電気自動車の急速充電は公衆トイレみたいなもの!? 自宅で用を足してから出かけるのが基本だった!
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WEB CARTOP より
じつはすでに急速充電器の設置は国内全域を網羅している
電気自動車(EV)の充電の話になると、多くの人は急速充電器のことしか注目しない。
そして、整備が不十分だと結論付ける。
もちろん、すべてが完璧ということにはまだなっていない。
だが、現在国内に設置された急速充電器の数は約7500か所にのぼり、ごく一部の地域を除き、ほぼ国内全域を網羅している。
したがって、急速充電器がなく充電できないといった不安は、ほぼ解消されている。
しかし、EVの販売台数が増えるにつれ、急速充電器の設置場所に到着すると、すでに先に充電しているEVと重なってしまうことが起きている。
休日などにはそれが数台の順番待ちとなる場合がある。
そこで、同じ急速充電設備で、複数の充電ケーブルを備えることが望まれ、急速充電の社会基盤整備を行うイー・モビリティ・パワーでは、複数口化を進めているところだ。
車両側では、バッテリー容量を大きくすることで、一充電走行距離を延ばそうとする動きがあり、この場合、急速充電器の高性能化が望まれている。
電気の充放電は水の流れに例えることができる。蛇口からある一定の流れのまま、大きなバケツに水を貯めようとすれば長い時間を要する。
そこで、もっと蛇口を開け、流量を増やそうというのが急速充電器の高性能化だ。
現在最大で50kWh(キロ・ワット・アワー)という仕様が比較的高性能な急速充電器とされているが、さらに90kWhや150kWhなどへの高性能化を望む声が、高性能であったり上級車であったりするEV所有者から出ている。
EVの普及には普通充電器の充実と乗る側の意識改革が必要
しかし、まず優先すべきは200V(ボルト)による普通充電の充実で、それこそがEV利用の基本となる。
出発時点で、自宅や勤務先などで普通充電により満充電近くにしておき、その先、もし長距離移動をする場合に電力が足りなくなりそうであれば、急速充電で補充する。
これが、EVの正しい利用の仕方だ。
ところが、課題がふたつある。ひとつは、充電をガソリンスタンドでの給油の代わりと考える人がまだ多いことだ。
そこで、EVは自宅での充電が基本であることを周知しなければならない。
次に、国内においては、マンションなど集合住宅に普通充電を設置することが、ごく一部を除いてできない状況がある。
管理組合などによって、充電設備の設置が否定されてしまうからだ。
これも、充電はガソリンスタンドのように急速充電器ですればいいとの間違った解釈があるためといえる。
かつて、電力会社のEV担当者が、「急速充電機とは公衆トイレのようなものだ」とたとえた。
外出の際、人はまずは家で用を足しておき、出先でもよおしたときのために公衆トイレはある。
同じように、EVも、まず自宅で満充電にしておき、万一のために急速充電器があると考えるべきだ。
この発想が浸透しない限り、EVの充電に関する課題は解決しないだろう。