フロントガラスの「謎の黒いツブツブ」はどんな意味? 地味に視界に入るけど… ドライバーには必須なアイテムだった?
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くるまのニュース より
視界に入る黒いツブツブとは
クルマによっては、フロントガラスの上部に見られる黒い点々の模様。
シールのようにも見えますが、いったい何のためについているのでしょうか。
時代とともに進化しているクルマのフロントガラス。衝撃に耐えるように合わせガラスが義務化されたほか、一部の高級車では合わせガラスの間に防音効果のある中間幕をはさむなど、その機能は高まるばかりです。
そんなフロントガラスのルームミラーが付いている位置に、ルームミラーよりひと周り大きな面積で「黒い点々」模様が施されていることがあります。
ドレスアップのようにも見えますが、いったい何のためについているのでしょうか。
この黒い点々の正体は「センターバイザー」といい、運転中に太陽光からドライバーの目を守るものです。
前方からの光が眩しいときにサンバイザーを使いますが、運転席と助手席のサンバイザーを下げても、その間にあるルームミラーの部分は覆われないので光が漏れてきますが、
そうした光を遮るのがセンターバイザーです。
センターバイザーについて、自動車整備士は次のように話します。
「センターバイザーは前方からの太陽光をルームミラーのあたりで抑えるために用いられます。
また、黒い点々であることにも意味があります。
フロントガラス自体が以前より大きくなり、ドライバーがまぶしさや熱の影響を受けやすいからこそ、視界や車内の開放感を保つためにフィルム状ではなく点々の形状で装備される必要があります。
そのため、これらは剥がすことはできないものとなっています。
過去に群集恐怖症のお客様が剥がしたいとの依頼を受けましたが、お応えできませんでした」
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センターバイザーはフロントガラスの機能の一部となっており、現在ではほとんどの新車に装備されているようです。
黒いツブツブって何で出来てる? 実はただのシールではない!
では、センターバイザーはどのようにガラスについているのでしょうか。
センターバイザーの素材は黒いセラミックです。この黒セラミックをガラス内面に焼き付けているのです。
そのためセンターバイザーを剥がすことはできません。また、上からドライブレコーダーなどを貼り付けても問題はないようです。
さらに、太陽光を遮る黒セラミックはセンターバイザーに使われているだけではありません。
フロントガラスの縁に焼き付けることで、ガラスの接着剤を紫外線から保護しています。
こうした黒セラミックは、徐々に点々を小さくするなどデザイン性をもたせていることがあります。
なお、最近は運転支援システムが普及したことから、ルームミラーの周辺にステレオカメラや赤外線レーザーなど多くの機器が取り付けられるようになりました。
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センターバイザーのように、クルマのフロントガラスには、普段は気にすることもない一方で、実はドライバーの安全を守る大切な装備が施されているケースがあります。
ほかにも、2010年以降に販売されているホンダ車の多くには、フロントガラスの両端に小さな三角の印がつけられています。
これは、ドライバーが2つの三角の頂点を結ぶラインを無意識に認識することで、運転中の視線移動が安定するという効果があります。これにより、車幅感覚を掴むことができるというものです。