高速道路の「スマートIC」なぜ増加? “スマート”ならではのメリットも! 普通の出入り口と何が違う?
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くるまのニュース より
省スペース&低コストな「スマートIC」全国各地で続々と開通!
近年「スマートインター」という言葉を見聞きすることが増えました。正式名称は「スマートインターチェンジ(以下、スマートIC)」といい、高速道路と一般道を接続するETC専用の簡易型インターチェンジのことです。
スマートICには、サービスエリア(以下、SA)やパーキングエリア(以下、PA)に設置される「SA・PA接続型」と、高速道路本線に直接アクセス路を接続する「本線直結型」の2種類があります。2004年に実験的に導入され、2006年より本格的に運用が開始されました。
そんなスマートICには、どんなメリットがあるのでしょうか。
スマートICは簡易型ETCゲートのみの「無人料金所」とすることで従来のインターチェンジ(以下、IC)より必要な面積が少なくて済み、建設や管理のコストも抑えることができるのが特徴です。
これまで立地やコストの面で見送られていた場所にも設置することが可能となり、すでに全国で154か所のスマートICが開通しています(2023年9月11日時点)。
日本の高速道路はIC間の距離が欧米諸国のおよそ2倍もあるため、近くに高速道路が通っているにもかかわらずICが遠く高速道路を利用しづらいという地域が少なくありませんでした。
そうした地域に省スペースかつ低コストのスマートICが次々と設置され、高速道路とのアクセスが向上するとともに、今まで通過するだけだった地域の活性化にも大きく貢献。
利用者からは、「これまでICまで遠くて高速の利用は諦めていたが、近所にスマートICができて便利になった」といった声があがっています。
また、SA・PA接続型スマートICではSAやPAの施設を利用できるのも魅力のひとつ。「本線に入る前にトイレを済ませたり、ナビの設定ができるので助かる」や「高速を降りる前に食事を済ませられるので便利」など、好意的なコメントが目立ちます。
もっとも、すべてのSA・PA接続型スマートICで施設が利用できるわけではなく、上下線あるいは出入口によってはSAやPAに立ち寄ることができない構造のスマートICも多いので、事前の確認が必要です。
多くの地域で高速道路が利用しやすくなるというメリットのあるスマートICですが、逆に考えられるデメリットとして、新たな渋滞が発生する可能性を指摘されています。
スマートICには、ETC専用とはいえICが増えることで交通量が分散し渋滞が改善されるという目的もあり、実際に緩和されているケースも多々あります。一方で、スマートICができたことによってその周辺が混雑するといったマイナスの面があるもの事実です。
スマートICは基本的に1レーンで、2レーンあるところでもゲートの先で1車線に合流させられることが一般的。また、簡易型のETCゲートのため一般のICとは違いノンストップ通行ができません。通信のため必ず一時停止する必要があるため、どうしてもボトルネックとなってしまうのです。
大型連休中など交通量の多い時期のSA・PA接続型スマートICでは、ETCゲートに向かうクルマの渋滞により、SAやPAが目的のクルマまで渋滞に巻き込まれることもあるようです。
そのほか、デメリットではありませんが、上下線両方に出入口があり4方向にアクセスできる「フルIC」ではないことに対する不満の声もあがっています。
スマートICには「上り線は出口だけ」、「下り線は入口だけ」というようなアクセス方向が制限される「ハーフIC」もあり、「せっかくスマートICができたのに行きたい方向とは逆向きの入口しかない」といった意見も少なくありません。
また、クルマの全長や時間帯によって利用できないスマートICもあり、知らずに向かってしまい高速道路に乗れず、かえって遠回りするはめになったケースも見受けられます。
天候や工事、事故などで閉鎖していることもあるので、利用前に確認しておきましょう。
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ETC専用であったりアクセスできる方向・時間帯に制限があるなど、場所によって利用条件が制約されるケースはありますが、ICが増えて高速道路が利用しやすくなったり地域活性化が促進されるというメリットは大きく、スマートICはこれからますます増えることが予想されます。