「ハイビーム推奨」だけどローに切り替えないと罰則もアリ! 悩ましい切り替えタイミングとは?
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WEB CARTOP より
暗い道や高速ではハイビームを推奨
本格的に秋になり、夜の長い季節になってきた。当然、ヘッドライトを点ける時間も長くなるわけだが、ひとつ問題になるのはハイビームとロービームの使い分け。
警察庁では「夜間、街灯が少ない暗い道などを走行する時は、前照灯を上向き(ハイビーム)にすることで歩行者や落下物などを遠くから発見することができ、早期の事故回避措置が可能」と、積極的なハイビームの利用を奨励している。
実際、保安基準でのハイビームの性能基準は、「夜間にその前方100mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有するもの」。ロービームの性能基準は、「夜間にその前方40mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有するもの」とあるので、照射距離には2倍以上の差があり、ハイビームを活用することで危険や異変の早期発見に大いに役立つ。
こうしたことから、免許更新時の講習会で配られるテキスト=「交通の方法に関する教則」も手直しされ、2016年から「夜間の灯火の方法関係」が下記のように一部改正となった。
交通の方法に関する教則 (一部抜粋)
○ 第6章 危険な場所などでの運転
前照灯は、交通量の多い市街地などを通行しているときを除き、上向きにして、歩行者などを少しでも早く発見するようにしましょう。ただし、対向車と行き違うときや、ほかの車の直後を通行しているときは、前照灯を減光するか、下向きに切り替えなければなりません。
交通量の多い市街地などでは、前照灯を下向きに切り替えて運転しましょう。また、対向車のライトがまぶしいときは、視点をやや左前方に移して、目がくらまないようにしましょう。
○ 第7章 高速道路での走行
夜間は、対向車と行き違うときやほかの車の直後を通行しているときを除き、前照灯を上向きにして、落下物や交通事故などにより停止した車を少しでも早く発見するようにしましょう。
というわけで、郊外、とくに高速道路を走る際は、対向車と行き違うときやほかのクルマの直後を通行しているときを除き、ハイビームで走るのが原則だと思っていい。
では対向車や前走車がいる場合、どのぐらいの距離まで近づいたら、ロービームに切り替えるべきなのか。
JAFがオートハイビームのクルマの切り替え距離をテスト
最近は、オートハイビーム(前方の状況に応じて自動的にハイビームとロービームを切り替える「自動切替型前照灯」)を備えたクルマが増えてきているが、このオートハイビームの切り替わりタイミングがひとつの目安になるはず。
JAFの行なったテストによると、対向車(乗用車)が近づいてきた場合、約750m手前でロービームに切り替わり、先行車がいた場合は、約580m~670m手前でハイビームからロービームに切り替わったとのこと(タイプの異なる3台のオートハイビーム車によるテスト)。
というわけで対向車なら750~800mぐらいの距離で、前走車なら600~700mの距離まで近づいたらロービームに切り替えればとりあえずOK。
高速道路で、中央分離帯によって対向車の光が遮られている区間であれば、対向車がいてもハイビームのまま走行し続けても差し支えない。
ちなみにハイビームで走行可能な条件の道を、ロービームのまま走ったとしても罰則はないが、対向車とすれ違うときに、ハイビームをロービームに切り換えるなどしなければ、「減光等義務違反」として違反点数1点、反則金6000円(普通車)が科されるので要注意。
ヘッドライトがハロゲン電球の頃は、ロービームとハイビーム、あるいは点灯・消灯を小まめに繰り返すと、電球の寿命が短くなるといわれたが、長寿命のLEDならそんな心配は不要なので、交通量の少ない暗い道は原則としてハイビーム。
対向車や前走車がいたらロービームに切り替え、オートハイビーム機能があるクルマなら、オートハイビームに設定しておくのがベターだろう。