駐車場の地面に黒いシミ…クルマから出て「大丈夫な液体」と「大丈夫じゃない液体」
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ベストカーWeb より
クルマから漏れたと思われる液体が、駐車場でシミのように広がっていることを見たことはありませんか??
クルマから漏れる液体には、出ても大丈夫な液体とよくない液体がありますが、なかには直ちに対処するべき液体もあり、苦手な人にとっては判断が難しいもの。
クルマから出てもいい液体とよくない液体の見分け方についてご紹介します。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_ NongAsimo
写真:Adobe Stock、写真AC
出てもいい液体は「水」だけ
結論からいうと、クルマから出てもいい液体は、無色透明かつ粘り気のない「水」だけです。
しかも排出される箇所は、助手席の下あたり、もしくはマフラー排気口の二か所のみ。
助手席の下あたりからの水であれば、エアコンのドレーンからの排水で、エアコンを使用した際にエバポレーターで除湿された水分が外部へ排水されたもの。マフラー排気口からの排水は、排気ガスに含まれる水分が、エンジンの排気圧力でマフラー排気口から垂れたもので、どちらも問題ありません。
さらっとしていても、赤や緑、青などの色がついている液体や、黒や茶色で粘り気がある液体がクルマから漏れていたら、どこかがおかしいと考えてください。
色や状態が判別できない状況でも、上記2箇所と明らかに違う場所から排出されていたら、出てはいけないところから出ていると考えていいと思います。
エンジン下から色付の液体が漏れていたら、すぐにリザーバータンクの確認を!!
エンジンルームの前側やフロントグリル付近から漏れていて、なおかつ赤や緑、青などの色がついた液体の場合、クーラント液である可能性が高いです。
エンジンの冷却水であるクーラント液の成分は90~95%がエチレングリコールで、残りは防錆剤や水、そして他の液体と識別するための染料など。
クーラント液が漏れ出てしまうと、エンジンがオーバーヒートする原因になってしまうため、クーラント液が漏れているかもと思ったら、すぐにエンジンルームを開けてリザーバータンクの目盛りを確認し、残量が下限を下回っていないかを確認してください。
クーラント液には有毒物質も含まれていますので、屋内ガレージで発見した場合は、念のため換気も必要です。
黒や茶色の液体がエンジン真下から漏れていたら、クルマを動かさずにロードサービスに連絡を!!
エンジンルームの真下から、黒もしくは茶色の液体が漏れているなら、それはエンジンオイルである可能性があります。
すぐにオイルゲージでエンジンオイルの残量をチェックし、下限を下回っているようならば、クルマを動かさずに、すぐさまロードサービスなどへ助けを求めましょう。
残量が不足していなくても、液漏れがエンジンオイルである可能性があるならば、早めにディーラーやカーショップなどの専門店でみてもらうようにしてください。オイル漏れは、放っておいて直るものではありません。
後輪駆動車や4WDの場合は、ミッションオイルもしくはデフオイルが、シフトレバー下や、後輪車軸左右の中央などから漏れることもあります。
エンジンオイルもミッションオイルもデフオイルも、オイル特有のニオイがあるため、比較的発見しやすいですが、地面に滴り落ちずに滲んでいる程度の場合など、気づくことが難しい場合もあります。
ガソリン臭がする場合は、ただちに車から離れて!!
また、タイヤ付近から液体が漏れている場合は、ブレーキフルードの可能性があります。
ブレーキフルードが漏れると、ブレーキペダルの踏み代が深くなったり、ブレーキが利きにくくなります。
ブレーキの異常は事故の原因に直結しますので、少しでもブレーキの踏みごたえに違和感を覚えたら、カーディーラーや専門ショップに早めにみてもらうようにしてください。
ちなみに、新品時のブレーキフルードは、一般的にほぼ透明に近い黄色をしていますが、劣化が進行すると、より黄色が濃くなり、その後茶色、最後には黒へと変色します。
そして、クルマから一番漏れてはいけない液体は、ガソリンなどの燃料です。
ガソリンは特有の強烈なニオイがしますので、すぐに判別できると思います。
燃料漏れを発見したら、絶対にクルマを動かすことなく、急いでクルマから離れ、至急JAFや自動車整備工場などに連絡してください。
新しいクルマでも起こりうる
「エンジンのないバッテリーEVはオイルがない(=交換するものがないからメンテナンス代が安い)」と考える人もいるようですが、確かにバッテリーEVにはエンジンオイルやトランスミッションオイルが不要ですが、減速機オイルやブレーキフルードなどのオイル系は搭載されていますし、冷却水、ウォッシャー液なども必要。
エンジンのあるクルマよりも(駆動用バッテリー以外の)メンテンナンスが安く済む傾向はありますが、定期的な点検や交換が必要ないわけではありません。
また、オイル漏れが起きるのは古めのクルマのことに感じるかもしれませんが、比較的高年式(年式が新しい)のクルマであっても、何かの拍子で、オイル漏れを起こすことはあります。
不穏な液漏れを発見した場合には、ただちにディーラーや整備工場、JAFなどに連絡するようにしてください。