ゲリラ豪雨でクルマが浸水! どの程度だったら復旧できる?「水没車」で注意すべきポイントとは
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くるまのニュース より
豪雨で浸水したクルマは復旧できる?
近年、地球温暖化の影響もあって各地で異常気象が多発しており、「ゲリラ豪雨」と呼ばれる、短時間で大量の降水量が観測されることもよくあります。
そんななか、冠水している道路をクルマが走行している映像がニュースなどで流れますが、「あのクルマ大丈夫?」と心配する人も多いでしょう。
クルマは普段雨天でも使用するので、水に対してはある程度考慮されて設計されていますが、浸水となると話は変わってきます。
一般的に水に浸かったクルマは「水没車」や「冠水車」といわれ、一般財団法人自動車査定協会(JAAI)により「室内フロア以上に浸水したクルマ、または浸水の痕跡が複数確認できるクルマ」とされています。
浸水の度合いは、クルマの種類や最低地上高、エンジンレイアウトとも関係しますが、復旧可能な浸水レベルは「タイヤ半分まで」が目安。
一部のスポーツカーや車高調セッティング含むローダウン車を除き、浸水がタイヤ半分程度までで収まれば、室内空間に水が浸入しないと考えられます。
ただし、タイヤ半分程度の浸水でも浸水後のメンテナンスは必要です。室内に水が入り込んでいなかったとしても、カーショップやディーラーなどでチェックしてもらうことをオススメします。
また、マフラー(排気管)までの浸水した場合はさらに注意が必要です。
マフラーはエンジン燃焼により生じた排ガスを大気中に放出する役割を担っていますが、マフラーはエンジン本体にエキゾーストマニホールドを介して接続されているので、そこまで浸水してしまうとエンジン本体に水が入る可能性があるのです。
もしマフラーまで浸水してしまった場合は無理にエンジン始動をせずに、カーディーラーなどにアドバイスを聞くか、JAFなどのロードサービスを利用して移動させましょう。
復旧後にトラブルが発生することも!
運良く水没車が復旧できたとしても、その後の点検は必須となります。
タイヤの劣化やブレーキディスク、ブレーキパッド、ブレーキキャリパー、各種シャフト類のチェックが必要ですが、なかでもクルマを停止させるためのシステムであるブレーキに関してはとくに注意すべきでしょう。
ブレーキシステムは制動倍力装置を介してブレーキ力を増大させます。ブレーキにはブレーキフルードと呼ばれる専用のブレーキオイルが使用されますが、このオイルが劣化しやすく、浸水後は水や空気が混入している可能性があります。
そして、水や空気がブレーキオイルに入り込んだ場合、本来の性能や耐久性が失われ、ブレーキが著しく効かない危険な状態になってしまうことが考えられます。
また、ドライブシャフト関係も要注意なパーツです。
シャフト関係は先端がベアリングになっていて回転を伝える役割があります。その先端に、ベアリングを保護している「シャフトブーツ」と呼ばれるゴム製の保護部品が存在しますが、シャフトブーツでベアリングは完全密閉されていないので水が浸入してしまいます。
ここに水が入ると、潤滑用のシャフトグリスなどが流れ出てしまい、そのまま使用すると部品同士の摩擦でベアリングなどが焼き付いてしまい走行不可能になることが考えられます。
これらの状態を回避するためにも、復旧した水没車はカーショップやディーラーでの点検をおすすめします。
では、復旧が不可能な水没車はどうなってしまうのでしょうか。
水没レベルによって選択肢が異なりますが、浸水レベルが低いクルマに関しては、中古車としてオークションに出品されることもあります。
水没車は事故歴があるクルマと同様で「水没車」「冠水車歴」として表示されるので、事故車よりも評価が低く落札価格も大幅に下がってしまいますが、オークション会場までのレッカー代や出品費用、輸送コストなどを考慮してもメリットがあるなら、オークション出品してみるのもひとつの手です。
出品するコストが合わない場合は「スクラップ業者」に買取してもらう方法もあり、「1kg/〇〇円」という形で買い取ってもらうことができます。
また、きれいで再使用できる部品は中古部品としての再利用、再販売も可能です。
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突然のゲリラ豪雨で愛車が水没してしまうのはツラいものですが、水没車を専門に買い取りする業者もあり、一般的な買取店よりも知識が豊富なので、一度相談してみると良いでしょう。
また、自動車保険で「車両保険」に加入している場合は、車両評価額に応じて保険金が給付されます。万が一被害に遭った場合、加入している保険会社に確認してみることをおすすめします。