています。
「アイスバーンが発生しやすい箇所の特徴として、風が吹きさらしで凍結しやすい陸橋やトンネルの出入り口、道路の日陰などが該当いたします」
道路上で常に日陰になっている部分は一度路面凍結するとなかなか溶けないのに加えて、光量が少ないのでブラックアイスバーンが発生しているか確認が難しいです。
気温が上がりにくい場所である橋の上やトンネルの出入口もアイスバーンが発生しやすいです。
橋の上は下からの風の影響で熱を奪われやすく、トンネルの出入口は強風が吹きやすいので危険です。
他にも、ブラックアイスバーンを始めとする各アイスバーンはクルマの交通量が多い場所で起きやすい傾向にあるため、交差点や一時停止場所など車の発信や停止が多くおこなわれている場所には注意しましょう。
ブラックアイスバーンを走行する時に注意するべき点は?
一般的には降雪地域でアイスバーンが発生すると考えられていますが、実際には降雪していなくても、降雨で路面が濡れた後に凍結して発生する場合もあります。
では、ブラックアイスバーンが発生するおそれのある場所を走らなくてはならない場合、どのように運転すれば安全に通れるのでしょうか。
まず、路面に雪が残っている状態や濡れている状態では制動距離が長くなるため、スピードを落とすのに加えて車間距離を確保することが大切です。
普段通りに運転していると何気なくブレーキを掛けた際に想像以上の距離で動いてしまう可能性も考えられるので、そうならないためにも普段よりもスピードや車間距離への意識が必要です。
安全運転している状態でも急加速や急停止はクルマのコントロールを失うので、急な操作をせずにゆっくりと停車したり、加速する際にも少しずつ上げるようにします。
もしも、タイヤが滑ってしまったとしても、焦ってハンドルを大きく回さずに、ブレーキを踏みながら最低限のハンドル操作でタイヤのグリップが回復するのを待ちましょう。
また、滑っている状態でブレーキを強く踏み込み過ぎると安全装置の1つである、ABS(アンチロックブレーキシステム)が働いて結果的に制動距離が伸びる可能性も考えられます。
※ ※ ※
路面凍結していると制動距離もかなり長くなるので、車間距離を空けて安全運転する意識を持ちましょう。
運転中にコントロールを失うと焦ってしまいがちですが、慌てた行動はさらに大きな問題に発展するおそれがあるので、冷静な対処が必要です。