青と赤じゃ大違い! 交通違反で切られる通称「赤切符」は被告人と呼ばれ「前科」がつく重大なものだった
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WEB CARTOP より
「赤切符」は重大な交通違反をした際に発行される
免許証が何枚あっても足りない、スピードの出るクルマによく使われた表現です。よくよく考えてみるとじつに不謹慎な言葉ですが、ハイパーカーなど鼻歌まじりで300km/h出せるクルマに乗っている方にとってはリアルな問題かもしれません。仮にミニバンでスピード違反をしたとしても、せいぜい30km/hや50km/hオーバーが関の山。一方、マクラーレンやランボルギーニならば、80km/h、いや150km/hオーバーなんていともたやすく起こりうるわけで、こうなると赤切符が切られることは確実! そんな違反はダメ! 絶対! なんですが、もしものために赤切符について知っておいても損はないでしょう。
だいたい、赤切符というのは青切符よりも重大な交通違反を犯した際に発行されるもの。一般的には「速攻で免停、もしくは免許取り上げ」として知られています。青切符であれば30日間の免許停止、場合によっては講習を受けることで停止期間1日などと短縮されることもあります。が、赤切符は原則的には刑事裁判にかけられ「有罪確定」であるため、前科がついてしまうのです。いわゆるスネにキズもつ仲間入りというわけ(笑)。
当然、刑事事件として立件・処理がなされ、違反者が容疑を認めるのであれば、通常は略式裁判で審理され罰金刑になります。これが、酒気帯び運転で死傷者を出したなどの重大な事故とならない限り、懲役刑や禁錮刑になることはほとんどありません。また、罰金逃れも同様で、悪質なケース以外では逮捕もレアケースといえるでしょう。ただし、アナタがなんらかの執行猶予期間中だったりしたらまずいことになります。略式裁判、あるいは正式裁判の際に弁護士を雇うこと、強くオススメいたします。
一般的に赤切符が切られるケースは、前述のスピード超過(一般道は30km/h以上、高速道路では40km/h以上の速度超過)、もちろん酒気帯び運転も当てはまり、ごくまれに「自動車の保管場所の確保等に関する法律違反」ということもあり得るようです。また、80km/h以上の速度超過では、赤切符ではなく(初犯であっても)公判請求され、最終的には懲役刑となることがほとんど。ハイパーカーオーナーはくれぐれもご注意ください。
略式起訴で罰金刑となれば罰金の支払いで刑の執行は終わる
なお、赤切符が切られると、刑事手続になるため、<警察の捜査→検察官への送致→起訴→裁判>という流れとなり、警察/検察/裁判所が連係して違反者の事件処理を1日で行います。これが三者即日処理方式と呼ばれるもので、警察と検察の取り調べのあとで略式起訴が行われ、裁判官が略式命令を発付したあと、その場で赤切符(略式命令謄本)を受け取ることに。ちなみに、この時点で違反者は「被告人」と呼ばれるそうなので、きっと胃袋が重たくなるでしょう(笑)。
そして、運よく罰金刑に収束すれば検察に罰金を支払うことで刑の執行は終了。数十万円に及ぶこともあるので、バックレようとする輩もいるようですが、期限内に間に合わなかった、あるいは検察庁からの通知を無視し続けた場合、労役場に留置される可能性があります。これは赤切符に限ったことでもないので、罰金と呼ばれるものは借金してでも払うのがセオリーかと。
さて、以上の流れは刑事処分にかかわるもので、交通違反には赤だろうと青だろうと行政処分というのが付き物。いわゆる免停30日なのか90日なのか、はたまた取り消し処分が適用されるのかは、行政(公安委員会など)が絡んでくるわけです。
大まかな流れは、警察による違反、事故の精査が行われて点数が決められます。ここで違反者は公安委員会に呼び出され「意見の聴取」として申し開きをする場が与えられます。が、「誰かがアクセルペダルを接着剤でくっつけたんだ」とか「ECUをハッキングされた! モサドの陰謀じゃ」などとアピールをしても、ほとんどスルーされてしまいます(笑)。もっとも、自身が潔白であれば、代理人(弁護士)を立てて、正統な主張をすべきでしょう。なお、赤切符に記された日付は行政処分の意見の聴取の日程ではありませんので、ぼんやりと出頭してしまうことがないようお気を付けください。
なお、その場で取り締まりされないオービスの場合は、オービスに撮られた時点で違反が成立するのですが、呼び出しに従って出頭した時点で違反手続きが始まります。つまり、出頭しないと警察や検察の手続きも始まらないわけで、これを幸いと逃げ続ける輩も少なくありません。ですが、これは悪質な違反者と判断され、簡単に逮捕されちゃいますので、絶対に真似をしないように!
いずれにしろ、赤切符が切られるようなスピードは道路でなくサーキットで! 酒気帯び運転なんていうのは言語道断! クルマ好きなら交通法規を守って、青切符すら切られないカーライフを送りましょう。