高速道路にある「謎の信号」 設置の意味はナニ? トンネル前で見かけるが… めったにない“赤信号”ではどうすればいい?
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くるまのニュース より
高速トンネルにある信号機は何のため?
高速道路を走っていると、トンネルの入口で信号機を見かけることがあります。
なぜ高速道路に信号機が設置されているのでしょうか。
高速道路を走っている途中、トンネルに差し掛かるときに信号機を見たことがある人も多いでしょう。
これは坑口(こうぐち)信号機といい、名前の通りトンネルの出入口に設置されています。
しかし、渋滞時や危険を避ける場合を除いて、基本的に高速道路では走行中に停車する必要はありません。では、何のために設置されているのでしょうか。
実はこの坑口信号機には、トンネル内で災害が起きたことをドライバーに知らせる役割があります。
信号を点滅させ、後続車が入ってくることを防ぐというトンネルの非常設備のひとつなのです。そのため、高速道路だけでなく一般道のトンネルにも設置されています。
とはいえ、すべてのトンネルに付いているわけではありません。坑口信号機について、NEXCO東日本の担当者は次のように話します。
「坑口信号機は、長大トンネルなどの入口に設置されています。赤信号の場合は進入禁止です。
トンネルが進入禁止となった場合は、緊急車両の通行の妨げにならないよう、道路の左側にクルマを寄せてトンネルの手前で停車してください」
坑口信号機は入口からでは内部の様子がわかりにくい長さ5km以上のトンネルや、断続的に5km以上トンネルが続く道路において、トンネル入口や中間地点に、警察と協議したうえで設置されています。
また、内部がわかりにくいという点では、急カーブや急勾配のトンネルに設置されることもあります。
このように、坑口信号機は災害を知らせることが目的なので、青、黄、赤の3色の信号を順番に点灯させることはありません。平常は青信号が点灯し、異常がある場合のみに黄や赤に変わります。
そのため、黄や赤になっている状態を見たことがないという人も多いでしょう。では、実際に信号が青以外に変わっていたらどうすればよいのでしょうか。
まず黄信号はトンネル内で渋滞や軽い事故が起きていることを知らせています。この場合は、周囲に気をつけながら進行して構いません。
トンネル内で事故や災害など重大な事象が発生している場合は、車両の通行を止めるために赤信号が点灯します。
この場合はトンネルに入ってはならず、緊急車両に道を譲るために路肩に寄せて停車してください。
なお、坑口信号機近くに設置されている道路情報板にはトンネル内の状況やドライバーへの指示が表示されることもあるので、しっかり確認したほうがよいでしょう。
このほか、トンネル内で工事などにより車線規制がある場合は、そのレーンのみ黄色や赤色が点灯することがあるようです。
この場合は青信号になっているレーンに移動することが必要です。
JCTなのに赤信号で停止? どういうこと?
また、高速道路のジャンクション(JCT)に信号機が設置されているという珍しいケースがあります。
それは、埼玉県戸田市の美女木(びじょぎ)JCTです。高速道路にもかかわらず、一般道と同じような交差点と信号があるのです。
美女木JCTは多層構造で、外環道と首都高速5号池袋線・埼玉大宮線が接続しています。
下層を外環道が走り、上層で首都高速が交差しています。
一般的なJCTは上り線と下り線のそれぞれに分岐路と合流路がありますが、ここでは、クルマの行き来は中間層に設けられた交差点で行われ、そこに信号機が設置されています。
なぜ、このような構造のJCTが誕生したのでしょうか。
美女木JCTは1993年に運用を開始しましたが、建設時はすでに周囲は住宅地として区画整理されていました。
そのため、広がりのある一般的な構造のJCTを建設する用地の確保が困難だったので、一般道のような信号機のある平面交差で接続することにしたというわけです。
なお、JCTの交差点とだけあって、信号はドライバーからよく見えるよう視認性に工夫が凝らされています。
例えば、信号灯のサイズは大きめです。一般道に設置されている信号機の一般的な信号灯の直径は300mmですが、美女木JCTは直径450mmの信号灯を採用しています。
また、高速道路の標識といえば緑地ですが、美女木JCTの交差点では一般道と同じ青色を採用しています。
これは、緑色の標識を見たドライバーが高い速度のまま交差点に進入する恐れがあるため、スピードを抑えてもらうことを期待しての策のようです。
※ ※ ※
普段、青色が点灯している高速道路の信号機ですが、トンネル前の信号機については、その意味を事前に理解しておくと、万一のときに慌てずに済むかもしれません。
なお、首都高速では美女木JCTのように信号のある施設として、箱崎JCT下層部にある通称「箱崎ロータリー」が挙げられます。
ここは、複数の出口やPAへの出入口、本線への合流ランプが連続しており危険な箇所であることから、信号が設置されているようです。