高速道路「一部最高時速120km化」から2年 事故・違反件数は変化した? 「走りやすくなった」訳とは
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くるまのニュース より
一部高速道路の「最高速度120km/h化」で事故や違反は増えていない?
一般道路や高速道路にて最高速度が定められていることは周知の事実です。
高速道路では基本的に100km/hと定められていますが、一部区間では120km/hを採用している区間もあります。
そうした区間において、事故件数や違反件数に変化は起きているのでしょうか。
2022年10月に、埼玉県の岩槻IC付近と栃木県の佐野藤岡IC付近で最高速度が120km/hに引き上げられました。ただし、大型トラックといった一部の車両の最高速度は、これまでと同じく80km/hの規制が続いています。
警察やNEXCO東日本は、安全性に大きな影響はないとして最高速度の引き上げを決定しました。混乱を招かぬよう警察がドライバーに対してチラシを配り、引き続き安全運転を心がけるよう呼びかけています。
この一部の高速道路で最高速度120km/hにするという取り組みは約2年前から始まっており、国内初運用となったのは岩手県花巻南IC~盛岡南JCT区間や、静岡県御殿場JCT~浜松いなさJCT区間です。
なかには、最高速度が120km/hに上がることによって、「事故や違反件数が増加してしまうかもしれない」と、不安を感じる人もいるかもしれません。
では実際に、最高速度を引き上げて約2年が経ち、事故や違反の動向はどうなったのでしょうか。
120km/hに最高速度を引き上げてからの事故や違反の動向について、静岡県警の担当者は以下のように話します。
「2020年12月から新東名高速道路における最高速度規制120km/hの運用を開始しましたが、実際この120km/hに速度制限を引き上げたことによって事故件数やスピード超過などによる違反の取り締まりが増加することにはなっていません。
むしろ、その時期に同区間で6車線化を実施したことにより、クルマが分散し、より走りやすくなったという声を多くいただきます。
ただ、120km/hに引き上げたからといって、必ず120km/hで走行しなければならないというわけではありません。そのため、どんな状況であってもいつでも前を向いて走行し、安全運転を心がけなければいけません」
「不安の声」も受け、段階的な制限速度アップを実施
同様に、最高速度を120km/hに引き上げたことによる影響について、岩手県警の担当者は以下のように話します。
「結論からいうと、120km/hに引き上げたからといって事故や違反による取り締まり件数が増加したということはありません。もし120km/hに引き上げたことにより、速度超過などが頻発した場合は、抑制するための活動をおこないます」
前出の担当者によると、この120km/h制限を施行する前は、さまざまなユーザーから「もし速度制限を引き上げたら、みんなが速度をあげて走行してしまい、事故も増えるのではないか」といった不安の声も寄せられていたと言います。
しかし、その声を受けて、静岡県や岩手県では2017年から約3年にもわたり、110km/h、120km/hと、段階的に施行してきたうえで、安全だと判断したため120km/hに引き上げています。
また、その間もユーザーに啓発をおこなったりと、さまざまな試行錯誤を重ねた結果、引き上げても事故件数が増加することはないことを証明したため、運用が開始されています。
ちなみに、静岡県や岩手県での120km/hの引き上げは国内初の運用となっていますが、これを皮切りに、前述した通り、2022年10月には埼玉県や栃木県などで120km/h速度制限を運用したりと、さまざまな区間で120km/hの運用が増加しています。
このようにさまざまな区間で120km/hに引き上げられている実情からも、最高速度が引き上げられることによって事故が増加するというわけではないといえます。
そのため、あくまで、『120km/hまでの範囲で走行することができる』という制限のため、120km/hで走行する必要は当然ありません。
十分な車間距離を保ち、進路変更する際は安全確認を確実におこなうとともに、交通状況に応じた安全な速度で走行する意識が必要です。
※ ※ ※
最高速度が引き上げられたとしても、運転する際は十分な車間距離をとり、よく確認して安全運転を心がけることが重要です。