6月は維持費に泣く! コスパ最強の愛車メンテ術と次の車検に向けた備え
口コミを書く
口コミを見る
ベストカーWeb より

クルマを所有している人にとって、5月6月は出費がかさむ時期。「自動車税(軽自動車税)を払ったから、今月はかなり厳しい」という人は少なくないのではないでしょうか。毎年のことであり、わかっていたとはいえ、物価高騰が続く昨今においては、1台につき1~4万円もの出費はかなり厳しいもの。
なんとか支払いを終えても、クルマにはほかにも任意保険代やガソリン代、駐車場代といった維持費がかかります。特に、2年に一度(新車は3年)の車検のタイミングと重なってしまうと、もうクルマなんて手放してしまいたいと思ってしまうこともありますよね。
税金や車検にかかる費用については仕方のないことだとしても、ほかの維持費に関してはできる限り抑えたいところ。コスパ最強のメンテナンス方法をご紹介します。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_望菜 竹内/写真:Adobe Stock、写真AC
ガソリン車はふんわりアクセル、電動車はぐっと加速!! で燃費は改善できる
クルマの維持費のなかでも、日々のしかかってくる燃料代は、できるかぎり抑えたいコストのひとつ。特に昨今は、燃料価格が高騰していることで、燃費を気にしている人は多いと思いますが、燃費は運転の仕方で多少改善することができます。
クルマが走行するうえで、もっとも燃料を消費するのは、発進時です。この発進時にアクセルペダルの踏み方を工夫すると、燃料の消費を抑えることができるのです。
一般的なATのガソリン車では、ブレーキペダルをリリースしたあとクリープ現象を使って進行し、その後ゆっくりと加速させる「ふんわりアクセル」、ハイブリッド車やPHEV、BEVなどの電動車では、駆動用モーターの持つトルクの強さを活かして、発進時に「ググっ」とやや強めの加速をすることで、省燃費な運転をすることができます。
十分な速度に到達したあとは、ガソリン車も電動車も、車速を一定に保つことを心がけましょう。一定速で走行を続けることで、エンジンや電動パワートレインの負荷を減らすことができるので、効率いい走行をすることができます。車間距離を十分にとり、無駄な減速や加速を行わないよう、(ついていれば)瞬間燃費計を確認しながら、アクセルペダルの操作に集中します。
下り坂を上手に活用することもポイントです。特に電動車の場合は、下り坂で電力を蓄えておき、上り坂でEVモードスイッチをONにして電動走行をすることで多少燃費を改善することができます。
タイヤをいい状態で保つには、空気圧が超重要
燃料代の次に気になるのは、やはりタイヤの交換費用でしょう。昨今は性能がいい格安タイヤも多いですが、それでも4本交換するとなると、工賃含めて5万円から10万円ほどと、なかなかの出費となってしまいますよね。
そのため、できるかぎり交換頻度を下げたいところですが、タイヤはどんな使い方でも一定の速度で摩耗していくわけではありません。使い方次第である程度タイヤの寿命を伸ばすことができるのです。
そのためにまず気にしてほしいのがタイヤの空気圧です。クルマのタイヤには、それぞれメーカーが指定する空気圧が設定されていますが、指定空気圧よりも低下してしまうと、タイヤのたわみが大きくなることで偏摩耗が発生、狙い通りの寿命を全うすることができず、メーカーの設計よりも早く寿命を迎えてしまうことになってしまいます。
タイヤの空気圧は、放っておいても月に数%ずつ抜けていきます。空気圧は不足していても、逆に空気圧過多となっていてもよくありません。月に一度は、指定空気圧になっているか、チェックをしましょう。タイヤ空気圧は、走行した後はタイヤ内の空気が温まっていることで高めに出てしまうため、走り始めのタイヤ内圧が低いときを基準にして、毎度合わせるようにしましょう。
日々の運転操作においては、無駄な摩耗を防ぐため、クルマが前進も後退もしていないときにハンドルをグルグル回す「据え切り操舵」を控えたり、交差点やコーナーではしっかりとスピードを落とすなどを心がけましょう。また、縁石や段差、キャッツアイなどの突起に乗り上げることも、タイヤやホイールを痛めてしまうことに繋がるため、できる限り避けるようにしてください。どうしても乗り上げざるを得ない場合は、車速を落としてタイヤの軌跡を選んで進むようにしましょう。
クルマは走らせないのもよくない
クルマの代表的な消耗品としてはほかにも、エンジンオイルや補機用バッテリーなどありますが、エンジンオイルや補機用バッテリーを傷めないようにするには、ある程度クルマを走らせることが必要です。
たとえば、近所の買い物や送迎程度にしかクルマを使っていない場合、エンジンオイルには「スラッジ」とよばれる汚れが蓄積していきます。エンジンは低速で走行しているときやアイドリング時などの低回転の状態では、不完全燃焼を起こしやすく、不完全燃焼によって発生したススがスラッジとなって蓄積されていってしまうのです。補機用バッテリーも、十分な充電ができないことで、バッテリー上りを起こしやすくなります。クルマは走らせることで消耗していく面もありますが、実は走らせなくてもよくないのです。
スラッジは、エンジンをある程度回転させることで除去することが可能であり、補機用バッテリーも、エンジンを長い時間かけて走行することで活性化させることができます。週に1度は、エンジンがある程度の回転数に達するよう、50km程度のドライブをするようなイメージで、クルマを走らせるようにしてください。
補機用バッテリーに関してはまた、純ガソリン車でアイドリングストップ機構がついているクルマの場合は、オフにしておいたほうが長持ちします。燃料消費量はわずかに増えますが、補器用バッテリーを交換する費用に比べたら微々たるコストですので、コストを重視するなら、アイドリングストップ機構はオフでいいと思います。
ほかにも、クルマに余計な荷物を載せっぱなしにしないことでも燃料の消費が抑えられますし、タイヤの摩耗も遅らせることができます。タイヤに関しては、タイヤローテーションを定期的に行うことで、均一に摩耗させることができるため、寿命をまっとうさせることができます。
クルマの消耗品に関しては、適切なタイミングで交換するということも、コスパのいいカーライフにおいては必須。交換タイミングを守らないことは、致命的な故障や、悲惨な事故に繋がってしまう可能性があるからです。お得なカーライフは日々のメンテナンスから。ぜひ参考にしていただき、愛車を長く楽しんでください。