「高速道路」は4つだけ!? 知られざる「高速」の種類が存在 その「違い」とは
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くるまのニュース より
遠方へ移動するドライバーの味方「高速道路」 実は種類があった!
クルマで遠方へ移動する際に走行することの多い「高速道路」。
正式名称は「高速自動車国道」ですが、同様に高い速度で走行できる「自動車専用道路」が存在します。
一見すると、どちらも一般道とくらべて速い速度で走行可能なように思えますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
高速自動車国道は、都道府県をまたがり全国的に展開している高速道路ネットワークです。
交差点がなく、一般道路からの流入・流出をインターチェンジ(IC)などで制限しているので、他の交通と交差したり、停車する機会も少なく、長距離をクルマで移動する人にとって不可欠な存在です。
一方で自動車専用道路は、正式名称「一般国道自動車専用道路」といい、地域のスムーズな交通を目的として建設されるため、距離は比較的短くなっています。
これらふたつの道路は、クルマなどが高速で走れる構造で建設されており、1987年(昭和62年)6月に閣議決定された「第四次全国総合開発計画」では、「高規格幹線道路」として位置づけられ、現在「〇〇自動車道」という名称を用いるのが一般的になっています。
そんな高規格幹線道路はひとまとめに「高速道路」と呼ばれていますが、じつは正式名称として「〇〇高速道路」という名称がつけられた道路は少なく、「東名高速道路」「名神高速道路」「新東名高速道路」「新名神高速道路」のわずか4路線しかありません。
高速道路の名称について、NEXCO西日本は次のように説明しています。
「経済発展を担う重要路線として注目されていた『東名高速』『名神高速』という通称が広く使用され、一般的に定着して馴染みのある名称となりました。
この歴史的な背景を考慮し、『高速道路』はお客さまが最も受け入れやすい道路名称として例外的に採用されたものです」
ふたつの「高速道路」 制限速度や料金の違いは?
では、高速自動車国道と自動車専用道路でそれぞれ走行にあたってのルール上の違いなどはあるのでしょうか。
高速自動車国道は標識などで指定されていない場合、普通自動車では最高速度100km/h、最低速度50km/hに規定されています。
さらに、休憩施設としてサービスエリアが約50km間隔、パーキングエリアが約15km間隔を目安に設置されているのも特徴です。
一方で自動車専用道路は標識などで指定されていない場合、普通自動車では一般道と同様に60km/h以下に規定され(一部では70km/hや80km/hに引き上げられている道路も存在)、最低速度の規定はありません。
なお、高速自動車国道と自動車専用道路で共通することとしては、どちらも歩行者、軽車両、125cc以下の小型自動二輪車、ミニカー、原動機付自転車での通行はできません。
しかし自動車専用道路は、故障車を牽引している自動車やたとえば農耕作業車のように50km/h以上の速度を出せない車両など、高速自動車国道では通行できない車両が例外的に通行できることもあります。
また、ふたつの道路では料金にも違いがあります。
高速自動車国道は距離に応じた料金を通行料金として徴収します。これは国費で建設されていることが理由です。
一方で、自動車専用道路は建設費の一部を地方自治体が負担するため、通行料金が無料であることも多く、地域交通の実情に応じて決定されているのです。
※ ※ ※
普段何気なく利用している高速道路ですが、単に名称の違いだけでなくルール上にも違いがあり、通行できる車両や最高速度も異なっています。
一般道と高速道路のふたつで区別してしまうと、高速道路の場合ついつい速度を出してしまう傾向にあります。
通行する際はそれぞれの道路の標識などをよく確認し、規定された最高速度・ルールを守って走行しましょう。