「徐行」の標識をみたらどうする? 時速何キロまで落とせば「徐行」になるのか
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WWEB CARTOP より
「徐行」ってそもそもなに? 何キロくらいなの?
クルマを運転するときには、道路によって上限が変わる「制限速度」を気にしながら走る人が多いと思います。
その場合には、丸い標識に30、60、80といった数字が書いてありますので、ひと目でわかりやすいですね。
でも道路にはもうひとつ、速度を気にしなければいけない標識があるのですが、わかりますか?
それが、「徐行」の標識です。住宅街や通学路、すれ違いが困難な狭い道などに掲げてありますが、これっていったい、何km/hで走らなければならないのでしょうか?
道路交通法によれば、徐行とは「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう」と定義されています。
具体的な速度が示されておらず、ドライバーがすぐに停まれると考える速度という、曖昧な表現ではありますが、駐車場など人が飛び出してくる危険性が高い場所などでは概ね8〜10km/h以下であれば、ブレーキをかけてから停止するまでの距離が1m以下で済むという事例がありますので、その程度が適切と考えられます。
ただ、路面や天候によって滑りやすかったり、ブレーキを踏む人の力が弱かったり、下り坂になっていたりといった、状況の違いによっても停止するまでの距離が変わってきますので、その場所に合わせて、十分に安全だと考えられる速度に落として走ることが必要でしょう。
さらに、「徐行」の標識が設置されていない場所でも、道路交通法によって徐行が義務付けられている場所があります。
それが「左右の見通しがきかない交差点(交通整理が行われていたり、優先道路を通行している場合は除く)」、「道路の曲がり角付近」、「上り坂の頂上付近」、「勾配の急な下り坂」の4カ所です。皆さんは、守れていますか?
指定された区間以外でも危ない場所は徐行を心がけよう
また、場所で義務付けられているのではなく、「場面」によって徐行が義務付けられているものもあります。それが以下です。
・「歩行者などのそばを通過する際、安全な間隔がとれないとき」
・「許可を受けて歩行者用道路を通行するとき」、「道路外に出るために車が右左折するとき」
・「交差点で右左折するとき」
・「交差する道路が優先道路、または、あきらかに道幅の広い道路のとき」、「停車中の路面電車のそばを通過する際、安全地帯があるとき。または安全地帯のない停留所において、乗降客がなく、かつ1.5メートル以上の間隔があるとき」
・「ぬかるみや水たまりのある場所を通行するとき」
・「身体障害者や高齢者、児童・幼児のそばを通行するとき」
・「歩行者のいる安全地帯のそばを通行するとき」
・「児童・幼児などの乗降のために停止している通学通園バスのそばを通行するとき」
そして、信号のない横断歩道が近づくと、道路上に菱形のダイヤマークが書かれていますが、これも「この先に横断歩道があるから徐行しましょう」と促すものになります。
上記以外にも徐行したほうが安全なケースというのがあります。
これはヒヤリとした経験がある人も多いかもしれませんが、飲食店やコンビニ、スーパーといった駐車場の出口から、歩道を挟んで道路に出るときや、出口の左右に壁があったり、街路樹があったり、坂を登ったところが出口だったりすると、左右から来る歩行者や自転車が見えにくく、大丈夫と思って出ていくといきなり自転車がきてぶつかりそうになることもあります。
駐車場の出口からあまり勢いよく出ていくのは危険。必ず最徐行で様子を見ながら出ていきましょう。
次に、最近は昼間が猛暑なので早朝や夜間に犬の散歩をしている人が増えましたが、朝のまだ薄暗いときや、夜間の暗い道では低いところを歩いている犬が見えにくいことが多いですね。
犬に反射板(リフレクター)をつけて目立つようにしている飼い主もいますが、遠くからは見えても、近づくにつれて犬が完全にクルマの死角に入ってしまい、止まっているのか動いているのかもわからないことがよくあります。
飼い主とアイコンタクトを取りながら、しっかり徐行してそばを通行するのが安全です。
そしてもうひとつ、中央分離帯のない道路で、反対車線が渋滞しているときも徐行したほうが安全。
渋滞している側の側道から、割り込ませてもらったクルマが飛び出てくるかもしれないし、無理に横断しようとする歩行者がいるかもしれないし、渋滞を追い越そうとする二輪車や自転車がいるかもしれません。
そんなときでもすぐに停まれる速度なら、安心ですよね。
運転していると、速度がのっているときにわざわざブレーキをかけてスピードを落とすというのは、心理的にちょっと面倒に感じたり、損するように感じたりするかもしれませんが、そんな考えを優先して事故を引き起こしたら、それこそ取り返しがつかないことになります。
義務付けられている場所や場面以外にも、「ここは落としたほうがいいな」と思ったら、すぐに徐行をして予防運転に努めたいものですね。