「走れていても」取り返しのつかないダメージに至ることも! クルマのエンジンオイルを換えないと起こる悲劇
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WEB CARTOP より
メンテナンスフリーな最近のクルマでも必ずオイルはチェック
電気自動車時代になったらなくなるだろうけど、現状ではエンジンオイル交換は大切なことだ。
最近のクルマはメンテナンスフリー化が進み、手を出すところが減ってはいるけど、エンジンオイルは重要なポイントである。
ほかの油脂類の場合、車検ごとなど、プロにその管理が委ねられていたりするが、エンジンオイルに関しては走行距離も関係してくるので、ユーザーの管理が大切だったりもする。
クルマ好きにしてみれば、オイル交換は当然のことでもある。
ただ、最近は修理工場などの現場で聞くと「オイル交換をしないユーザーが多いし、勧めても問題ないから大丈夫。
また今度」的な返事が多いという。また、町の修理工場で見かけた某メーカーからの通達は、「とにかくオイル交換をしないので、メーカー問わず、交換してもらうように」という内容で驚いたのを覚えている。
交換しない背景には、お金がないというのが大きいと思われる。
さらには、「とりあえずいまは問題なく走っているから」というのも多い。
そう言われるとどうしようもないし、表面的には納得の理由だったりもする。
我々もオイル交換をしないとダメと記事では言うものの、どんな症状が出てくるのか、具体的に伝えることはあまりしないのは事実だ。
では、メーカーの交換指定を超えてもそのまま交換しないと具体的にどうなるのか?
換えない人が言うように、しばらくはなにも起こらず、そのまま走ることはできる。エンジンの種類や排気量、オイルの量、乗り方などにもよるが、しばらくはほとんど何も変わらない。
異音・振動・白煙はクルマからの不調の合図
ただ、内部ではどんどんと汚れが発生してオイルに取り込まれていくし、量も減っていく。
これが第一段階だ。この量が減っていくというのはピンと来ないかもしれないが、オイルもわずかずつだが、蒸発する。
実際、オイルの性能には蒸発についての項目があるほどだ。
もちろん、ピストンとシリンダーのすき間から燃焼室に入り込んで燃える分もある。
量が減ってドロドロになれば、異音が大きくなり燃費も悪くなるし走りのフィーリングも悪化する。
それでも、これらは徐々に進行するのでなかなか気がつかない。
オイル交換への意識が低い人であればなおさらのことだろう。
その後も走れることは走れるが、問題となるのはオイル量の減りだ。あまりに減ると、オイルを吸い上げなくなって油圧警告灯が点灯して、やっとプロに見てもらうことになるだろう。
油圧警告灯が点かなくても、中はスラッジ(泥みたいな汚れ)が溜まるだけでなく、それらが固まって岩のようになっている。
当然、除去するにはオーバーホールレベルの作業が必要になる。
ただし、量は別として走れないかというとそんなことはなくて、調子はかなり悪くなっても、走れてしまう。
スラッジの塊が大量に発生しても、それらは回転部分など以外のエンジン作動には直接関係ない場所であって、肝心の動いている部分には溜まらないからだ。
おおよそ4〜5万kmまではこのような状態なので、とりあえず動くというのは事実。表面的にはとくに問題ない状態だ。
また、エンジンが動くならいいじゃないかという見方もできなくはないが、動くというだけで、各部の磨耗は進んでいて、分解してみるとカムシャフトやタペットにはかじりが発生しているし、ピストンやシリンダーはガリガリな溝ができている可能性は高い。
というか、確実にできているだろう。
これらが起こっても平気だとしたら、ホントにオイル交換は5万km毎でもOKということになってしまう。
この状態でも乗り続ければ、我慢できないほど異音が大きくなったり、白煙を吹いたりなど、深刻な状態になってしまう。
このレベルになるともう元には戻せない。少々のスラッジなら、除去できたりするが、岩石レベルになると、先に触れたように分解して除去して、摩耗した部分は新品へと交換するしかないものの、それは現実的ではないので、エンジンは結果的にオシャカ。
ちなみに最近では、オーバーホール用のオーバーサイズピストンは用意されないことが多いので、シリンダーにキズが入るともうダメ。
結局は積み替えか、クルマの買い替えで、オイル交換をケチったばかりに高くつくということになる。
いま、動いているから大丈夫という表面的な判断は泣きを見るだけ。
メンテナンスフリーが進むなかでも、いまだに定期的にオイルを交換しなければならないというのは、それなりの理由があるというわけだ。