SUVやミニバン全盛の今「立体駐車場」の高さ制限どうなってる? 商業施設とマンションで異なる「上限1550mm」の実態
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「立体駐車場/機械式駐車場」にはさまざまなタイプがある
限られたスペースにより多くのクルマが駐車できるようにと、商業施設やマンションなどを中心に「立体駐車場」「機械式駐車場」(以下、機械式駐車場)が設置されています。
しかし、高さや車重などの制限があるため、全高が高くて重量があるSUVやミニバンが主流となった現在、普通車サイズの機械式駐車場だと駐車できないケースも発生しているようです。
軽自動車でも「スーパーハイトワゴン」など背の高いモデルが増えていますが、駐車場の高さ制限はどうなっているのでしょうか。
立体駐車場とは、複数台のクルマが駐車できるように多層化された駐車施設の総称です。
平地がそのまま駐車場になった「平面駐車場」との比較でそう呼ばれています。
立体駐車場にはさまざまなタイプがあり、大型の商業施設や空港などに多いのが、運転手が目的階までクルマを運転して駐車する「自走式立体駐車場」です。
これにもまた複数の種類が存在しており、各階をスロープで連結させた「フラット式」、駐車階を半階分ごとずらすことでスロープの長さを短縮できる「スキップ式」、スロープを兼ねた緩い勾配に駐車スペースを配置した「連続傾床式」があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、車両移動用装置を設置しなくて済む反面、設備に見合う広い土地が必要です。
これに対して、装置によってクルマを入庫・運搬して収容する機械式駐車場は、土地を有効活用でき、高い収容効率が魅力だといえるでしょう。
この機械式駐車場にもいくつかのタイプがあります。
上に伸びる「タワーパーキング」には、クルマの載ったパレットをエレベーターのような構造で収容する「エレベーター式」と、観覧車のようにパレットが回転する「ゴンドラ式(垂直循環式)」があります。
さらにはリフトと台車を用いてパレットに載せたクルマを各車室に格納する、大規模な「地下式駐車場」などもあります。
そして、一般ドライバーに馴染み深い「多段式駐車場」は、マンションなどの限られた敷地内で収容台数を増やすために設置される、上下左右にクルマを載せたパレットが動くパズル式(昇降横行式)のものです。
ほかにも、2、3段のパレットが昇降する「2・3段ピット式(昇降式)駐車場」もマンションなどで多く見られます。
今回取り上げるのは、機械式駐車場のうち多段式駐車場と2・3段ピット式駐車場についてですが、マンション住まいの人にとっては、賃貸で自分の駐車スペースとなるだけに、現状がどうなっているのか気になるところではないでしょうか。
これまで大抵の機械式駐車場は、クルマを載せるパレットの大きさなどもあって、高さ制限は1550mm前後に設定されることが多いといわれてきました。
マンションなどに多く設置される多段式駐車場と2・3段ピット式駐車場は、全高1550mm以上や、全幅が広い大型車に対応するのは難しいのでしょうか。
機械式駐車場の保守・メンテナンスを手掛けるテクノパークの営業本部・臼井さんに聞きました。
「設置の環境によりますが、屋外であれば機械のリニューアルで可能になります。
機械式駐車場には以前から約2000mmまでの全高に対応できる『ハイルーフ』、約1800mmまで対応できる『ミドルルーフ』の駐車装置が、若干ですがございます。
ただし、ほとんどの機械式駐車場が普通車(1550mmまで)までの対応となっており、ハイルーフ対応タイプはまだまだ導入が少ない状況です」
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最近では、ユーザーのニーズやバリューアップなども見込めるため、リニューアル工事でサイズアップすることは可能だといいます。
「それでもマンションで普通車対応タイプが多いのは、高さによる景観への影響や建築基準法の制限のなかで、収容台数確保を優先させる傾向があるからだと思われます」(テクノパーク 臼井さん)
また、ハイルーフ対応などは収容台数が減る可能性があり、台数を確保しようとすると建設コストも変わるため、なかなか普及しにくい部分もあるそうです。
引用元:https://kuruma-news.jp/post/515583