クルマのリアガラスに付いている「謎の線」何のため? 無くても良いの? 使うのはいつ?
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くるまのニュース より
なぜリアガラスには「謎の線」付いているの?
クルマのリヤガラスをよく見ると、一定の間隔で黒い線が並んでいます。
遠目からだと分かりにくいこの線ですが、一体何のために付いているのでしょうか。
普段あまり意識しませんが、クルマのリヤガラス(後部ガラス)をよく見ると、一定の幅で黒い線が並んでいます。
SNS上では「クルマの後ろの窓にある黒い線ってなんだろう?」と疑問の声が複数寄せられており、この横線の機能について知らないドライバーもいるようです。
多くのクルマに備わっているこの横線ですが、一体何のために付いているのでしょうか。
実は、この黒い横線は「リヤウインドーデフォッガー」と呼ばれる電熱線です。
デフォッガー(英語でDefogger)は「車の窓や鏡などの曇り除去器」を意味しており、窓ガラスの内側に貼り付けられた電熱線によってガラスを暖めて曇りや霜をとる役割をしています。
冬場で車外の気温が低いときや、雨の日などはリヤガラスが曇ることがありますが、そのような場合は四角形の中に3本の波形の矢印が描かれたマークのボタンを押すと、リヤウインドーデフォッガーが作動し、次第に曇りが取れていきます。
このボタンはメーカーや車種によって「リヤウインドーデフォッガースイッチ」や「リアデフォッガースイッチ」などと呼ばれ、マークの下に「後ろ」を意味する「REAR」の文字が入っていることもあります。
日産「ノートオーラ」の取扱説明書にある「リヤガラスのくもりの取りかた」というページでは、使用方法に関して次のように記載されています。
「リヤウインドーデフォッガースイッチを押すと約20分間作動し、バックドアガラスの熱線が暖まります(リヤウインドーデフォッガースイッチの表示灯が点灯)」
「止めるときは、もう一度スイッチを押します(リヤウインドーデフォッガースイッチの表示灯が消灯)」
さらに、使用上のアドバイスとして「連続して長時間使用しないでください。消費電力が大きいためバッテリーあがりの原因になります」とも掲載されています。
同様にトヨタ「プリウス」の取扱説明書においても、リヤウインドーデフォッガーが約15分で自動的にオフになる旨が説明されており、長時間の使用には向かないことが分かります。
また、フロントガラスにも曇りを除去する装置が備わっています。
それは「(フロント)デフロスタースイッチ」であり、扇形に3本の波形の矢印が描かれたマークや、前部を意味する「FRONT」の文字が書かれています。
このスイッチを押すと除湿機能が作動し、風量が増えるためフロントガラスの曇りが取れます。
しかし、こちらのデフロスター機能も消費電力が多いため、自動でオフにならない場合には長時間利用しないように注意しましょう。
なぜ窓は曇るのか? クルマで重要な「外気導入」の賢い使い方とは
一般的に窓ガラスが曇るのは、空気中の水蒸気が凝結して水滴に変わる「結露」が原因です。
空気中に含むことのできる水蒸気の量は気温が高くなると増加し、気温が低くなると減少します。
例を挙げると、冬場はエアコンで車内が暖められて空気中に多くの水蒸気を含むことができますが、反対にフロントガラスは外気によって冷やされるので、その温度差によって結露が発生します。
そのため、冬場にデフロスター機能を使用する場合は車内の空気を循環させる「内気循環」ではなく、乾燥した外気を取り込む「外気導入」モードにすることが推奨されています。
ただし梅雨時期や雨のときは車内よりも外気の湿度が高く、外気導入をするとかえってガラスが曇ってしまう可能性があります。
そのため、エアコンと内気循環を併用して曇りをとるなど、その時々の状況に応じて対策を講じる必要があります。
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最近はバックカメラを搭載しているクルマが多いとはいえ、リヤガラスの曇り・霜によって後部が見えなくなるとバック時の駐車や周囲の状況確認に支障が出る可能性があります。
利用する場面に合わせながらリヤウインドウデフォッガーを活用してみると良いかもしれません。