道交法だけじゃ足りない! ドライバーが知っておくべきクルマに関する法律4つ
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WEB CARTOP より
道路交通法以外にもクルマに関わる法律があった
運転免許を持っているということは、交通ルールについて十分な知識と理解があることの証明ともいえる。
当然ながら、多くのユーザーが交通ルールとして認識している規則の多くは「道路交通法」によって定められていることも認識しているはずだ。
「赤信号は止まれ」というのは子どもでも知っている交通ルールの基本だが、そうしたルールを定めているのは道路交通法である。
もちろん、運転免許の根拠となる法令も道路交通法だ。
では、自動車に関する法律としては道路交通法だけを把握しておけば十分なのかといえば、そういうわけにはいかない。
小排気量の二輪などを除くと、日本で公道を走っている車両のほとんどに「車検」が義務付けられているが、その根拠となっているのは「道路運送車両法」である。
違法改造という言葉もあるが、基本的には道路運送車両法に対して違反しているかどうかが、違法改造の判断基準となるといってもいい。
ある意味、公道を走るためのレギュレーションを定めているのが道路運送車両法だ。
というわけで、自動車ユーザーが知っておくべき主たる法律というのは運転のルールブックたる「道路交通法」と、車両のレギュレーションブックである「道路運送車両法」といえるのだが、じつはこのふたつ以外にも重要で覚えておくべき自動車関連の法令は存在している。
たとえば、最新の自動車レギュレーションに欠かせないのが環境性能だが、とくにディーゼルエンジンにおいてはNOxやPMの排出を減らすことが課題となっている。
そこに特化した法令として、平成4年に生まれたのが「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」だ。
名前のとおり、道路運送車両法によって定められた自動車(大型特殊自動車及び小型特殊自動車を除く)が、その運行に伴って排出する窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)の排出について規制するという内容となっている。
同様に、自動車の環境負荷に関する法令としては、平成14年に制定された「使用済自動車の再資源化等に関する法律」もある。
これは通称「自動車リサイクル法」と呼ばれているもので、車体を解体したあとの再資源化や、フロンの回収などを定めた内容となっている。
クルマの購入時に「リサイクル料金」をオーナーが負担する根拠となっている法令でもある。
決して一般ユーザーに無縁の法律ではないのだ。
刑法から独立した法律も10年ほど前に制定された
クルマの購入時といえば、車庫証明が必要になるのはベテランオーナーであれば承知しているところだろう。
クルマ購入と駐車場の確保はセットでなければならない。
こうしたルールの根拠となっているのが「自動車の保管場所の確保等に関する法律」で、なんと昭和37年に制定された古い法令だ。
その第一条には次のように記されている。
“この法律は、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づけるとともに、自動車の駐車に関する規制を強化することにより、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的とする。”
いまでは考えられないことだが、昭和の時代には公道上を駐車場代わりに使う「路上駐車」がまかり通っていた。
それでは円滑な通行を阻害するということで、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」が生まれたのだ。
最後に、自動車の安全に関わる重要な法令を紹介しよう。
いわゆる交通死傷事故に関する報道おいて「業務上過失致死傷」という罪状を聞いたことがあるだろう。
これは「刑法」によって定められているものだ。
さらに、飲酒運転など悪質な交通事故に対する社会的な批判に応じて「危険運転致死傷」や「自動車運転過失致死傷」が追加されていった。
そして、悪質な交通死傷事故に対するものとして、刑法から独立するかたちで「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」、通称、自動車運転死傷行為処罰法が平成25年に生まれた。
その第三条には『アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する』など厳しい罰則が規定されていることで知られている法令だ。
2020年の改正では、危険運転致死傷の条件として高速道路上で強制的に停止させるなど悪質な「あおり運転」と呼ばれる行為も追加されるなど、最新の交通安全トレンドに対応した法令として自動車ユーザーであれば注目すべき法令といえるのだ。