頭金の突っ込みすぎには要注意!! 残価ローンで地獄の無限ループに!? 自動車ローンと上手に付き合う方法
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ベストカーWeb より
自動車ローンを組む時には、頭金や借入期間、借入額など考えることが多い。初期設定を間違えると、ローンに振り回される生活になってしまうことも。様々なタイプがあり、年々複雑化している自動車ローンと、うまく付き合っていくための、ちょっとした裏技を紹介していく。
文/佐々木 亘、写真/Adobe Stock(アイキャッチ画像:KATSU@Adobe Stock)
■頭金は本当にたくさん入れて大丈夫?
筆者が自動車販売店で営業マンをやっていた頃の話だ。ローンの支払額を計算する際に、黙っていてもお客様から「頭金〇〇万円いれるから」と言われる。
この時、筆者は「頭金そんなに入れなくても大丈夫ですよ、備えるべきイベントが、これらからありませんか?」と聞くようにしていた。
頭金を入れるメリットは、言わずもがな。借入額が引き下げられ、審査が楽になり、毎月のローン支払い額が下がり、支払利息が減るといったものが代表例。
ただ、家計全体を考えると、自動車ローンに必ず頭金を用意することが、良いとは言いきれないのだ。
手元にある現金がゼロに近くなるまで、頭金として突っ込むのは少し考えるべきだと筆者は思う。
突然、急な出費に見舞われらどうするのか。頭金を出しすぎて現金が無くなった結果、自動車ローンよりも高い金利のところから借り入れすることになっては、元も子もない。
■利用しやすい残価設定ローンが負の無限ループを起こすことも
最近、多くのディーラーで残価設定ローンが取り扱われ、利用者も増加している。メリットは、フルローンよりも月々の返済額が小さくなること。
ローン契約満了時にクルマを返却すれば、クルマの残価が残りのローンと相殺されるという仕組みになっている。
利用しやすさが目立つが、残価設定ローンには気を付けねばならない。最悪の場合、ローンのアリ地獄にハマってしまうことがある。
「ローンを借りる、乗る、クルマを返してローンを相殺する」という一連のサイクルが終わると、契約終了時には手元に何も残らない。
次のクルマを買うための頭金や下取り車が無いため、もう一度残価設定ローンでクルマを購入し、ローンを支払い、また相殺するという動きを繰り返す。
これが残価設定ローンの無限ループ。クルマが生活必需品に近い立場の場合、これにハマると抜け出すのは至難の業だ。
■流行りの残価設定ローン攻略のカギは「差額貯金」
残価設定ローン無限ループを発生させないために、筆者がおすすめしたいのは、次の方法だ。
まず3年や5年程度のフルローンで自分が支払いが出来るギリギリの金額を計算する。次に、同じ期間、同じ借入額で残価設定ローンのシミュレーションをしてほしい。
例えばフルローンで月々支払いが5万円だと、残価設定では3万円程度になるだろう。注目したいのはその差額だ。今回のケースでは2万円にあたる部分。
やりたいことは、残価設定ローンを契約すると同時に、差額の2万円を「フルローンでは払うもの」という意識を持って、積み立て貯蓄に回すことだ。
この「差額貯金」を行うと、残価設定ローンで設定された最終回支払い額分を無理なく貯金することができる。万が一、急な出費が発生したら差額貯金を切り崩してもいい。
今のローン満了後は、今のクルマに乗り続けることもできるし、クルマを乗り換える時には、今のクルマとローンが相殺関係になるから、差額貯金は、次のクルマの頭金として使えばいい。
この差額貯金を粛々と行えるなら、残価設定ローン利用時に無理に頭金を入れる必要性も低くなる。ローンとうまく付き合うために必要なのは、家計における体力(現金)の維持だ。
差額貯金は回復魔法と認識し、ローンというボスの攻略に役立ててもらいたい。