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日本人のモラルは急激に低くなった!? この暗黙のルール正しい? 間違い? 7選
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 日々、クルマを運転するうえで道を譲ってもらったらサンキューハザード、というのが暗黙のルールと考えていいだろう(なかには手を挙げて、後続車に「サンキュー」の意思を伝えてきてくれるドライバーもいるようだ)。

 他にも「高速道路で渋滞している時、最後尾でハザード点灯」も同様だろう。

 その他、いつの間にか浸透し、自分自身も習慣になっている「暗黙のルール」がいくつかあるはずだ。

 今回、それらの「暗黙のルール」を7つ、紹介したい。なかには違反になってしまうものもあるので、この機会に認識していただければ幸いだ。

文/松村透
写真/AdobeStock(あんみつ姫,maroke,Josiah.S,KM.Photo,BullRun,beeboys,efired,show999,picture cells,stockfoto,hakase420,paru,norikko,hin255,kazoka303030,TimSiegert-batcam,Melanie Kocheva,O P Z Creative,sunasuna3rd)


■教習所でも教えてくれない? 「暗黙のルール」とは

 いわゆる「普通免許」を取得する前に、多くの人が自動車教習所に通った経験があると思う。

 これは通った自動車教習所や担当した教官によって大きく差があると推察するが、応用編ともいえるローカルルールや暗黙のルールまで事細かに教えてくれるケースは稀ではないだろうか。



 事実、筆者の知人の教官曰く「全国統一のルールではない可能性があるため、そこまでは敢えて教えていない」のことだった。

 必死に運転の基礎を学んでいる人に対して、過度な情報を伝えるのは混乱を招く可能性があるから、と付け加えてくれた。

 しかし、時と場合によっては路上教習中にサラッと伝えることもあるという。あくまでも予備知識として。

■地域やドライバーの経験値次第で「暗黙のルール」が通じないことも



 前項で記したように、ドライバーの年齢や経験値、住んでいる/走っている地域など、複雑な要素が絡み合った状態で誰もがクルマを運転している。

 全国津々浦々、日本各地を走っているトラックドライバーの方たちと、片道1キロほどのスーパーや病院など、限られた道でしかクルマを運転しない高齢者の方とでは、経験値や情報量に天と地の差があるのはいうまでもない。

 脇道から顔を出した軽自動車に道を譲ったものの、ハザードランプを点灯せずそのままするすると前方を走っていてイラッとした! という経験があるかもしれない。

 もちろん、故意にサンキューハザードを点灯させていないケースも想定されるが、ただ単に「そういった習慣を知らないだけ」という可能性もありえると考えた方がいいだろう。

■この暗黙のルール正しい、間違い? 7選



 この記事に目を通してくださる方であれば、相応にクルマに対して関心があったり、自他ともに認めるクルマ好きだと思われる。

 なかにはプライベートだけでも年間走行距離が数万キロがあたりまえ! という方もいるかもしれない。

 そんな豊富な知識や経験を持つ方たちが、ひょっとしたら日常的に、あるいは無意識のうちに行っている行為が正しいのか、それとも・・・を考察してみた。

1.サンキューハザード


 おそらく、多くのドライバーが日常的に使用していたり、または(道を譲った場合などに)前を走るクルマが点灯した状況に遭遇したことがあるはずだ。

 一般ドライバーだけでなく、トラックやバス、タクシーなどのプロドライバーが使用しているケースもしばしば見掛ける。

 この暗黙のルールが正しいか否かというと判断が分かれるかもしれない。しかし、ひとまず点灯させることで、道を譲った後続のドライバーも悪い気はしないだろう。

 そういえば、ドリカム(DREAMS COME TRUE)の名曲「未来予想図II」の歌詞にもある、【ア・イ・シ・テ・ルのサイン】で「5回点滅」させるのはハザードだと思い込んでいた。

 今回、ものすごく久しぶりにこの曲を聴いたら、それはブレーキランプだった。当時はともかく、いまでも実践している方はいるのだろうか。ちょっと気になるところではある。




2.高速道路で渋滞しているとき、最後尾でハザード点灯

 首都高速や大阪環状線など、ある程度速度の乗る道を走行していた時、コーナーの先でいきなり渋滞していてあわててブレーキ!!! という経験があるかもしれない。

 高速道路などで渋滞に巻き込まれた時、最後尾についたクルマがハザードランプを点灯させ、後続に注意を促すのは、ドライバーとして必須の行為といえるだろう。

 事実、高速道路の電光掲示板でも「渋滞時、最後尾はハザードを点灯を!」といった内容のメッセージが表示されていることがある。

 どのタイミングで点灯させるべきか迷うことがあるかもしれないが、もたもたしていると後続のドライバーが渋滞に気づくのが遅れる可能性もある。

 さらには、タイミングが遅れて追突される可能性もある。追突事故を未然に防止する意味でも、渋滞だと気づいた時点で点灯させるのが妥当な判断だといえるだろう。




3.「先に右折しますよ(先に右折していいよ)」という意味のパッシング

 こちらは右折待ち。対向車線からクルマがこちら向かってきているが、まだ距離がある・・・。そんな時「先に曲がるよ」という意味合いを込めてパッシングし、右折したことがあるかもしれない。

 何も意思表示せずに曲がるよりは安全かもしれないが、対向車のドライバーが「先に曲がるんだな」と解釈してくれるかは微妙だ。

 そんな時は、サッと手を挙げて「(念入りに)先に曲がるよ」と合図すればこちらの意思が伝わりやすくなりそうだ。

 あるいは対向車が右折のウインカーを出していることに気づき、「お先にどうぞ」の意味を込めてパッシングして合図するケースもあるだろう。いわゆるプロドライバーであればかなりの確率で通じる可能性が高いと思う。

 しかし、ドライバーによっては「???」となっているケースもある。使い分けが難しい暗黙のルールだが、相手に確実に伝わることを考えるとトラックやバス、タクシーなどのプロドライバー相手に限定するのが妥当なのかもしれない。



4.高速道路の追い越し車線でのパッシングor右側ウインカー

 追い越し車線を走っていて、背後から迫ってきたクルマにパッシングされたり、右ウインカーを点灯した(された)経験があるかもしれない。

 要は「早く行きたいから道ゆずってよ」ということなのだが、なかなか強引なやり方だ。受け止め方次第では、前方のクルマのドライバーを怒らせてトラブルの元になってしまう可能性もある。

 どちらかというと、これは使わない方がいい暗黙のルールといえそうだ。かといって左側から追い越すと違反(交通違反点数 2点、普通車の場合、反則金が9000円となる)になる。悩ましいところだ。



5.走行中に前に入れてイイ場合、ヘッドライト消灯orパッシングで意思表示

 高速道路はもちろん、一般道において、前方のクルマを割り込ませる場合・・・。

 ヘッドライト消灯またはパッシング(あるいは両方の合わせ技)で意思表示をするケースがある。

 あくまでも感覚値だが、トラックドライバーなど、プロの方が多用しているような印象がある。

 多くの一般ドライバーに通じるかどうかは微妙だという観点から、相手を選ぶ(プロドライバーなど)など、一定の配慮が求められる暗黙のルールといえそうだ。



6.信号待ち時のヘッドライト消灯


 夕暮れ時や夜間に信号待ちをしていると、時々遭遇する「信号待ち時のヘッドライト消灯」。「思いやり消灯」などと表現することもあるようだ。

 対向車が眩しくないようにという、何とも日本人らしい配慮だ。しかし、実は違反行為にあたる(無灯火の場合を除き、違犯ではあるが減点や罰金の対象にはならない)。

 スモールライトが点灯しているとはいえ、対向車や周囲の歩行者、自転車などに対して自身の存在を見えにくくしている行為にあたるのだ。

 よって、これは点灯させたままが正解であり、マストだ。オートライト機能が装備されているクルマであればそのままの状態しておくのがベストだろう。



7.ねずみ取りを見つけたら対向車にパッシングで合図

 これも公然の事実だと思われるが、ねずみ取りを発見した時、対向車のドライバーに対してパッシングで知らせるという「暗黙のルール」が確かに存在する。事実、それで難を逃れたという方もいるだろう。

 しかし、何の前触れもなく対向車にパッシングされると「前方でねずみ取りをやっている」と気づくには時間がかかる場合もある。

 対向車に知らせる場合もなおさらだ。下手をすると対向車のクルマが「あのドライバー、前方のクルマをパッシングしている」などと誤解されかねない。

 何の前触れもなく、対向車がパッシングをしてきたら、自身の進行方向で何らかのトラブルや障害、取り締まりが行われている確率が高いと認識しておくべきだろう。 

 要は安全運転をしていれば何の問題もないということで、この暗黙のルールも使わない方がベターといえる。



■まとめ:日本人のモラルは急激に低くなった? 慮るのは日本人特有の美学か




 最近、テレビやネットなどで煽り運転の報道や記事を目にする機会が増えたように思う。新型コロナウイルスの影響が長引いてイライラしている人が増えた・・・。

 といった見方がある一方で、ドライブレコーダーの普及やスマートフォンの高性能化により、これまでは記録されてこなかった映像が簡単に拡散できるようになったことも事実だ。

 その結果、これまではなかなか証拠として残せなかった事実が顕在化したのではないか、という意見もあるようだ。

 今回の7つの「暗黙のルール」は、どれも相手を慮って行われている行為だと考えたい。

 慮る(おもんぱかる または おもんばかる)とは、「周囲の状況などをよく考慮する」という意味だ。

 実は違犯になってしまう行為は除外するとして、ちょっと一手間掛けて「慮る」だけで、交通トラブルが減る可能性も大いにありうる。

 「日本人のモラルが急激に低くなった」と嘆く前に、忙しい時や、イライラしている時ほど、この「慮る」という意識を大切にしたいものだ。もちろん、筆者自身への戒めを込めて、だが・・・。



引用元:https://bestcarweb.jp/feature/column/469599


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