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クルマのエアコンはやっぱりオート!? 内気循環とルーバーの方向がキモだ
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 今年の夏も暑すぎる!! 毎度のことながらクルマに乗り込むと汗が一気に吹き出てしまうほど。

 もちろん窓全開にし、エアコンを最強にするわけだが、その後の設定はどのようにするのがベストなのか!? オートエアコンの場合、オートにする人もいれば自分好みにマニュアル操作する人もいるはずだが、どっちがイイの!?

文/青山尚暉、写真/TOYOTA、SUBARU、MAZDA、AdobeStock(トップ画像=Jo Panuwat D@AdobeStock)

■猛暑の今、乗ったらすぐさま車内の熱気を外に!!

 今年の夏は暑すぎる。東京でも連日35度を超えることもあるし、地域によっては40度に迫る灼熱地獄の様相だ。そんな夏の炎天下、屋外駐車のクルマの車内の温度は50度を超えることもあるという。炎天下に駐車していたクルマに乗り込むのは、まさに洋服を着たままサウナに入るようなもので、一気に汗が吹き出し、場合によっては具合が悪くなることさえありうる。

 もちろん、エアコンをONにするのだが、その前にまずは車内の熱気を外に出す必要がある。つまり、窓を全開にする。ドアを解放するのは、駐車場所によっては危険が伴うし、エアコンON=エンジンONによる車体からの熱気が車内に入る可能性もあるから勧められない。



■エアコンはまず内気循環に! とくに小さいエンジン車はオススメ

 で、やむなく車内に乗り込んだとして、そこからどうするか。エアコンの温度を下げ、全開でエアコンを稼働させることになるのだが、その際エアコンの外気導入と内気循環のスイッチに注目だ。

 外気導入モードとは、外気を取り入れながら車内を冷やす(または暖める)。内気循環モードはトンネル内や前に黒煙をまき散らしながら走っているクルマがいるときなどに有効な、外気の導入をシャットアウトするモードだ。

 エアコンをAUTOモードにすると自動的に外気導入モードになるクルマもあるが、熱気に満ちた車内をできるだけ速やかに冷やすには、どちらがよいか? 答えは内気循環モードだ!!

 外気導入モードだと、車外の熱い空気まで導入してしまうため、車内を冷やすのに効率的とはいえないからである。とくに小排気量のクルマでエアコンの容量が小さいほど、内気循環による冷房効果は高まるようだ。

 JAFのテストデータによれば、夏など外気温が高く、車内温度が高温になっているときは、まず窓を全開にして、ある程度の熱気を外に出してから、窓を閉め、「エアコン+内気循環」を使用すると効率的に車内温度を下げられると説明されている。

 しかし、車内温度が下がってから走り出したい……と、クルマを止めたままはいろいろな意味でNG。エアコンAUTOで温度設定を最低(LO)にして内気循環モードの状態で走り出すのがよい。JAFのテストデータでは、車内温度55度の状態でスタートし、10分後にもっとも車内温度が下がったケースがそれである(27.5度に)。

 ちなみにエアコン+外気導入モードでは、10分後の車内温度は2度高い29.5度だったという。車内温度が快適温度になったら、25度など、好みの温度に設定しなおせばよい。

■吹き出し口に注目! まずはルーバーを上向きにすると効果テキメン

 エアコン吹き出し口のルーバーの向きも、速やかに車内温度を下げるポイントとなる。家庭用エアコンでも、ルーバーを水平に向けると冷房効率が高いとされているのは(家庭用エアコンのルーバーは上には向かない)、熱い空気は上にたまりやすいから。

 その空気の性質から、エアコン吹き出し口のルーバーは、抵抗があるかも知れないが、当初は顔や体に直接当てるのではなく上向き(天井向き)にしてやるのが理にかなっている。

 もちろん、すべてのルーバーではなく、乗員にもっとも近い吹き出し口のひとつのルーバーだけは自分向きに当てると、冷房効率と自身の暑さしのぎという意味ではベストではないだろうか。


■オートモードが絶対条件!? 燃費にも効果大

 では、走行中、エアコンのAUTOをわざわざ外し、マニュアルモードにして温度設定を低めに設定して内気循環モードにすればどうなるかと言えば、今のエアコンの場合、やはりAUTOにしたほうがよいとされている。

 理由は最新のフルオートエアコンであれば、車内温度が適正になれば、自動的に風量を抑えるなど、キメ細かい制御が可能なのだ。冷えすぎを防ぐうえ、当然車内も静かになり、コンプレッサーへの負担も少なくて済み、結果、快適性、燃費の双方に有利になるからである。

■次に買うならベンチレーション付きのクルマを!



 筆者は屋外駐車だが、フロントウインドウにサンシェードを使っているし、もし、プチバン、ミニバンなどでリヤウインドー部分にロールサンシェードが付いているクルマなら、夏の間は上げっぱなしも、車内温度上昇の抑制効果が多少なりとも期待できるかも知れない。

 そして筆者はまず窓を全開にした後、車内の熱気を逃がしている間の時間が無駄にならないように、始業点検ということで、タイヤなどのチェックを行っている。

 以降は先に述べたようにして走り出し、車内温度を下げていくようにしている。車内の熱気を窓の外に逃がす……という意味では、うちわを使い、パタパタするのも良さそうだ(同乗者主体で)。

 が、それでもスタート直後は顔から汗は吹き出すだろうし、なによりも熱々になったシートに密着している背中あたりもまた汗だくになったりする。すると、ワイシャツ、Tシャツなどの背中がシワシワになりかねない(シャツの素材にもよるが、勝負服だと困る)。

 そんな暑さによる衣服の被害!? を低減してくれる装備が、実は前席シートベンチレーション(あくまで送風機能でエアコンと連動した冷風が出てくるわけではないので誤解のないように)なのだ。

 メルセデスベンツ、BMW、ボルボの上位モデルや国産車でもbZ4X、ソルテラ、プリウスAプレミアム、RAV4、ハリアー、マツダ6、CX-5などに(グレードによる)用意されている。

 これがあるとエアコン+シートベンチレーションの相乗効果で背中や太腿部分が速やかに冷やされ、爽快で、気持ち良く、なおかつシャツの背中の汗による吸い付きと動きによるシワも低減されることを経験している。

 もし暑さが大の苦手、汗をかくのも大嫌い……しかし愛車は屋外駐車……というなら、シートベンチレーション付きのクルマを選ぶと、夏の暑さの中のドライブも、より快適になるはずである。



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