タイヤの溝に小石が!! 取りたいけどホントにイイの!? 異物の正しい撃退法とは
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ベストカーWeb より
気がつくとタイヤの溝に小石が挟まっていた。こんな経験のある人も多いだろう。ところで、この小石は自分で取り除いてしまっていいのか? それともプロに頼む? 今回はそんな疑問について考えていこう。
文/長谷川 敦、写真/写真AC、ミシュラン、Adobe Stock
タイヤに挟まるのは小石だけじゃない?
クルマを運転中にタイヤからの異音に気がつき、チェックしてみると溝の間に小石が食い込んでいる。たとえ舗装路しか走っていなくても、こういったケースはままある。
小さな小石であればそこまで心配はないが、室内まで異音が聞こえてくるような大きさの石ならそれは除去するほうがよい。
しかし、食い込んでいたのが小石ならまだいいが、これがネジやクギだった場合には要注意だ。これらはタイヤをパンクさせる要因になりうる。
もちろん、小石だってサイズや形状によっては注意する必要がある。だが、タイヤの溝に食い込んだこれらの異物は、自分で取り除いてしまっても問題ないのだろうか? そしてそもそも、異物を除去するにはどんな道具を使えばいいのか?
続くコーナーでは、異物除去の可否とその方法について見ていきたい。
タイヤの異物は除去すべきか?
タイヤに何かが挟まっているとき、ドライバーの心情としてはこれを速やかに取り除きたい。とはいえ素人が迂闊に手を出してタイヤを傷つけてしまうと事態はもっと悪くなる。
でも、そのまま走り続けるのも不安なのは事実だ。ということで、ここからはより詳細にタイヤに挟まった異物の処理法を考えよう。
まずはタイヤの溝に食い込んだ小石について。
問題の小石を見て、タイヤの溝に対してそこまで大きくないのであれば、基本的に運転手本人が取り除いても大丈夫だ。
そして挟まっているのが大きな石だった場合。このケースでは、おそらくかなりガッツリと食い込んでしまっているはずだ。
こうした場合はカーショップやディーラーなどに相談するのが安全かつ安心だ。なるべく石の食い込んだタイヤでの走行は控えて、スペアタイヤに交換したクルマでショップまでタイヤを持って行くのがよいだろう。
タイヤにクギやネジが食い込んでいる、正確にいうなら刺さっている場合は素直にプロの手にゆだねるのがお薦めだ。
たとえうまくクギを抜くことができても、その直後に空気まで抜けてタイヤはペチャンコになってしまう。
このケースではタイヤの穴補修も必要になるので、安全な方法でショップまでタイヤを運びたい。
どんな道具で異物を除去するのか?
ここからは自分で異物を取り除く場合の道具を紹介する。
●マイナスドライバー
たいていの家庭にあって、なおかつ汎用性の高いのがマイナスドライバーだ。
もちろん本来はネジの着脱に使う工具だが、マイナスドライバーの先端を小石の下に挿し込んで、そのままテコのように持ちあげれば小石を外せる。
しかし、ガッチリ食い込んでいる小石はスムーズに外せないこともある。ここで無理にコジってしまうとタイヤを傷つける可能性もあるため、難しいと思ったら作業をそこで止めて専門家に任せよう。
また、マイナスドライバーの先端は鋭利になっているので、くれぐれもタイヤを傷つけないよう慎重に作業を進めてほしい。
●専用小石リムーバー
実はタイヤに食い込んだ小石の除去用に作られたツールがある。それが小石(ストーン)リムーバーだ。
小石リムーバーにはいくつかの形状があるが、基本的には先端が変形したドライバーといったところ。瓶のコルク抜きに似た形状のものもある。
この小石リムーバーを使えば、マイナスドライバーでは取れなかった小石も除去できることが多い。
ただし、小石リムーバーの価格はそれなりにするので、普段めったにやらない小石除去のためだけに購入するものやや躊躇してしまう。
よく利用する道路に小石が多く、タイヤに挟まりやすいというのであれば持っておいて損はない。
●ラジオペンチ
先端が細くなったペンチ、いわゆるラジオペンチも小石の除去に使用できる。
食い込んだ小石をラジオペンチの先端でつかみ、そのまま引き抜いてしまう。あるいはラジオペンチの先端をマイナスドライバーのように使って小石を外すという方法もある。
マイナスドライバーほどではないが、やはりラジオペンチの先端でタイヤを痛めてしまう可能もあるので、作業には注意が必要だ。
スタッドレスタイヤの小石除去
最後はスタッドレスタイヤの保管前に行う小石の除去を紹介したい。
降雪時や氷結路面に効果を発揮するスタッドレスタイヤは、シーズンが終わるとノーマルタイヤに交換して保管することになる。
その際にはタイヤの溝に挟まった小石を取り除いておくことを推奨する。
スタッドレスタイヤのトレッドには非常に細かい溝(サイプ)があり、この溝に小さな石が食い込んでいることが多い。
この石が詰まったまま保管すると、サイプが変形してしまい、次に使用するときに本来の性能を発揮しない。
少々めんどうな作業ではあるが、マイナスドライバーなどを使って保管前にサイプを取り除いておくとよい。
走行中にタイヤトラブルが発生するとかなり危険だ。一見なんでもないように思える小石がこうしたトラブルを誘発する可能性も無視できない。
日頃からタイヤの状態に気を配り、溝に食い込んだ異物を見つけたらすみやかに対処することを心がけたい。