「ピシッ!」フロントガラスについた悲しき小キズ、どーしたらいい!!!!
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クルマで走行中に突然「ピシッ!」と音がしたと思ったらフロントガラスにキズが……。クルマに乗っていれば一度や二度はこんな経験があるハズだ。かくいう筆者も何度か経験がある。初めてガラスが欠けたようなキズがついた時、「直すと高そうだな……。でも直さないとダメなの?」とオロオロしたものだ。そこで今回は、フロントガラスのキズについて考えていきたい。
文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/写真AC
フロントガラスにキズがつく原因は?
フロントガラスにキズがつく原因の多くは「前走車のタイヤ溝から小石が飛んできて当たる」、もしくは「対向車が跳ね上げた小石が飛んできて当たる」である。
フロントガラスにキズがつくと、「走行中に砕け散ってしまわないか?」という不安が頭をよぎるだろう。ただ、相当古い年式のクルマに乗っていない限りはこの点において心配は無用。1987年9月以降に製造されたクルマのフロントガラスには「合わせガラス」を装備することが道路運送車両法に基づいた「道路運送車両の保安基準」によって義務づけられているからだ。
この合わせガラスは、2枚のガラスの間に「中間膜」と呼ばれる特殊樹脂素材のフィルムシートを貼り合わせたもので、たとえクルマが大きな衝撃を受けてもフロントガラスにはヒビやキズが入るだけで、飛散することはほぼないと言われている。
万が一キズがついてしまったら?
「中間膜があるから、飛び石によるキズがあっても飛散することはないのか。なら、修理の必要はないかも」と思う人もいるかもしれない。だが、小さなキズがいきなり大きなヒビに発展することもあるので、まずはクルマのガラス修理専門業者に相談しよう。ただし、直径2cm程度であれば自分で修理できないこともない。
自分で修理する場合はカー用品店などで数千円で売られているガラスリペアキットを使う。これらの多くはガラスのキズ部分にレジン(樹脂)を充填するもので、完全に元の状態に戻せるわけではなく、あくまで「目立たせない」程度に修復するものだ。だが、上手に修復すれば車検にも通る可能性は高い。
直径2cm以上のキズや大きめのヒビなどは、すみやかにクルマのガラス修理専門業者に相談すべき。修理不能な大きさのものや大きめなヒビなどはほぼ「ガラス交換」となるのだが……。
筆者は以前、夏の高速道路を走行中に飛び石によるフロントガラス破損を経験した。場所は運転席側で、ダッシュボードの上20cmあたりだったと思う。キズは直径2cmくらいの小キズだったが、小キズから数cmほどヒビが伸びていたのが気がかりだった。
車検が近かったので「車検までには直そう」と思いつつ数日が過ぎ、小キズのことをすっかり忘れていたある日に洗車を行った。なにげなくフロントガラスに水をかけたとたん「パシッ!」という音とともにヒビは50cmほどまで急成長! 慌ててなじみのクルマ屋に愛車を持ち込んだのだった。
結果はガラス交換で、10万円以上の出費だった……。
飛び石によるフロントガラスの破損に保険は使えるのか?
車両保険に入っていれば飛び石によるフロントガラスの修理・交換費用に使えるが、次年度以降の等級は1ランク下がり、保険料負担は増えてしまう。また、免責金額が設定されていると、免責金額分は自己負担となり、免責金額を超える修理・交換費用のみ保険で支払われることになる。
となると、「他車の飛び石による被害なのだから、相手の保険は使えないの?」という疑問も生まれる。
しかし、本当に自分の思うクルマが飛ばしたものなのか? 仮に特定できたとしても故意ではないことがほとんどのため、相手の過失を立証することは非常に難しい。
よって、飛び石による損害には自分の保険を使うか、自腹で修理するしかないと言える。
フロントガラスにキズがあっても車検に通るのか?
車検ではフロントガラスのキズの有無は検査官の「目視」によって行われ、合格・不合格の明確な判断基準はない。よって、助手席側か運転席側か、小キズなのかヒビなのかなどは検査官によって判断が分かれることもある。
筆者は助手席側に飛び石による直径1〜2cmほどの小キズが入ったことがあるが、車検には合格した。ただ、前述のように小キズが急成長することもあるため、大なり小なりキズがあるなら修理もしくは交換を考えるべきだろう。
キズを防ぐ手立てはあるのか?
これはかなり難しい。キズの多くは他車からの飛び石のため、気をつけるとしたら前走車との車間を詰め過ぎない(安全上の理由からも)ことが第一。
また、トラックやダンプカー、バスなどの大型車両のタイヤは大きく、タイヤの溝も大きい。そこから小石が飛んでくることもあるし、積載された砂利などが飛んでこない保証はないので、大型車の後ろを走る場合も要注意。加えて、雨の日は路面に雨水とともに小石が流れ出ていることもあり、この小石を他車がタイヤで弾き飛ばして直撃することもある。
フロントガラスが立ち気味のクルマ(貨物車やオフロードタイプなど)は小石の直撃をまともにガラスが受けやすく、損傷することが多いので注意したい。
また、ボディへの飛び石にはガラスコーティングがいくらか効果を発揮することも覚えておこう。